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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1265(2012/02/15)

 先日、代官山に開店した蔦屋書店を遅ればせながら見てきました。映像・音楽メディア(CD・DVD・ビデオなど)と出版物の複合店で、文具も扱っています。広報では団塊やそれ以上のプレミアム世代(成熟年代)を対象とした、実験店というような位置付けだそうですが、出版物はヴィジュアルが中心なので、読者層は限定されるでしょうが、贅沢な作りです。渋谷から一駅の「代官山」は東京でも、ファッション街として独特ら雰囲気を持つ街ですので、それにマツチした作りと言えるでしょう。建物、什器も豪華で、都心に住む、それなりの消費力を持つ世代をお客にと予測しているようですが、お客は40代、50代が中心のようです。恐らく、この世代及び、もう少し下の世代までが客層で、シニア世代は外れるような商品構成だと感じました。

ジャンル構成は、「人文・文学」「建築・インテリア・デザイン」「車・バイク」「写真・ファッション・美術・カメラ・時計」「料理・旅行」という具合ですが、これが現在の世界都市・東京のライフスタイルを体現するトレンドなのか!とも思います。ここに併設されている「ファミリーマート」は、50代〜60代のお客を「おとな世代」と位置づけ研究して、その世代を相手にしたコンビニの実験店だそうで、スタンダードな店にはない商品構成(ちょっとお値段のはるワインなど)だそうです。レッタル店・書店・コンビニなどが、業態転換を迎えつつありその実験がされている空間が「代官山TーSITE」という空間と言ええるの?もうちょっと利用者の反応を注視したいところです。

 昨年秋から東京・武蔵野にある「ぶんしん出版」の取り扱いをはじめました。中央線の吉祥寺を中心とする武蔵野には、かって数社の地元本を出す出版社がありましたが、ほぼ無くなっていました。ぶんしん出版は、今年50年の社歴を持つ「文伸」という印刷会社の自社出版を行う部門として「ぶんしん出版」を2005年頃から始めました。自費出版の手伝いをしているなかで、社主の川井氏は末期癌を宣告され、「少しでも何かを残したい」という気持ちに背中を押されて、「井の頭まるごとガイドブック」はじめ7冊を出してきました。そして癌の治療も5年経過して再発がないと言われ、「地産地消出版」としてしっかりした出版事業をやろうと、センターと契約して地元外にも市販しようと契約したとのことです。これから「このまちにあったらいいなという思われる本、地元だからこそ出来る本、地元の人が喜んでよんでくれる出版」を志すということ。

最新刊は、地元に住む絵本作家・神沢利子さんの「TOSHIKOらくがき帳」1,200円(ISBN978-4-89390-104-0)です。出版ととともに、2017年に100周年を迎える<井の頭公園カウントダウン新聞>「いのきちさん」(フリーペーパー)をこれから6年発行し、地域の皆さんが井の頭公園の歴史や生き物たちを伝えて生きたい、そして100周年の年にきは連載記事をまとめた本(冊子)を発行の予定という。明治以降、何世代かの移住者たちが住みつき、「ふるさと」となっっている武蔵野に「地に足をつけた」出版社がまた生れたことは、地域の財産となるのではないでしょうか。

新刊・これから出る本

●この数年注目され、新刊も多い80歳を超えた著者。渡辺京二著「細部にやどる夢−私と西洋文学」1,500円 石風社は、小説を読む 至福と作法について明晰自在に語ります。批評家とは、ちょっと毛色の違う世界文学にを読む渡辺京二さんの豊潤な世界。ISBN978-4-88344-207-2

●新規に韓国関係のガイドなどを中心に出す<Book&Hope>を扱います。野口文・尹敬勲著「ソウルのおしゃれ」1,300円は、ソウルで、今一番HOTな町「城北洞」、KーPOPが生れ、夢を叶える町「江南」など洗練されたソウルの街の文化散策ブック。進化する街で素敵なもの、おしゃれだと思ったものをまとめたもの。写真がふんだんに入っています。ISBN978-4-905475-00-2

●創刊から36年。20号を迎える日本人のためのニューヨーク生活情報ガイドには、ブルームバーグ・ニューヨーク市長のお祝いも寄せられています。「ニューヨーク便利帳Vol.20」4,200円 Y'S PUblishing編・刊は、最新版のニューヨーク・ニュージャージー、コネチカット,ペンシルバニア、デラウェアでの長期滞在する日本人のための日本語による生活ガイド。今号の特集は「ニューヨークの雑学特選100−これであなたもNY通!」NYをテーマとした音楽、民族コミュニティマップなど雑多が。ISBN978-4-8123-0050-3

●染織家・川口三千子のコレクションを基にした7千点の丹波地方で生れ、親しまれてきた暮しの着物たち。丹波生活衣振興会著「丹波の生活衣−明治・大正・昭和の着物と暮らし」2,500円 北星社は一地方の服飾史を超えた貴重なドキュメント。ISBN978-4-939145-29-2

●好評、二刷となりました。医療問題研究会編・著「低線量・内部被曝の危険性−その医学的根拠」1,000円 耕文社の著者たちは、低線量・内部被曝は人体への強い障害性を持つと考えます。世界で公表されている放射線被曝についてのデータを可能な限り集め、科学的立場で検討しました。ISBN978-4-86377-018-8

●プロとして、飲食業界に働く人々のための、おもてなしの心をはぐくむテキスト。優しい食卓編・刊は「ビジネスと食事のマナー」2,381円は、美しい箸の使い方、フォーマルディナーの流れと食べ方、お酒のミニ知識などサービスの技能と修練のために。ISBN978-4-901359-55-9

●月兎舎編・刊「手漕ぎ隊が行く−伊勢湾&熊野灘シーカヤック・ツーリング」952円は、プロスポーツカメラマンによる美しい写真が臨場感を添えるシーカヤックツーリング。旅した三人の中年パドラーによるのアウトドア読み物。番外編に知床・慶良間諸島・熊野川下りなども収録。ISBN978-4-9905401-3-5

●3.11地震の震源地に一番近い町・女川(おながわ)。鈴木麻弓著・写真/佐々木厚写真「女川 佐々木写真館」2,000円 一葉社は、同地で営んできた写真館の三代目が、行方不明となっている両親の遺志を継いで、人びと、そしてLife(すべての時間)を切り撮った写文集。ISBN978-4-87196-049-6

●出雲在住の写真家・古川誠撮影による「出雲の神々−写真集」2,381円 今井出版は、いまなお神話の世界が息づく「古事記」「出雲風土記」の原風景を写した神秘的な写真集。ISBN978-4-901951-93-7

●暗黒通信団刊、真実のみを記述する会編「自然対数の底 1000000桁表」271円が再版されました。自然対数の計算プログラム(と検算のためのプログラム)から生れたもの。ISBN978-4-87310-088-3


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