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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1351(2015/09/08)

酷暑の夏も過ぎ涼しくなってきました。この夏の暑さのせいなのでしょうか? 野菜の高値が続いています。先日スーパーできゅうり一本130円には驚きました。

当センターは約1200社の地方や小規模出版社の本を扱い、毎日この千社を越す出版社刊行物の注文、問合せが入ります。昔と違い、流通の不自由さを解消するために、扱い社の総発売元、東京在庫営業所の集合体のようなものとして設立された、ということをご存知の書店さんも少なくなりました。書店さんからの電話に、問合せの本を出している「版元はどこですか?」というと、「版元」という言葉が理解されない書店さんも増えています。別の呼び名、「発行所はどこ?」、「出版社はどこ?」と聞いても、なかなか理解されません。書店さんは「地方・小出版流通センター」という取次店に電話をかけているのではなく、その本を出している出版社に直接電話をかけていると思っていますから版元名は自明のことなのでしょう。なかなか、意味が通じません。

出版社名を尋ねているのに、大体、自店の「帳合い取次」の名前を言われることが多いのですが、この取次店についても「お宅の帳合いはどこですか?」と伺うと、この「帳合い」という意味が分らない方も増えています。当センターは「取次店のようなもの」と理解され、問合せ、ご注文いただくと有難く思います。取次店への注文では、「なになに出版社のなんという本」というように注文するでしょうから。なかなか認識されず、このような掛合いはこれからも続くのは宿命なのでしょう。

能勢仁著「出版業界 悪魔の辞典」1,500円(ISBN978-4-902251-99-9) 出版メディアパルという本が出ました。この本の「消えた用語集」のなかに「帳合」が入っています。=仕入先のことを言うが、余り使われなくなった言葉というのが解説です。別章の「出版業界を愛する人に贈るシニカル用語」のなかでは、=江戸時代から存在する本屋業界の問屋のこと。取引先の問屋を指す言葉であるが、帳合い渡り鳥が多いことは嘆かわしいことである、と解説されています。今は「取次店」というのが一般的なのでしょうが。ちなみに、本書のなかには、「版元」「出版社」「発行所」という項目はありませんので、それなりに通用しているようです。

新刊・これから出る本

●創刊から41年の老舗演芸専門誌ならではの画期的仕事。「東西寄席演芸家名鑑」2,000円東京かわら版編・刊は、出版史上初の東西の全演芸家のオールカラー名鑑。落語協会、講談協会、日本浪曲協会などフリーを含む1100人以上を収録。全324頁。

●沖縄の言葉には歴史あり。沖縄で使われている言葉の現在と過去、そして未来を考えます。石崎博志著「しまくとぅばの課外授業」1,600円 ボーダーインクは、沖縄の言葉(しまくとぅば)の歴史をわかり易く、中国語史、琉球語史に精通した言語学者のコラム風、茶飲み話風に斬新に眺めます。ISBN978-4-89982-281-3

●山奥の町に全国から女性を集める公務員。日本で最も先進的な離島医療を実践する医師。過疎のまちに15万冊の在庫を揃える古本屋社長で、地域に必要な人を連れてくる「ひとさらい」。ローカルジヤーナリスト・田中輝美、法政大学社会学部メディア社会学科・藤代裕之研究室共著「地域ではたらく『風の人』という新しい選択」1,400円 ハーベスト出版は、他地域から島根に来て活躍する「よそ者」=「風の人」、8人のカッコイイはたらき方、生き方をレポート。ISBN978-4-86456-156-3

●いい店はみんないい顔をしていると言います。多田欣也著「二十世紀酒場 一 東京・さすらい一人酒」1,600円 旅と思索社は、20年、都内の酒場をのみ歩いてきた著者が、ささやかな幸福の思い出を、味わいあるイラストと文章で描き続けた第一弾。ISBN978-4-908309-01-4。 一巻目はテーマ別に80店を紹介。二巻「東京・想い出はしご酒」1,600円は来年1月刊予定。

●安保関連法案は本当に必要なのでしょうか?元裁判官による若いお母さん向けの<憲法講座>。親子で憲法を学ぶ札幌の会編「ダメなものはダメと言える<憲法力>を身につける」1,000円 寿郎社は、集団的自衛権、安全保障関連法、特定秘密保護法、TPPに抗するために。7月に朝日・天声人語でとりあげられています。ISBN978-4-902269-81-9

●新薬への耐性を持つ「スーパーバグ」の細菌に有効な植物薬の効能を説き、それに役立つハーブを紹介します。スティーブン・H・ビューナー著/飯嶋慶子訳「ハーバル・アンチバイオティクス」2,700円 フレグランスジャーナル社は、ハーブから作る抗生物質の知識を深めてくれる一冊です。ISBN978-4-89479-259-3

●異国情緒漂う横浜で出会った、50の物語でカフェ紹介。MARU著「横浜カフェ散歩」1,300円 書肆侃侃房は、40年続く純喫茶、ジブリ映画の世界に浸たれる代官坂のカフェ、中華街の茶房等、きっとこの街が好きになる一冊。ISBN978-4-86385-198-6

●四半世紀、学生と向合ってきた大学専属の精神科医が、苦しむ若者たちの深層心理を宗教や哲学にまで分け入り解読しています。苗村育郎著「自殺の内景」2,500円 無明舎出版は、若者の心と人生が伝わります。ISBN978-4-89544-595-5

●新しい試みとして、<日本語訳付き、4州運転免許筆記試験予想問題集が入ってます。「ボストン・ワシントンDC便利帳Vol.11」3,000円 Y'S Publishing編・刊は、アメリカの政治と文化の中心地、ボストン・ワシントン周辺に長期滞在する邦人向け生活便利帳の最新版です。ISBN978-4-8123-0077-0


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