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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1259(2011/11/24)

 千葉県の北西部、江戸川を挟んで埼玉県と隣接する流山市で崙書房が創業したのは1970年(昭和45年)。郷土をみつめた歴史・地理・文学書などを出版してきましたが、1977年に壮大な「ふるさと文庫」刊行計画を始めました。茨城・千葉両県に関わるテーマを原則書下ろしの文庫シリーズを月10点づつ刊行するという、いまから思えば仰天する試みでした。最初の本は、かっては地元の人も知らなかった、日本で「最大の運河」、利根川と江戸川を結ぶ約8キロの「利根運河」(「新版・利根運河」1,456円として在庫あり)でした。それ以降、わずか5年で100点が刊行されたものの、会員制頒布は、資金的にも政策的にも限界となり、その後、書店販売に切り替えられました。そして今年10月に刊行された山本鉱太郎著「白樺派の文人たちと手賀沼」1,300円(ISBN978-4-8455-0200-4)で200点に達しました。

朝日の千葉版で取材記者は「時代もテーマもとりどりだが、出版された200点の文庫はあたかも、房総の昔と今を文で表現するパッチワークのような存在となっている」と表現しています。会員制頒布が困難になり書店販売に移った後も著作が絶えることなく集ったことは、最初の会員募集時に呼びかけた「原稿をお寄せ下さい」「資料をご提供ください」という呼びかけをうけた読者のなかから著者が輩出し、読んだ人が、自分にもこうしたテーマがあるとチャレンジしてくれた成果だといいます。「読者・著者が身近な出版社と出会い、これまた身近な地域というテーマに関心を寄せる」この出版運動の循環によって200点が達成され、これからも「地域の記憶と記録を編む」営みが続きます。

新刊・これから出る本

●新規加入のブレインカフェは、<職人という生き方>というシリーズを出し始めました。第一弾はニッポンのワザドットコム編集部編「江戸切子」1,200円です。江戸切り子職人を選んだ3人の職人へのインタビューを中心に、その歴史、つくり方、そして切子職人のなり方まで。英・中国語訳併記。ISDBN978-4-905416-00-5。今後「江戸小紋」「輪島塗」などが予定されています。

●東日本震災でも脚光を浴びた海岸林。中島勇喜・岡田穣編著「海岸林との共生」1,429円 山形大学出版会は、海岸林の歴史・機能などの知識編。保全に向けた考え方や具体的方法を網羅した実践編などを集約しています。ISBN978-4-903966-10-6

●ニンゲンにとって火ってなんだろう?黒田征太郎作「火の話」1,300円 石風社は、火の誕生から「原発」まで、人類史的ストリーとともに、ニンゲンと火の関係を考えさせられる画家・イラストレーターとして国内外で幅広く活躍し、2009年から北九州市を活動拠点とする黒田さんの絵本。ISBN978-4-88344-206-5

●高台へ走れ!海沿いの漁村を襲う巨大津波。稲むらに火を放ち村人を守った長老の献身。小泉八雲の原作をダイナミックにコラージュして絵本化した、キミコ・カジカワ再話エド・ヤング絵/「TUNAMI!津波」1,600円はグランまま社から、11月中旬刊。

●鍼灸師はもとより、これから美容に導入しようとしているエステ、マロマ関係者へ。折橋梢恵・光永裕之著「美身鍼−新しい美容鍼灸」2,800円 フレグランスジャーナル社は美容鍼灸師Kozueが教える鍼灸施術による健康に基づいた画期的美容法。エステ、アロマテ、栄養学、鍼灸の4つの要素を取り入れた美容法の真髄。ISBN978-4-89479-211-1

●ぶらり阪神、きまま遊山。酒井緋路著「散歩道は歴史の花籠」1,600円 アットワークスは、須磨寺を求めて、福原の道、万葉の道、平家物語の道、広田神社と西宮神社など関西圏の歴史史跡散歩17コースと、番外3コース案内。ISBN978-4-939042-80-5

●明治時代に民権思想を分かりやすく一般に伝える、よさこい節に載せて謳われた<世しや武士>などの民権歌。高知市立自由民権記念館友の会編「世しや武士−土佐自由民権歌集」762円 リーブル出版は、他に民権数え歌、手鞠り歌など7曲を収録し、当時が蘇ります。民権都々逸など4曲を収めたCD付き。ISBN978-4-86338-048-6

●毎月無料で配布され、地元・奈良でしか手に入らなかった短編愛情物の小冊子<大和路ろまん文庫>。奥山鳴著「奈良町恋物語」800円 京阪奈情報教育出版は、短編小説、「灯火滑走路」「雨の匂いがする時は」など5編を納めた市販本。ISBN978-4-87806-901-7

●たばこ総合研究センター編・刊の「談 no.92 養「老病」生論」800円は、健康主義を超えて−「養生」のすすめ」は「半健康人」という生き方、生老病死が教えるリアルな一生。患者の知、医療の認識論的転回など。

●品切れが多かった島根県・松江のハーベスト出版が刊行の妹尾豊三郎著「戦国ロマン広瀬町シリーズ全10巻」が再刊されました。切れていたのは「月山富田城跡考」815円、「尼子物語」953円、「尼子とその城下町」600円、「新雲陽実記」1,214円、「月山史談」1,068円です。山陰の戦国時代を語る名著です。


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