光成滋生著/竹迫良範編「パターン認識と機械学習の学習−ベイズ理論に挫折しないための数学」1,000円(ISBN978-4-87310-166-8) 星野香奈発行/暗黒通信団発売という本が7月上旬に出ました。B5判・99頁のノートのような本です。発売元の暗黒通信団は牧野貴樹著「π−円周率1,000,000桁表」314円とか、真実のみを記録す会著「р素数表150000」357円など、一般的にはほとんど役に立たないものを出していて、なにかと話題になっています。数学のブームというのでしょうか。さて今回出た「パターン〜」は、都内の大型書店で、一週間で100冊売れてしまいました。この本は、この数学理論の学習者たちが待ち望んでいたようです。ネットを見るとPDFで無料で入手出来るようで、何故、紙版を?と思うのですが。まあ〜、シュプリンガー・ジャパンから出ている、この理論の本は上下で16,000円もするにもかかわらず4刷りと好評のようですし、そのアンチョコ本(教科書ガイド)としての本書の刊行を試みたら需要があったということでしょう。
当センター扱いの新刊は、書誌データへの登録は遅れるため、リアル書店で初版は完売となりそうで、いつもはこの種の本はネットが先行するのが一般的なのに、なんとも不思議な経験です。本書の出版の意味を判っていた店員さんの先見性が立派ということでしょう。ちなみに初版の残部は予約で満杯、重版出来は7月末になります。
●100%天然温泉なんてだまされるんじゃないぜ。著者がこの四半世紀で取材した北海道の300湯から、今、お奨めの100湯を。その第二弾。舘浦あざらし責任編集「温泉番長ほっかいどうbook2 番長級」743円 あざらし舎は、7月17日発売予定です。ISBN978-4-901336-27-7
●未明童話1200作品の中から、昭和初期に書かれたものを中心に、完成度の高いもの、新しい側面をそなえたもの、変容を考えるに参考となるもの50編を選みました。編・解説小埜裕二「新選 小川未明秀作童話50−ヒトリボッチの少年」1,900円 蒼丘書林は、読みやすい現代カナ使いと懇切な注釈付き出す。ISBN978-4-915442-88-9
●戦時下、マラヤから広島に留学。被曝から九死に一生を得て祖国マレーシアで日本語教育に身を捧げたラザクの「戦後」を通して、三つの広島(「廣島」と「広島」そして「ヒロシマ」)を検証します。宇高雄志著「南方特別留学生ラザクの<戦後>−広島・マレーシア・ヒロシマ」1,900円 南船北馬舎は、戦中から戦後のアジアと日本の関わりを証言する一冊。ISBN978-4-931246-28-7
●暴力とは異なった仕方で、ナルシズムを肥大させるのではない仕方で、他者と結びつくことは可能なのか?を考察します。レオ・ベルサーニ/アダム・フィリップス著 桧垣立哉・宮沢由歌役「親密生−intimacies」2,400円 洛北出版、現代思想、クィア論の翻訳。他者への、世界への暴力の廃棄を!ISBN978-4-903127-16-3
●ヨモギ・タンポポ・センダングサ…身近な野の薬草73種の採り方、使い方までを。大滝百合子著「おきなわ 野の野草ガイド」1,700円は、癒しに満ちた薬草の世界の入門書に最適。ISBN978-4-89982-219-6
●独特の色彩と変形のコラージュが生み出すパラレルな世界。サイトウユウスケ「NEW COLOR」2,600円 ウィンドチャイムブックスは、「ミュージックマガジン」誌のカバーを手掛けるサイトウユウスケによる第一作品集。トランスフォームかメタモルフォーゼか!?ISBN978-4-9905429-6-2
●発行前に紹介した酒井キミ子著「戦争していた国のおらが里」3,800円 桂書房が「朝日新聞」読書欄で紹介されました。田んぼ仕事の一年、「非常時」が村にもやってきた!など、昭和3年生れの女性の絵日記ですが、生活の知恵・自然の恵みの豊さなどが詰っています。ガソリンや電気の乏しい時代の生活から学ぶことは、昨今だから余計に沢山ありそうです。ISBN978-4-905345-28-2
●新規にタイ・バンコクの出版社を扱います。西岡良樹編「バンコクスマートページ 2012年度版」4,200円 ライデーン(タイ)刊は、タイ=バンコクの日本語電話帳+バンコク生活便利帳です。タイの概要、食事、美容・健康、教育、医療、ショッピング、交通、帰国準備、ビジネスなどの最新情報を。ISBN978-4-8123-0060-2
●大阪河内地域に残る多くの「戦争遺跡」が語る真実を。大西進著「日常の中の戦争遺跡」2,600円 アットワークスは、旧陸軍航空兵力の一大拠点・八尾・大正飛行場の全貌や「本土決戦」の幻想、空襲の被害、「防空都市」づくりなど。ISBN978-4-939042-85-0