朝日新聞の「声」のコーナーに愛知在住の主婦・Oさんが以下のような文を寄せています。
〜今月末で「ちくさ正文館書店本店」が閉店することを知り、今も信じられない思いでいる。名古屋の文化発信の場だと思っていた。いつ行っても学生や社会人で賑わっていて、ふらっと立ち寄れる気軽さがあった。一般書から専門書まで幅広く取り扱っており、そこに行けば何か新しい本に出会える予感があった。−中略−。コロナ禍や最近の物価高騰などが経営を直撃したことと、建物の老朽化が閉店の理由だという。続けていく道はなかったのかと悔しい気持ちでいっぱいだ。文化の発信地でもある本屋を支える仕組みはないのか、よい知恵を教えてほしい。〜と寄せています。
当センター発足以来、中小や地方の出版物に注目し、沢山仕入れ、売ってくれていた書店です。人文書を中心とした品揃えには定評があり、全国に知れ渡っていました。1961年創業で、約400平方メートルの店内に6万冊の本が並んでいました。古田一晴店長の仕入れの眼が光り、研究者や文筆家にも一目置かれた、名古屋でピカ一の本屋でした。鳥取の定有堂さんに続き、残念であり、寂しい限りです。
●悠久の叡知が語る「人生の歩き方」マニュアルを平易な日本語に翻訳した本。原著:Walter Evans-Wentz 翻訳:豊島実 和 監訳:田野尻哲郎「抄訳 チベットの死者の書」300円 暗黒通信団は、様々な形で翻訳紹介されているものですが、これが最安値かもしれません。近代世界のパラダイムから離脱できると言います。ISBN978-4-87310-267-2
●幕末から明治維新にかけて、多くのサムライたちが、様々な想いを抱きながら、時勢に追われるように蝦夷地=北海道に渡った。永倉新八、土方歳三、坂本龍馬や会津ゆかりの飯沼貞吉などです。村岡章吾著「ほっかいどうサムライ伝−流れる星の如く北辺の地へ」1,800円 歴史春秋社は、20人余の当時のサムライや末裔たちの足跡を列伝風に描きます。ISBN978-4-86762-024-3
●埼玉県北部の地域文化の発掘・広報を目的として設立された埼北文化研究会編「今につながる妻沼の歴史」1,600円 まつやま書房は、国宝・妻沼聖天山、武将・斎藤実盛などで知られる妻沼の地の時代の変遷と人々の生活、多数の絵葉書から見る近代から現代への変遷等地域の魅力を様々な切り口、多数の写真、図等で立体的に浮び上がらせます。ISBN978-4-89623-200-4
●プラハ教会・聖堂参事会長によるチェコ人たちの年代記。浦井康男訳「コスマス年代記 プラハ教会・聖堂参事会長によるチェコ人たちの年代記」3,000円 成文社は、チェコ最古の歴史書でありチエコ中世文学作品の一つ。古典中の古典で、歴史的事件の記述だけでなく、教訓や奇跡や軍記物や歴史的逸話など、雑多なものが含まれ、そのため、単に歴史学の文献という枠を超えて読み物としても面白いものとなっています。ISBN978-4-86520-063-8
●豊臣秀吉の時代以前の朝鮮人陶工から始まる、渡り職人の手による技術の伝播を出土物や文献から追い、検証します。副島邦弘著「やきものと渡り陶工−発掘陶片に見る九州古陶磁の技術交流」2,500円 花乱社は、陶工が”渡り”を繰り返して修業を重ね、新たな技術を得て業を磨いていき、同時にその移動は各地に技術を伝え「国焼」を産みました。その過程を追っています。ISBNISBN978-4-910038-72-8
●アイヌにとって川で捕るサケは 神の魚(カムイチェフ)であり 主食(シエヘ=本当の食べ物)であった。先住権として、禁止されていた川サケ漁の権限を求めて丸木舟を作り、その不正義に立ち向かった、先住権問題の核心に迫るルポルタージュ。青柳絵梨子著「海のアイヌの丸木舟-ラポロアイヌネイションの闘い」2,400円 寿郎社は、遺骨返還運動からのアイヌ民族団体の激動の日々を描きます。ISBN978-4-909281-53-1
●移住がブームのようです。兵庫県から出たことのない女性が家族と共に青森に移住。苦労の連続、生きていくだけで精一杯の日々を綴ります。井上じゅん子著「青森移住ぼちぼち珍道中」1,600円 北方新社は実家もない親戚もいない、喧嘩しても出ていけない場所で二人の子どもを育てながら生きていく。ISBN978-4-89297-300-0
●年金を活用した老後の資金づくくりをアドバイスする数少ない専門家=企業年金総合プランナーの資格があります。年金問題研究会編著「DCプランナー3級合格対策テキスト2023年度版」2,500円 経営企画出版は、CBT方式(コンピューターによる通年試験)のその資格試験テキスト。ISBN978-4-904757-36-9/同時発売で「DCプランナー3級合格対策問題集2023年度版」2,500円も発行されています。ISBN978-4-904757-37-6
●沖縄で使われる代表的方言(=しまくとぅば)のうち、石垣島(=やぃまむに)方言、沖縄本島(=うちなーぐち)方言、宮古島(=みゃーくふつ)方言の3つを掲載しています。我那覇祥子企画編集「しまくとぅばで 言えるかな?」2,200円 ジグゼコミュニケーション発行/琉球新報社発売は、ユネスコが消滅の危機に瀕する言語に指定したしまくとぅばを、未来につないでいこうという施策から生れた絵本です。ISBN978-4-9906517-4-9
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