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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1304(2013/07/04)

 株主総会も終了し日常が戻りつつあります。当社は今回で38回目の株主総会を迎えましたが、最近では最も多くの株主が参集してくれました。

 この3年間当センター扱いの本を出荷した500坪以上の新規店の状況を整理してみますと、この数年の急激な変化がありありと読みとれます。3年前の2010年は14店、14140坪、2年前の2011年は8店、7209坪、そして昨年の2012年が5店、4120坪となり、毎年2分の1つづ減少してきたことがわかります。そして、この間の出店は大規模店であっても、そこへの出品内容は、かつてのような重厚な書籍・専門書は少なくなってきています。読者層の変化に対応せざる得ないということでなのでしょう。

 TBS発行で、TBSメディア総合研究所編集の「調査情報」752円(隔月刊)という雑誌を扱っています。最新号は第3期で通巻513号になります。昭和33年に創刊され、一時休刊しましたが、96年に復刊し現在まで続いています。岡本博「時評的映像論」、大島渚「体験的戦後映像論」、上野昴志「肉体の時代−体験的60年代文化論」など、この雑誌の連載から生れた単行本は多く、出版界でも注目されてきました。この雑誌が今回、優れた放送人やグループに与えられるギャラクシー賞のなかの志賀信夫賞を受賞しました。放送評論に多大の業績を残した志賀信夫を記念する賞だそうです。発行元はTBSですが、テレビ局のPR臭さは全くなく、文明時評風な仮説を重視し、いまは名を残す、山本明(同志社大)、江藤文夫、鈴木均、佐怒賀三夫などが常連執筆者でした。半世紀の放送世界を、映像を知るものだけが書ける、いわば映像文化の言語化を目指しているのが、この雑誌です。

これから出る本・新刊案内

●沖縄・那覇、豚の顔皮(ちらがー)で有名な第一牧志公設市場で2年前に始めた、たった三坪の古本屋「ウララ」の女店主の日々を語るエッセイ。宇田智子著「那覇の市場で古本屋」1,600円 ボーダーインクは、行き交う人も本もおもしろい街で、今日も淡々と店番をする姿を。扱う本のジャンルのメインは沖縄本と人文・文芸・芸術・実用。試行錯誤の日々でもあります。ISBN978-4-89982-241-7

●ポーラの誇る、化粧関係の浮世絵コレクションの中から、江戸時代の美人画を中心に編集。ポーラ文化研究所コレクションDVD−BOOK「浮世絵にみる江戸美人のよそおい」1,500円 ポーラ文化研究所は、高画質カラー浮世絵77点。ズーム拡大で細部の描写が堪能できます。化粧の風俗・江戸のよそおい・江戸名所百人美女の3部構成。ISBN978-4-938547-96-7

●日本が誇る名城・江戸城。鈴木啓著「図説 江戸城の石垣」1,600円 歴史春秋社は、時代ごとに異なる石垣の石の切り方や積み方を、豊富な写真とともに詳しく解説。石垣のみかた、道潅と家康の入城、江戸城各郭の石垣、応急普請と天下普請という目次。貴重な「相伝作法之図」2点も掲載。ISBN978-4-89757-804-0

●男のための料理教室を開催しているベターホーム協会が提案する男性の料理の第一歩としての「昼ごはん」。ベターホーム協会編「男の昼ごはん読本」286円 ベターホーム出版局は、昼ごはんを作りながら料理の基本が身につく工夫が。ISBN978-4-904544-29-7

●オールカラーです。山下啓著「身近にいる不思議な生き物100種観察ガイド」1,200円 南方新社は日本に棲息する10万種の野生生物のなかから、<気持ち悪いけど綺麗>、<小さいけど目立つ>、<怖そうだけど可愛い>、<地味だけど面白い>、<可憐だけど癖がある>という、なんともけったいな分類で生き物を紹介します。ISBN978-4-86124-269-4

●治承四年、石橋山の戦いに破れ安房に逃れた頼朝は、房総半島を北上しつつ東国武士を束ねつつ鎌倉入りを果たしました。笹生浩樹著「房総の頼朝伝説」1,300円 冬花社は、今も残る頼朝伝説から新しい武家政権と頼朝像を読み解きます。ISBN978-4-925236-89-8

●震災直後の大正12年9月6日におきた、利根川縁の福田村三ツ堀で香川の売薬商人10名が殺害された痛ましい事件を後世に伝え記録する著作。辻野弥生著「福田村事件−関東大震災・知られざる悲劇」1,200円 崙書房は、関東大震災から90年、当時の様子を語れる人は皆無に等しい中、この重いテーマに取り組みました。ISBN978-4-8455-0206-6

●視察・講演千回を超える集落営農のプロフェッショナルによる入門書の決定版。上田栄一著「やってよかった集落営農」1,500円 サンライズ出版は、ホンネで語る実践20年のノウハウを開陳。著者は農業技術振興センター普及部長から、いまはサンファーム法養寺理事として毎日、農作業中。ISBN978-4-88325-510-8

●大正時代は千曲川右岸をつなぐ絹の道として始まった鉄道、河東線。その全盛期から廃線までを写真と豊富な体験談で追いました。東山繁他撮影、柏企画編「河東線−谷街道をゆく」1,400円 柏企画は、かっては日本の貿易の主力品を運び、横浜港と直結していた鉄道の姿。ISBN978-4-907788-23-0

●パリで、とびっきり魅力的な世界遺産の街と人々が創り出す多彩で豊富な物語をシャッターが切り抜きました。尾辻弥寿写真集「パリ漫歩景」2,800円 書肆侃侃房は、街は舞台で、行き交う人々は役者、見つめる私は観客という構図が見事に映されています。ISBN978-4-903564-18-0


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