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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1278(2012/09/05)

今年はお盆休みが月から木と一週間をほぼ独占したため、やりずらい、業務日程でした。取次店は16日から再開したわけですが、木曜・金曜の注文短冊は、ネットを中心に結構な量でした。しかし、巷の書店さんの声は、日本時間夜開催のロンドンオリッピックのおかげで、客足は寂しかったと聞きます。皆さんのお店はいかがでしたでしょうか。

丸善の「松岡正剛の棚・松丸本舗」が9月で閉店と伝えられます。最近、独特の選書で、個性的な書店のニュースが多いのですが、たしかにどことなく魅力的ではあるものの日常的な経営を維持するのが可能なのかどうかと問われると、難しいのでは推察をせざるをえません。

そんなとき 読売新聞の空想書店というタイトルのコーナーに 北大の中島岳志さんが「最近 個性的な本のセレクトショップが増えている。雑貨屋と融合したおしゃれな内装の店が多く 本のラインナップには店主の趣味が色濃く反映されている。<中略>客を選ぶ本屋に 私はあまり魅力を感じない。本屋は やはりみんなの空間だ。<中略>もし 可能ならば 新刊本だけでなく 古本も取り混ぜて売りたい。文庫本も 今ではあっという間に絶版になってしまう。出版社が本の命を粗末にするならば せめて本屋で大切にしたい。スピード感ばかりが求められる世の中で 本屋は時間を堰き止める役割を果たしたい」と記されていました。

客を選ぶのではなく オープンなたたずまいでいることこそが やはり小売店の本質的役割を果たすことになるのではないのか・・・入り口には本日発売の雑誌が並び ベストセラーが平積みされたその奥にさりげなく本屋さんお奨めの本が並ぶ・・・こんなすごく当たり前の本屋さんが成り立つ街は夢なのか? と考えてしまいます。

これから出る本・新刊案内

●いままで多くの絵本や童話の創作作品を世に出してきた松岡享子さん(同図書館理事長)が、はじめて絵も書いた、まつおか きょうこ作・絵「うれしいさん かなしいさん」1,000円が東京子ども図書館から出ます。”悲しくなる”お話と”嬉しくなる”お話が交互に進み、最後は広い公園に”嬉しくなった”こども達が集ってくるという、不思議で、楽しくなる絵本。もともとバザーのために作った古セーターを使ったぬいぐるみ人形からから生れたそうで、手にした方−とりわけ子どもたち−から、いっときの笑顔を引出せたら、作者は「いっぺんにうれしいさん」になるということです。本書の収益は、同図書館がこれから10年は続けたいという東日本大震災復興支援の「3.11からの出発」事業に用いられます。ISBN978-4-88569-212-3

●韓国エンティメント情報誌の最新号「HOT CHILIPAPER Vol.72 2012年SEP号」1,429円 エイチシーピー編刊は、ミュージカルにダブルキャスト主演、超人気のコンビK&Gことグァンス&ゴニルの特集他です。ISBN978-4-906813-02-5

●米国東海岸で在留邦人の多いボストンと首都ワシントンの長期滞在日本人用便利帳の最新版。「ボストン・ワシントンDC便利帳Vol.8」3,000円 Y'S PUBLISHING編・刊が届きました。隣りのNYの9つの楽しみ方が特集。ISBN978-4-8123-0054-1

●はじめて、アイヌ自身が執筆してできたアイヌ文学の古典。<アイヌ神謡集>がどんな文学で、どんな芸術かを解き明かす著作。北道邦彦著「アイヌ叙事詩」1,200円 北海道出版企画センターは、アイヌ伝承のユカラ(英雄叙事詩)とカムイユカラ(神謡)が、世界的にも普遍的価値を有するものであることを確認する論考。ISBN978-4-8328-1205-5

●今年は柳田國男没後50周年に当たり、その記念出版として企画された、柳田國男著、監修リライト・校閲/小畠宏允・田中正明「新訂 先祖の話」1,800円 石文社は、柳田國男の不朽の名作を現代かな使い、新漢字、専門語、難解語にふりがなと脚注、別注、索引をつけた新編集の本です。ISBN978-4-9901846-6-7

●衰退する日本茶文化を憂い、香りと味の調和をと、静岡県での茶師たちの闘いを通して探り、新たな方向を示します。飯田辰彦著「日本茶の『勘所』」2,000円 鉱脈社は、日本のお茶の香りの世界、鍵は”萎凋”(いちょう=茶部屋で一晩お茶を寝かせる工程)にあると指適します。ISBN978-4-86061-444-7

●画家・猪熊弦一郎が集めた「物」をスタイリスト・岡尾美,代子が選んで、写真家・ホンマタカシが撮った100点。丸亀市猪熊弦一郎美術館監修「物 物」2,800円 BOOK PEAKは、膨大な数の集蔵品のなかから、それぞれの視点によって瑞瑞しい魅力が発見された”もの”たちをじっくり味わえます。ISBN978-4-902519-06-8

●下妻みどり著「長崎おいしい歳事記」1,600円 書肆侃侃房は、長崎の名物料理にとどまらず、肉や野菜といった「普通」の食材の豊さも、日々の暮しからたぐりよせる食エッセイ。四季に分けて紹介します。ISBN978-4-86385-091-0


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