人口1万1千人余の長野県小布施町にこれからの公共図書館の姿を追求する図書館があります。夜、隣接する市役所や学校が閉れば真っ暗になるところに「あんどん」のような窓の多い外から丸見え、平屋建て1000平米の町立図書館(「まちとしょテラソ」)が浮び上がっています。3年前に開館したこの図書館は「おしゃべりオーケー」、町民や町を訪れる人々の「交流と創造の場」を目指して創られました。図書や映像による学びの場の創造や、文化継承という図書館本来の機能強化に加え、子育て支援、地域住民同志や来訪者との交流、情報発信の場として役割を果たすことを目指します。情報発信として進めるデジタルアーカイ化構想は、町を一つのコンテンツと捉え、町に点在する様々な文化資源を、町民サービスの向上に活用しながら、関連情報を全世界に発信してゆこうという包括的事業計画。町議会の報告会は図書館でされ、8時まで開いている建物には、塾帰りの子どもたちや、仕事帰りの大人たちも寄っていきます。図書資料ばかりでなく、映像・音の資料、そして講演会や演奏会などさまざまなイベントも行い、町民はもとより訪れる訪問者との交流の促進を果たしています。
“世の中を照らそう”“子どもたちの足下を照らしここから羽ばたいてもらおう”そんな意味を込めて「テラソ(照そう)」とだじゃれて、「まちとしょテラソ」(町の図書館テラソ)という名称になったそうです。批判の多い「無料貸し本屋」になってしまう図書館ではない役割を意識的に編み出そうとしています。都市部では「ビジネス図書館」的役割(個人の学習と自立)がとりあげられることが多いのですが、小布施は「町づくりのための図書館」を目指しているようで、老若男女が行き交い、歴史や経験を継承、そして人づくりと生きがいを持てる地域の創造が目指すところのようです。この図書館には8万冊余の図書資料が有るそうですが、これから「町じゅう図書館」という構想もあるそうで、町民の家の玄関口や商店の一角に書棚に入った本や資料が置かれ、町民が利用し交流が広がってゆくようです。
●中年以上の人は学校で見た事があるのではないでしょうか?劇団・新制作座によって、1952年の初演以来60年にわたり上演され続け、1500万人以上が見てきた感動の舞台劇の絵本化です。眞山美保原作、くすのきしげのり文、伊藤秀男絵「泥かぶら」1,600円 瑞雲舎は、いま一番求められている、「生きることの素晴らしさを」描く人間賛歌の絵本。ISBN,978-4-916016-95-9
●意外と清潔好きで芸も良く覚える可愛いミニブタをペットにするための情報を伝える、小林茂久著「ミニブタをペットにする完全ガイド」2,200円 アテネ社は、ミニブタの特性、飼育環境、医療、トレーニングなど。写真が豊富です。ISBN978-4-900841-49-9
●兵庫県の山間の村で江戸期から織られていた布が廃たれ、昭和初期に民芸運動の中心人物柳宗悦に「丹波布」と名付けられた国の無形文化財復興の歩み。吉田ふみゑ著「丹波布に魅せられた人々」1,800円 北星社は、昭和25年にこの布に魅せられ、復興に賭けた安達康子の半生とその周辺の人々を描きます。ISBN978-4-939145-35-3
●津波で両親を失った少女が、死と命について考える絵本。文・絵おざわせいこ「絵本 勇気で走れ」1,524円 ツーワンライフは、自らも怪我を負いリハビリに挑み、次第に明るさを取り戻していきます。初めて死と命について考えた少女は、命の大切さを思います。ISBN978-4-924981-94-2
●大山・塔ノ岳・丹沢山・蛭ケ岳全110コース。盛屋益男踏査・作成・解説、踏査総括守屋二郎「東丹沢登山詳細図」857円 吉備人出版葉、8ケ月の現地,踏査によって完成しました。国土地理院の1/25000地形図に表記されている小径の変更された正しいラインを表記しています。ISBN978-4-86069-332-9
●知っているから一歩先へ歩める。祐岡武志・中沢静男監修「学べる!世界遺産の本 奈良」1,200円 京阪奈情報教育出版は、持続可能な開発のための教育(ESD)の視点で世界遺産を学べる案内。仏教建造物群と紀伊山地の霊場と参詣道の解説・紹介と、それぞれをESDの視点で考えます。ISBN978-4-87806-507-1
●日本最強の方言は鹿児島弁だと言います。石野宣昭著「鹿児島弁辞典」2,500円 南方新社は、子や孫に伝えたい鹿児島ことば5400語を収録。全ての見出し語に用例を付け、いろんなシーンで使えるように。鹿児島弁から標準語へと標準語から鹿児島弁への二部構成。ISBN978-4-86124-242-7
●意外と知られていない、沖縄・宮古・八重山の天候。どうせ行くなら天候も楽しんじゃおう。真木太一著「気象・気候から見た沖縄ガイド」1,400円 海風社は、全く新しい予習型ガイドブック。爆弾低気圧、ジェット気流、人工降雨などコラムも充実。ISBN978-4-87616-021-1
●大阪の南・泉州は伝統産業・織物業が盛んでした。高度成長期の人手確保が難しくなると企業は二交代勤務に見合った定時制高校を大阪府に要望し、開校したのが、織物業に働きつつ学べる学校「隔週定時制高校」でした。橿日(かしひ)康之著「織姫たちの学校−大阪府立隔週定時制高校の40年」1,600円 不知火書房は、そこに通った生徒たちを見守り続けた教師の内部レポートです。ISBN978-4-88345-039-8
●愛媛大学著「南海トラフ巨大地震に備える」1,429円 アトラス出版は、いつ起きてもおかしくないと言われている南海地震への対策を、愛媛大学防災情報研究センターが最新研究成果をとりまとめて提言。防災・減災の取り組み法を。ISBN978-4-906885-03-9