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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1364(2016/03/23)

桜が咲いたとテレビは騒ぐのはいつごろから始ったのでしょうか?人々の楽しみが乏しくなった時代の反映のような気がします。

当社にとって総合取次4位の太洋社が2月末で取次業務を停止し、3月15日に東京地裁に破産申請をして倒産しました。その前に破綻した栗田出版販売の場合は民事再生を申請し、営業は継続されていましたので、戦後の出版流通で総合取次の業務停止ははじめてです。廃業に入ると公表されてほぼ1ケ月半になりますが、太洋社の業務停止に伴う多くの取引き書店の廃業の実態を見ると、日本の取次システムの重要さを実感するとともに、雑誌扱いの急激な減少と書籍市場の縮小に伴い、いままでの取次業の存立基盤が厳しくなっていることを痛感します。

当社は40年前設立の時点から太洋社との取引きを開始しました。首都圏はもちろんですが、北陸や四国の書店さんとの取引きが多かったと記憶します。当社の場合、設立のきっかけが三多摩地区の公共図書館による「地方や小規模出版の良書発掘運動」だったことがあり、その当時、図書館への販売業務に力を入れていた太洋社の図書館部にはいろいろと教えていただくとともに売っていただきました。そして、データ提供、見本配本等のシステムに組入れてもらいました。太洋社は関東地方の図書館に強く、大阪屋は関西地方の図書館へのルートを拡大していました。日本の出版流通のなかで図書館への流通は、70年代後半から意識的に整備されてきました。大手取次が図書館用のデータ作成に乗り出し、図書館流通センターが出来、今日に至っています。そして来年3月で日販のデータを作ってきた日販図書館サービスが事業終了するといいます。図書館流通センターが日販取引きとなり、重複するからでしょうか?太洋社の廃業、そして日販図書館サービスの事業停止が同じ時期というのは因縁を感じます。

取次仲間取引きで、太洋社扱いとして他の取次に流通していた出版社群があります。太洋社の廃業に伴い、そのなかの東奥日報社の刊行物を扱いはじめます。100点を超える出版点数があります。また来年は創立130年ということで、多様な出版物を刊行するということです。
最新刊として、”かさぶた”で身を守るバナナ等、豊富な写真を用いて身近な野菜や果物の不思議な力、生きる力と私たちの健康を守ってくれる力についてわかり易く解説した、東奥日報連載をまとめた、斗沢栄一著「植物の不思議U野菜と果物編」2,000円(ISBN978-4-88561-221-3)などがあります。

新刊・これから出る本

●野生動物の王国である栃木県。40年以上にわたり動物たちの保護管理と人間との共存を目指した研究成果のまとめた、丸山哲也他編「とちぎの野生動物−私たちの研究のカタチ」2,500円 随想舎は著者の宇都宮大学退官記念の出版。レッドリストの改訂作業が進むなか、野生動物研究の今後の課題と展望を提供します。ISBN978-4-88748-318-7

●巷の温泉本とは異なり、見た目のよさより、湯質の良さ、”何と言ってもかけ流しでないと温泉とは言えない”という合原幸晴著「九州 男の隠れ湯」1,500円 書肆侃侃房は、何年もかけて巡った500以上九州の温泉の中からお勧めの湯300湯を紹介。北部九州19湯、大分45湯、別府56湯など。ISBN978-4-86385-213-6

●三関せり、八木にんにく、からとり芋、とんぶりなど秋田由来の30品目の伝統野菜を30篇のマンガ物語で紹介。杉山彰著「マンガ あきた伝統野菜」1,200円 無明舎出版は、昭和30年代から姿を消した地元野菜には地域文化のエキスが詰っていると言います。ISBN978-4-89544-612-9

●パリのアロマグルメのデザイナーが案内する精油とフローラルウォーターによる、健康回復・創香・クッキングのレシピ。ジャンシャルル・ソムラール著/前田久仁子訳「アロマのアトリエから」3,800円 フレグランスジャーナル社は、精油のプロフィールを学び、必要な目的に応じて精油を選ぶハンディなガイドブックです。ISBN978-4-89479-265-4

●文/写真松本弥「ヒエログリフ文字手帳−人びとの暮らし・生活編」2,000円 弥呂久は、古代エジプト文明を当時の人びとの豊富な象形文字とカラー図版を使ってやさしく解説。姉妹編自然風土めぐみ編2,000円とセットで学べばもっと充実。ISBN978-4-946482-28-1

●家族愛をテーマに人間の温かさと優しさにあふれる作品で定評のある著者、パトリシア・マクラクラン著/若林千鶴訳/たるいしまこ絵「ぼくのなかのほんとう」1,300円 リーブルは、一人っ子のぼくが、おばあちゃんちで巡り合った人々や動物たちとの関わりを通して、ぼくの中にある「ほんとうのことを」見つけてゆく物語。ISBN978-4-947581-83-9

●日露戦争の本。稲葉千晴著「バルチック艦隊を捕捉せよ−海軍情報部の日露戦争」3,000円 成文社は、新発見の資料ーを用い、日本がどのようにバルチック艦隊の情報を入手したかを明らかに。情報収集の現場を訪れ、集められた情報の信憑性を確認しています。ISBN978-4-86520-016-4


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