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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2017年11月号発行分)

『畠山入庵義春』●志村平治著

書影

畠山氏といえば、秩父平氏流である鎌倉幕府草創期の御家人・畠山重忠を思い浮かべる人が多いだろう。が、その遺領を継いだ清和源氏・足利氏の支族で室町幕府の管領家となった畠山氏の方が、日本の歴史に影響を及ぼした度合いは大きいだろう。何しろ応仁の乱勃発のきっかけを作ったのだから。
それはさておき、義春についてである。戦国の世も終わりに近づく16世紀半ば、畠山氏の第一庶流・能登畠山氏の出身の義春は、長尾景虎(上杉謙信)の養子となる。さらに上杉氏一門の上条上杉氏を相続、名も上条政繁と改める。一般に知れ渡っているのはこの名の方だろう。御館の乱では景勝方についたが、次第に対立関係となり自ら出奔してしまう。背景には直江兼続との確執があったという。その後、秀吉・家康と時の権力者に仕え、江戸幕府の成立後は旗本として能登畠山氏を再興する。同じ謙信の養子でありながら景勝の影に隠れがちな政繁の生涯を豊富な史料で辿っていく。
◆2160・円・A5判・127頁・歴研・東京・2017/8刊・ISBN9784865480566

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『Touch the forest touched by the forest』●紀 成道著

書影

この写真集のタイトルは「森にふれる、心にふれる」という意味だという。北海道・苫小牧(とまこまい)市のはずれにある開放的で居心地の良い広い森の中に、精神科病院がたっている。その患者たちは、この森の中で木漏れ日を浴びながら作業をし、遊び、暮らし、そして社会復帰へと一歩一歩足を進めている。『つらいことはみな森の風が連れ去ってくれるから』というように、患者それぞれに森の役割がある。人間と自然がふれあう接続域、当事者と健常者の共存域である森。両者互いの理解を助ける可能性の大きいこの森でのできごとを写真に残せたらと著者は言う。
こうして、上下左右、斜め、遠く近く、さまざまな視線をとおして、光と影が織りなす森の中の日常がえがかれる。風が森の木々や病棟をとおりぬけていくときの、人々のさりげないさまが、モノクローム写真をとおして表現される。
◆3780・円・208mm×264mm・92頁・赤々舎・京都・2017/5刊・ISBN9784865410686

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『台湾原住民オーラルヒストリー −北部タイヤル族「和夫」さんと日本人妻緑さん』●菊池一隆著

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1960年代の台湾、国民党政権による戒厳令下の緊迫する政治状況の中、検問に怯えながらも15歳から10年間の文通を実らせて、北部タイヤル族の青年に嫁いだ日本人女性がいた。北部タイヤル族は台北の南、急峻な中央山脈に沿って居住する人口3万人余の原住民族である。著者はこの地に40年に及んで通い、インタビューという手法で、その近現代史を記録し続けている。
本書は、日本人女性と夫への、結婚までの経緯と暮し、両家族のこと、及び、国民党政権による凶暴な「白色テロ」で弾圧を受けた人々への、伝統生活における戦闘組織、高砂義勇隊、日本植民地時代の対日抵抗、国民党政権による支配、キリスト教布教活動などのことの二部で構成される。異文化に順応し、監視体制にめげずに強く、朗かに生き抜いた女性の姿に感動する。インタビューは日本語で行われた。原住民同士は中国語や台湾語ではなく、現在も日本語を日常的に使っているとのことにも驚かされる。
◆2700円・四六判・280頁・中国書店(集広舎)・福岡・2017/9刊・ISBN9784904213506

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『八王子の電車とバス −八王子市制百周年記念』●清水正之著

書影

東京西郊の八王子は交通の要衝です。鉄道だけでも東西に中央本線・北に八高線・南に横浜線・東京都心との間には京王電鉄も走っています。そんな八王子市の鉄道とバスのあゆみを一冊にまとめたのが本書です。その核となるのは中央本線。私鉄の甲武鉄道としての開業当初から、戦争による被害、そして戦後の発展までが当時の写真などを交えて紹介されています。特産の生糸などを横浜港へ運ぶための横浜線や八高線も、かつてはローカル線でしたが、沿線開発が進み長閑な風景は完全に過去のものとなりました。それだけでなく京王電鉄御陵線や路面電車の武蔵中央電鉄等の廃止された鉄道の話にも筆は及びます。
そして鉄道と共に八王子の発展を支えたのがバスです。黎明期のバスは零細な会社が多く、地元の人々が資金をかき集めて事業を起こしているのが特徴的です。自社の車両をバックに撮られた記念写真からは、地域交通の担い手としての誇りも感じることが出来ます。
◆1296円・B5判・84頁・揺籃社・東京・2017/8刊・ISBN9784897083889

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『遅れ時計の詩人 −編集工房ノア著者追悼記』●涸沢純平著

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大阪は淀川のほとりにあり、1975年に設立された文芸専門出版社、編集工房ノア。社主である著者と奥さんとの二人三脚で数多くの著作を世に送り出すと同時に悲しいながら、多くの表現者たちを見送ってきたことにもなる。
本書はそんな彼らとの出会いや交流、別れを綴った追悼記である。ノアの最初の出版は港野喜代子詩集「凍り絵」だが、母のように慕っていた彼女は発刊後、半月ほどで急死する。港野との思い出を皮切りに、父のような清水正一、兄のような桑島玄二、東秀三、伯父のような足立巻一など、熱い記録は尽きない。蒲鉾を作りながら詩も書く話好きの清水宅に著者はよく呼ばれたが、いつも掛け時計が大幅に遅れていて、それを知りながらもつい長居をしてしまう。それがタイトルの由来。事務所の移転顛末記や創業25周年記念会など、ノアの歩みもわかり興味深い。旅立った人たちへ向けた眼差しと真摯に本づくりに携わってきた思いが静かに深く伝わって来る。
◆2160円・四六判・287頁・編集工房ノア・大阪・2017/9刊・ISBN9784892712814

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『いのちはモビール 心から 身体から −精神科医と整体師の技術対話』

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精神分析医、神田橋條治氏と整体師、白柳直子氏による異色の対談集だが、精神心理療法における身体的アプローチに興味のある読者にとっては、またとない充実した内容となっている。二人のことを知らないとしても冒頭にある白柳氏による「神田橋先生の診療技法のまとめ」がまず参考になる。ここでは従来の精神分析の焦点となっている環境と個体間の齟齬、つまり抑圧された無意識の葛藤のことが「愛着障害」という言葉で表現されている。とともに「発達障害」および「双極性障害」という脳生理学的、資質的問題が診療における座標軸となっていることが理解できる。
一方の白柳氏ついては第2章「整体技法の確立までのこと」において、試行錯誤の末に独自の整体技法にたどり着いた経緯を読み取ることができる。ここでの核心は、過去の大きな身体的ケガの「記憶」としての「癒着」という概念である。精神的不調の原因としての愛着障害と身体の慢性的不調の見えざる根である「癒着」を類比させながら本書を読む時、読者の興味はいや増すだろう。
◆2700円・A5判・212頁・木星舎・福岡・2017/8刊・ISBN9784901483964

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