この夏は集中豪雨はあるものの、平均的には雨が少なく、日照りが多く農作物の生育環境はきびしく、野菜の値段は高止り米の生育にも影響が出始めているようです。
そして、いままで首都圏への最大の供給元であった東北や関東北部の生産地で作られる作物や、漁貝類も出荷停止、仕入控え、買い控えは続いています。今回の汚染水漏れで更にきびしくなるのでは? と心配になります。福島に住む人の話ですが、地元野菜は順調に作られているのですが、いざそれを口に入れるのかどうかの判断に躊躇させられるということ。ジャガイモなどもよくできているのですが、いざ食べようとすると・・・さてさてとハードルがいっきに高くなるようです。「米もよくできているんだよ。でもいざそれを買うかというと、地元にいながらできなくて、実は山形産の米を取り寄せているというのが実態なんだ」と告白しています。放射能汚染を限りなく背負ってゆくしかない現状は、なんとも言えません。
そして、中沢啓治著の「はだしのゲン」が、島根や鳥取の図書館で閲覧制限されていたことが報道されています。 原爆や戦争のことは、キチンと後世に伝え、教訓化すべきことだと信じますが、戦後68年を経て記憶を消し去ろうという動きがこの数年広がっていることを、このような措置があぶり出しているように見えます。日本は、世界第二の経済大国(近代化が速くその恩恵を得た国)から普通の国になりつつあり、経済的・地勢学的にもこれから発展し互恵関係を深めることが必要なアジア諸国や世界の国々と付き合ってゆくためには、あの戦争の反省・整理・清算をせざる得ない時を迎えているのと正反対の現象です。
●イスラム革命、イスラム共和国の誕生を経て激動の半世紀を生きるイラン女性の友情と恋愛、恐れと希望の物語。2回発禁処分を受けたにもかかわらず、発行されつづけ20刷りイラン最大のベストセラーだそうです。パリヌッシュ・サニイ著/那須省一訳「幸せの残像」2,500円 書肆侃侃房から9月上旬刊。イタリアで権威ある「ジョバンニ・ボッカチオ賞」受賞作です。ISBN978-4-86385-122-1
●沖縄は、塩の名産地で、百種を超える塩が多様な製法で作られている稀な地域だそうです。ソルトコーディネーターである青山志穂著「琉球塩手帖」1,400円 ボーダーインクは、代表的な製塩所14ケ所(本島編/離島編)の製塩方法や商品紹介、そして塩文化の歴史、それぞれの塩にピッタリの料理レシピもご案内。ISBN978-4-89982-238-7
●無敵の双葉山に、ただ一人勝ち越した第38代横綱・照国。内気温厚で、争いを好まなかった少年が、なぜ相撲取りになったのか?簗瀬均著「横綱 照国物語」1,700円 無明舎出版は、秋田が生んだ「相撲の天才」波瀾の生涯を活写します。ISBN978-4-89544-574-0
●「自適農」という言葉は著者の「造語」といいます。自らが立っている土地とその周辺を実りある土地にしてゆく農行為を意味するそうです。西山敬三著「自適農の無農薬栽培−無農薬で野菜の病害虫にどう向かうか」1,600円 創風社出版は、自然農法に興味をもって、愛媛大学農学部が行っている「地域マネジメントスキル修得講座」に学び、25年間野菜栽培をやってきた著者独特の世界を開陳します。「プロの農」ではなく「アマチュアの農」の限りない喜びと可能性を語ります。ISBN978-4-86037-191-3
●20年に一度の「式年遷宮」を迎える伊勢神宮。写真/kanKan「伊勢神宮−こころを照らす神々の都」2,500円 は、神仏と鳥の写真を専門とする写真家によるふだん見ることが出来ない遷宮の模様を撮り続けた集大成。夜の御祭りや、宮域の深い森など。心の琴線に触れる文章(英仏対訳)とともに。ISBN978-4-86385-123-8 書肆侃侃房
●古紙を再生して描く美術作品。山仲良隆著 ジェイソン・ペルリン英訳「リサイクルペーパーアート入門−以塵為麗の世界への誘い」840円 サンライズ出版は、古紙と水をミキサーで粉砕し、型に流しこんで誰でもができるリサイクルペーパーアートの世界へ誘う入門書。ISBN978-4-88325-512-2
●私的な場面での礼儀を「マナー」や「エチケット」と呼ぶのに対して、主に国の間の公式儀礼を「プロトコール」と呼びます。ビジネスや個人間の交流を円滑に進める上でも大いに参考になります。この欧米由来のマナーと日本の伝統を臨機応変に使い分ける基本を、そして海外に通用する社交トータルスキルを実践形式で紹介する、佐藤薫子著「はじめての国際社交学−プロトコール流」2,000円 やさしい食卓は、国際コミュニケーションのツールでもあります。ISBN978-4-901359-60-3
●まわりに山がないと落ち着かない、コタツには長座布団が必備。加瀬清志編著「ふるさと発見!信州あるある」900円 しなのき書房は、信州人の常識は日本の非常識という事例を数々紹介。<白文帳>や<無言清掃>って分りますか?驚きの県民性がわかる一冊。みんなの知らない長野県人の秘密。ISBN978-4-903002-43-9