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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1298(2013/04/12)

 紛らわしいのですが、最近扱っている本のなかに「朝ごはん」という書名の本が2点有り、それぞれそれなりに売れています。一冊は、料理本でベターホーム協会編・刊の「朝ごはん」952円(ISBN978-4-904544-15-0)で、ごはん派、パン派双方が使える朝食のレシピ本。きちんと朝ごはんを食べて元気に一日を過ごしましょうという本。

 もう一冊は小説本。団塊世代の作家・川上健一さんの「朝ごはん」1600円(978-4-89710-011-1)山梨日日新聞社刊という新聞連載の小説の単行本です。帯には「山の小さな朝ごはん屋さん物語」とあり、そんなのが物語になるのか?と疑問に思って読み始めたわけですが、これがなかなか引きこまれ、読後感がさわやかで、幸福感漂う小説でした。司書職が合わずに辞めて、数社の仕事をリストラされた女性が、山梨の高原の朝の空気のなかでの朝ごはんが好きで、ヒョンなことから「朝ごはん屋・おはようございます」という朝だけのお店を始めた、その数ケ月の物語なのですが、カマド焚きのごはんや炭火の七輪で作る料理が旨そうで、なんともホットさせられ、主人公とそこに集ってくるお客さんや友人との会話がなんとも言えず潤んできちゃいます。出されるメニューは普通の「シャケ」、「だし巻き卵」、「生卵」そして「お味噌汁」、「トースト」や「目玉焼き」、「ベーコン」、「サラダ」、「野菜ジュース」、「コーヒー」と普通のものなのですが、朝ごはんがこんなに楽しく、人を幸せな感覚にさせるのか?と感動させられました。

これから出る本・新刊案内

●日本には、現在、20万人を超える日系ブラジル人が住み、愛知や静岡を中心にその子どもたちが学校へ通っています。読書を通じて、子どもたちの日本語習得を助け、同時に自分の国の文化に誇りを持って貰いたい、また日本人の子どもたちにも、お友達の国の文化を知り、理解を深めてもらおうと、東京子ども図書館は2008年から豊橋の小学校でブラジルの昔話を語る活動を始めました。そこから生れたポルトガル語訳も入った読み聞かせ用のテキストが3冊同時に出ました。カメの笛の会編「ブラジルのむかしばなし1」(978-4-88569-217-8)各1,000円は、カメの笛、アマゾンのハス、いっしょにくらせなかったシカとヒョウ、フェージョアーダのうたの4話を収録。「ブラジルのむかしばなし2」(978-4-88569-218-5)には、二羽のオウム、ヒキガエルとハゲタカの2話と「ブラジルクイズ」と「ブラジルの豆知識」が、、「ブラジルのむかしばなし3」(978-4-88569-219-2)には、カメのけいりゃく、火を守った鳥ジュルバの2話と「ブラジルクイズ」(続編)と「かんたんなポルトガル語をおぼえよう!」講座で構成されています。

●昔は、死骸、弔葬、産穢、月経などのけがれに触れた人は一定期間、神事を行ったり宮中への参内を出来なかったことを触穢(ショクエ)と言いました。大本敬久著「触穢の成立−日本古代における「穢」観念の変遷」1,500円 創風社出版は、日本文化に深く刻まれたケガレの思想を、古代日本に於ける「穢」史料を分析して人々の認識に浸透する過程を明らかにする特異な著作。ISBN978-4-86037-185-2

●岡山出身で、1900年から一世紀の間、米国の美術愛好家たちに人気があり、よく知られていましたが、日本では全く未知であった肖像画家がはじめて明らかになります。あの国吉康雄と同じ時代のニューヨークで活躍していました。美代子ディヴィー編著「犬飼恭平−ある異教徒の告白」2,000円 吉備人出版は、偶然ニューヨークでいくつかの作品と自伝がみつかり、生誕125年の今年、作品と詳細年譜と自伝まとめてた回想録の出版となりました。ISBN978-4-86069-346-6

●吉祥寺を読まれるべき”テキスト”として解読してみようという試み。斉藤徹著「吉祥寺が、”いま一番住みたい街”になった理由」1,400円 ぶんしん出版は、大手広告代理店部長が解く吉祥寺の街の魅力。はじまりから、昭和以降、サブカルの時代、90年代以降と分け歴史的な街の変遷や文化的な側面などから多面的に分析。最後そこから導き出す、街の魅力と秘密を!ISBN978-4-89390-107-1

●基地建設が引き起こした苦悩と混乱、復興と平和の道を歩む本土との分岐点はどこにあったのか?沖縄探見社編・刊「いかに『基地の島』はつくられたか」1,000円は、終戦から50年代にかけ複雑な要因が絡み合い変貌してゆく沖縄の姿を図とデータで、基地建設で本土が得たものは?そして住民の視点から沖縄の変貌を捉えるとどうなるのか?を丁寧に分析します。ISBN978-4-9904533-5-0

●干拓されたにもかかわらず、残存する水域に広い植生帯を伴う湖沼として重要な自然環境を保持していた干潟も近年の水田の宅地化や水路の改修で、沈水植物が消滅してゆき危機的状況となっています。NPO法人河北潟湖沼研究所編「河北潟レッドデータブック」2,500円 橋本確文堂は、石川県にある河北干潟の50年間の自然と野生生物に関する情報の集大成。守りたい植物・動物、生態系などを記録します。ISBN978-4-89379-154-2

●NHK教育テレビ「こころの時代」の司会者てせある著者の「落語」を味わいつつ、仏道も学んでしまおうという本亀井鑛著「落語で大往生−お説教のすすめ」1,700円 興山舎は落語の登場人物になりきって、名作落語41話を紹介。ISBN978-4-904139-72-1


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