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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1318(2014/01/30)

 最近、図書館の民営化の成功例として九州・佐賀の武雄図書館が取り上げられることが増えています。これとは、おそらく次元の違う図書館の動きとして、北海道恵庭市の「街の図書館構想」があります。街の喫茶店が、靴屋さんが、楽器屋さんが、それぞれ個性にあった小さな図書館を併設していくという姿、そしてその小さな図書館をなんとか有機的に結びつけたいという試みには、この街に住む人たちの、町のコミュニティを生き返らせたいという強い意思を感じ取れます。競馬好きの人が既に廃刊になっている競馬雑誌のバックナンバーをバッチリ揃え図書館として市の発行する「図書館マップ」に登録して、「もうどこを探しても読めないから」と、遠方からやって来る読者がいたり、観光客も増えているようです。市井の読書家が意外な力を発揮しています。

 武雄が行政主導、商業優先と見られるのに対して、恵庭の「街の図書館」は、町に住む人たちひとりひとりが、自分の蔵書を図書館として提案するという面白さがあります。同じ町起こしのようですが、その取り組みにはまったく異なったコンセプトが働き、町に住む人たちの目線が反映されているように思います。米国の「ブックポスト」、長野・小布施の「町じゅう図書館」、難波の「まちライブラリー」など先行例もありますが、これらは、無くなりつつある地域コミュニティを再生しようという試みのように感じます。それぞれの地域の書店や出版人(社)もかかわれないものかとも思います。

これから出る本・新刊案内

●今宵の鼠は紳士のようだ 食べずに飲まず牙を研いだりもしない キラキラ光る目をして月光の下を散歩する〜。2010年ノーベル平和賞受賞作家・中国の詩人・の詩集の日本初の翻訳出版。劉暁波著/田島安江・馬麗訳・編「詩集 牢屋の鼠」2,000円 書肆侃侃房は、骨がきしむほどの愛の詩。劉暁波の全作品を収録。ISBN978-4-86385-139-9

●3分冊のうち、book2がまず出て、次にbook1が出て、刊行サイクルが不順で迷惑な、舘野あざらし責任編集「北海道いい旅研究室14-book3」657円 あざらし舎が出ます。これで全3巻完結になります。最新号は、北海道の温泉カラーページも大幅増。特集は<北海道人のための石垣島&竹富島ガイド>です。出れば、北海道ではベストセラートップになります。ISBN978-4-901336-30-7

●10月頃に紹介しましたが、刊行が遅れやっと出ました。ジャン・コルペ写真集/太田和子編「欧亜国際連絡船の着いた港」4,200円 寿郎社は、105年前のアジアを旅した青年が記録した乾板写真。国内の津々浦々とアジアの港と敦賀湾の写真をその歴史とともに収録。かってヨーロッパとの交通はシベリア経由でした。ISBN978-4-902269-66-6

●ヴァイオリンの名手であり、レコード会社のクラシック部門に籍をおき、この分野の評論で最も信頼できる著者・幸松肇著「世界の弦楽四重奏団とそのレコード」6部作、各2,000円が、新規加入のレグルス発売(クワルテット・ハウス・ジャパン発行)で刊行となっています。第1巻はアメリカ編(ISBN978-4-9906413-1-3)、2巻ドイツ・オーストリア編(978-4-9906413-2-0)、3巻東欧諸国編(978-4-9906413-3-7)、4巻欧米のラテン諸国編(978-4-9906413-4-4)、5巻英加北欧諸国編(978-4-9906413-5-1)、6巻日本編(978-4-9906413-6-8)です。

●日本人の死生観に迫ります。奥村隆彦著「葬墓民俗用語集」1,600円 アットワークスは、あの世とこの世の境界領域(グレンツゲビート)を民俗学で探る葬と墓の世界。一部は葬墓民俗用語集、二部は死と死後の民俗用語で編まれています。ISBN978-4-939042-93-5

●著者は小中学校の理科教科書の執筆者であり、蒲郡市生命の海科学館の館長さん。川上昭吾著「花のつくりのおもしろさ」1,000円 トンボ出版は、身近な花つくりを解き明かしながら、花のつくりの面白さを感じさせ、興味関心を深めさせるように工夫された手引き。オールカラー版。ISBN978-4-88716-183-2

●川端康成、夏目漱石、島崎藤村、太宰治などなど、歴史の色濃く残る鎌倉の風土に培われた、作家たちのこころを訪ねる−鎌倉文学散歩。赤羽根龍夫著「作家のこころを旅する」1,200円 冬花社は、”青春の文学”として始まった日本近代文学を訪ねることでもあります。ISBN978-4-925236-93-5

●世界最大級の面積を誇るブナ林を抱え、山深い土地で独自の文化を育み、歴史を辿ってきた地・福島の奥会津の魅力をビジュアルに詰め込みました。「ムック 奥会津」2,000円は歴史春秋社編刊で2月初旬に出ます。ISBN978-4-89757-819-4

●介護予防+認知症予防プログラムです。能村昭子著「歌あそび・歌体操−12カ月80種」1,600円 あおぞら音楽社は、手話や手あそびをふんだんに取り入れた、どこでも、誰でも、元気になれる基本ワザを紹介。122曲の童謡・唱歌・わらべ歌・抒情歌を使いながら。ISBN978-4-904437-15-5


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