今年は曜日の巡りが良く、お盆休みが長くなり、平日の13日から16日までをお盆休みとすれば9連休でしたが、当社も大半の取次店も16日は営業でした。しかし、台風のため出社率は7割ほどでした。
いま、毎日新聞の富山県の発行部数は840部ということで、県内配付を休止することになったそうです。一方の朝日新聞は、静岡、山口、福岡版での夕刊発行を10月1日から中止し、これで朝日は九州全域で夕刊発行はなくなります。最盛期22万部あったものが今はその1/10になっているとのことです。他の地方紙でも夕刊廃止は多くなり、活字媒体の衰退が続きます。出版物の宣伝機会が減少するわけで、本の販売にも影響してくると思います。
先の通信で紹介した「佐渡鉱山・朝鮮人強制労働資料集」に関連しますが、「佐渡島の金山」がユネスコ遺産登録されました。朝日新聞の田玉恵美記者によれば、朝鮮人の強制労働だけでなく、江戸幕府公認の遊郭が作られ、そこでは多くの遊女がおり、それは戦後まで続いていたそうです。と同時に江戸時代は、江戸や大阪、長崎から佐渡へ強制的に送られてきた2千人もの若者(戸籍から除外された「無宿人」と呼ばれた人々)がおり、地下水を汲み出す「水替(ミズカエ)」の仕事を強いられていたそうです。いまを生きる佐渡の人たちは、鉱山を支えてきた声なき人々に光をあて、それを官民あげて丹念に掘り起こし、無宿人供養祭を50年以上前から続けています。登録遺産の展示ではそれが抜けており、このことも忘れるべきではないと指摘します。
●「100まんびきのねこ」で有名な米国の絵本作家のデビュー作。ワンダ・ガアグ再話・絵 小宮由訳「くよくよしてもしかたがない!」1,500円 瑞雲舎は、おくさんと仕事を交代し、家事をしてみたお百姓さんの話。原語の味わいを活かしながら、目のまえの相手に語りかけるようなテキストにすることや、聞き手の集中力を途切らせぬように会話文を使うこと、子どものためだからと質を落としたり、難しい言葉を削り過ぎたりして、物語の世界観を崩さないようにすることに気を配って、再話に努めた.ISBN978-4-907613-50-1
●田中勝弘著「古代集落と地域開発−琵琶湖をめぐる川と平野と村」5,000円 サンライズ出版は、琵琶湖の湖東・湖西・湖北の遺跡発屈の報告から、主に川と平野を中心に地域開発の跡を追っています。ISBN978-4-88325-818-5
●織田信長の中国攻めは、足かけ6年にも及ぶ戦いだった。高橋成計著「毛利・織田戦争と城郭」3,000円 ハーベスト出版は、本能寺の変で信長が倒れ、講和が結ばれるまで、両軍によって築かれた城も多く、その痕跡を今も残します.織田軍=羽柴秀吉・秀長兄弟の中国攻めの足跡を、現地踏査で読み解くという壮大な試みです。236城跡、縄張図319点掲載。ISBN978-4-86456-527-1
●370年前、日向(宮崎県)で操業していた、紀州の漁師・甚太郎は足摺岬の西岸の臼ばえに集るカツオを見て、漁場をここに移した。これが紀州人の足摺入場といわれ、土佐のカツオ漁のはじまりである。植杉康英著 二平章編著「土佐カツオ漁に生きた男たち」2,728円 飛鳥は、土佐カツオ漁の歩みを綴る475頁の大著。紀州海民の土佐での漁にはじまり、土佐の100隻に及ぶ船団が三陸沖でカツオを釣り、勝浦から気仙沼までの各港に百億の水揚げを落とす近代土佐カツオ漁の発展の歩み、カツオ漁余話や漁師列伝等で構成。A5、474頁。ISBN978-4-88255-198-0
●「日光和楽踊り」や足尾の盆踊りなどで踊られる、「石投げ踊り」。「八木節」の手踊りにもある。石を拾って投げる仕草のついた踊りの源流と変遷に目を向けると、各地の文化の息づかいが読み取れると言います。茂木真弘著「石投げ踊り考」1,500円 随想舎は、新潟〜関東〜宮城、そして八丈島まで同じような踊りがなぜ生まれたのか?を探る。ISBN978-4-88748-434-4
●ポルトガル人の神父にして歴史家・作家がとらえたマカオと日本の交流史。マヌエル・テイシェイラ著 千島英一訳「マカオの日本人」1,500円 弦書房は、鎖国の時代に漂流者あるいはキリシタンとして追放され棄民となってマカオに生きた日本人の足跡を追ったもの。ISBN978-4-86329-290-1
●宮崎県内の356山をあ〜わに区分け、基礎データ、由来を紹介。松本久治著「宮崎山名事典」2,800円 鉱脈社は、資料データとして標高順位、高山・低山ベスト。故郷の山々を讃える348校の校歌を収録。A5判、315頁。ISBN978-4-86061-896-4
●長く農業指導に従事して日本農業の現状を熟知する著者。前田泰紀著「農業大転換期 考える農家−稲作からの脱皮を模索する」1,400円 まつやま書房は、米づくりから離れて他の作物への転作を奨め、あるいは稲作と野菜の複合的な経営を提案します。 ISBN978-4-89623-210-3
●琉球言葉で「マジムン」は「魔物」(化けものや妖怪)のことを言います。文・朝里樹 絵・ショルダー肩美「おきなわのマジムンず!」1,500円 ボーダーインクは、記録されてきた化けものや妖怪をおどろしい絵を交えて紹介します。<逆立ち幽霊><歌う骸骨><ザン>(上半身が女性、下半身が魚)<ブチガヤ>(川や山にいる全身が真っ赤なこどものような妖怪)など。ISBN978-4-89982-466-4
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