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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1282(2012/10/25)

 今年は夏から秋にかけて猛暑が続いたことが原因のようで、紅葉が遅れているようです。東北の山々などでも、紅葉狩りは期待外れが続いています。沖縄は戦後米軍統治下の時期があったこともあり、地元出版の活発な地域でした。90年代には、県別出版点数では、10位以内にいつも入っていましたが、最近は、ちょっと減少ぎみのようです。9月末刊行で「2012年版 沖縄県産本目録」ができました。20社1125点が収録されています。

 今回の目録には、筆者や出版社からのメッセージコラムが収録されていますが、出版社の方々のコラムには、その歴史や日常が描かれていて、いままで知らなかったことが伝わってきます。このコラムの中で、ボーダーインクの宮城正勝氏「すさまじく変貌した本をめぐる風景」によれば、今年8月に球陽堂書房(1948年創業)が全国展開のくまざわ書店に吸収され解散したことでむかしからある書店は皆無になったこと。1990年代初期に120店舗ほどあった沖縄県書店商業組合加入店は、いまは半分もあるかどうか? そした那覇のメイン通り「国際道り」にあった書店4店舗は、今はゼロ。また出版社も、解散したりひっそりと消えていくのがいくつもありました。1990年創業の宮城さんの出版社は出版状況や先行きは明るくなかったが、この事態は予想をはるかにこえ、それもすさまじい勢いだといいます。安易に夢を語るべきではないけど、この条件を踏まえてスタートするしかない! と結んでいます。厳しい中ですが、目録に1000点を超える出版物が掲載される沖縄、今でも地方出版「大県」であることは変わりません。問合せはボーダーインク(TEL098-835-2777へ)まで。

これから出る本・新刊案内

●ドイツの最古の大学・ハイデルベルグ大学の歴史学教授・エトガー・ヴォルフルム著、飯田収治他訳「ベルリンの壁」2,400円 洛北出版は、ベルリンの壁がどうして1989年に倒れたのか?建設から倒壊までの冷戦期の壁の歴史を、壁のことをよく知らない若者達に向け簡潔かつ明瞭に解き明かします。世界中にある壁(イスラエルとパレスチナ、都市の富裕層と貧困層とのあいだ等)にも目を向けさせる著作。ISBN978-4-903127-17-0

●ハナバチってどんな蜂?筑波山で交わされるソウシチョウのラブコール!自然史を学ぶ教師の卵たちが調査・体験したフィールドノート。久松正樹・竹内正彦・増子勝男著「茨城の動物たち」1,300円 STEPは、哺乳類・鳥類・両生・爬虫類・魚類・昆虫類まで茨城に棲息する多様な生き物の観察記。ISBN978-4-915834-69-1

●医療現場において、特に患者にとって、末期になればなるほど医療技術より心の支えが必要となります。ビハーラ医療団編「ビハ−ラ医療団−学びと実践」1,800円 自照社出版は、医師と僧侶による、心を支えるビハーラ医療の試みと提言。ISBN978-4-903858-79-1

●神奈川の有隣堂が出している<有隣新書71>は、神沼克尹文「首都圏の地震と神奈川」1,000円です。関東周辺は、地球上で4枚のプレートが相接する珍しい地層の上に乗っています。過去の地震現象と地震学の最前線をやさしく説きます。ISBN978-4-89660-213-5

●好評の「1ちゃんいちにち」の続編です。高木あきこ・うた/さいとうしのぶ・え「ちょっぴりこわいぞ−どっきりかぞえうた」1,000円 リーブルは、魔女やひとだま、やまんば、カッパ…ちょっぴりこわーいおばけたちが一から十までかぞえうた。かぞえうた絵本第2弾。ISBN978-4-947581-71-6

●90年代に「ロボット」という言葉を生んだチェコの作家、カレル・チャペック著/栗栖茜訳「カレル・チャペック戯曲集T−ロボット/虫の生活より」2,000円 海山社は、科学技術の進歩って何なのだろう?人間て何なのだろうと、このカオスの時代の我々に迫ります。ISBN978-4-904153-07-9

●父親が亡くなり遠くの町へ引っ越すことになった少女の孤独、新しい生活への不安と期待。木に託して語る少女の心を香り高い絵と文章で描く絵本。リーッタ・ヤロネン・文/クリスティーナ・ロウヒ・絵/稲垣美晴訳「木の音をきく」2,000円 猫の言葉社は、フィンランディアジュニア賞の絵本。ISBN978-4-904196-09-0

●アメリカの作家、ダニエル・カーク作/わたなべてつた訳「としょかんねずみ2」1,600円 瑞雲舎は、本が大好きで、本を書いてしまった図書館に住むネズミのサムを主人公に、本作りの楽しさ、友情の大切さを生き生きと描きます。ISBN978-4-916016-96-6

●由民権の著作をはじめ歴史家・演劇人でもある色川大吉著「追憶の人々−同時代を生きた友とわたし」1,600円 町から舎は、井上ひさし、司馬遼太郎、高峰秀子・江藤潤など50人の匆々たる著名人の人物像を色川さんが語ります。ISBN978-4-939139-15-4

●ビェリコフ オレクサドル セルギョヴィチ監修/ユーラシアセンター編「ウクライナ語辞典」20000円 ベスト社が出ました。ウクライナは人口4900万人。資源に恵まれ、肥沃な大地の農産物輸出大国です。この言語はスラブ諸語の中ではロシア語に次ぐ大きな言語で、本国に加え、ポーランド・スロバキア・アメリカ・カナダなど5000万人の人々が使っています。A5判・1076頁。ISBNなし。紙版では、恐らく入手可能な唯一の辞典でしょう。


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