今年は梅雨に入るのが早く、ジトジトとした日が続きます。15年度決算の報告をします。昨年は、総合取次・栗田出版販売(株)と(株)太洋社の破綻・出版流通からの撤退という、大きな曲がり角にきた年でした。また当社が設立以来直接取り引きしてきた大型書店・リブロ池袋店の閉店もありました。市場の激変のなかで当社はなんとか供給を続けてきました。一昨年、昨年と大幅な扱い高減少で2年連続の最終赤字決算でしたが、15年度は取次出荷が前年比11%増だったことで、なんとか最終赤字は逃れました。
図書館売上は−2.5%、直書店売上0.2%増、総売上は9.49%増で、売上総利益は11.82%増となりました。しかし、営業損益は−608万円、積立て金等を取崩した営業外収入866万円でなんとか黒字という有様で、苦しい採算状況であることは変わりません。経常利益254万、当期利益443万となりました。
2015年度 損益計算書(単位:万円)
●熱狂の昭和拳闘秘史だそうです。乗松優著「ボクシンと大東亜」2,200円 忘羊社は、副題は<東洋選手権と戦後アジア外交>。復興期の日本を熱狂させたボクシング興行にアジアへの夢を託して集った男たちの実像に迫るもうひとつの昭和史。大戦中、100万人以上が犠牲となったフィリピンとの国交回復をめぐる葛藤と交流の軌跡。ISBN978-4-907902-11-7
●ベターホーム協会の新刊は、「ベターホームのひんやりスイーツ」1,100円です。自宅にある道具で簡単にお菓子づくりが楽しめるレシピ集。和洋合せて36品洋風のなめらかプリン、和風のあんみつ、コーヒー水ようかんなど。菓子に欠かせないドリンクレシピも。ISBN978-4-86586-026-9
●日本全国の1400もの岬を巡っているという「岬評論家」なる方がいます。「岬」を切り口に北海道の自然を紹介する、ナチュラリー編・刊「faura No.52 特集岬めぐり」952円が出ました。岬は自然の宝庫、野花が咲き、野鳥が集い、押し寄せる波の創り出した地形や風景を訪ねます。岬評論家=でんでんむし氏によれば北海道には292の岬があるとか。ISBNなし
●バリデーションの実用書が全国コミュニティライフサポートセンターから同時に二冊でます。ナオミ・ファイル/ビツキー・デクラーク・ルビン著/稲谷ふみ枝監訳/飛松美紀訳「バリデーションファイル・メッソッド」2,000円 は、バリデーションのワーカーコースの基礎となる一冊。ISBN978-4-904874-47-9。もう一冊は、バリデーションティチャー・都村尚子著「認知症ケアのためのバリデーション・ワークブック」1600円です。バリデーションとは何か?バリデーションの原則を通して、認知高齢者の言動を捉え直す、バリデーションに関する疑問に答える他です。ISBN978-4-904874-46-2
●詩人の荒川洋二さんの7年ぶりの新詩集です。「北山十八間戸」1,850円 気争社は、震災後に氾濫した安易な<特需>詩文への批評「東京から白い船が出ていく」など16編を収録。ISBNなし。
●明治以降121年間に大きく変化した化粧文化を15期に分け、政治・生活・文化・女性・服装・髪型・化粧・美容を解説。ポーラ文化研究所編・刊「明治・大正・昭和の化粧文化」2,000円は、図版多数のビジュアル本。伝統的化粧から西洋文明の化粧を取り組み模 倣し、また独自の化粧意識と融合計ってきた過程を跡づけます。ISBN9784-938547-978-1
●筑豊支局に赴任した元朝日新聞記者が、盃を交わしながら聞いた、炭抗夫・作兵衛の肉声を伝える確かな記録となっています。宮田昭著「絵師 山本作兵衛」1,800円 書肆侃侃房は、その絵が世界記憶遺産に登録された作兵衛翁の驚異の記憶力を引出し、温かい絵筆でみごとに再現しています。ISBN978-4-86385-227-3
●厚労省の報告書の中から障害児相談支援部分を編集したガイドブックです。松田直弘、田畑寿明ほか著/宮田広善・遅塚昭彦編/全国児童発達支援協議会、障害児・者相談支援事業全国連絡協議会監修「障害児相談支援ハンドブック」1,500円 エンパワーメント研究所は、障害児相談支援事業に特化したはじめての実践書であり理論書として出版されました。ISBN978-4-907576-41-7
●能勢仁著「カラー版世界の本屋さん図鑑」1,500円 出版メディアパルは、海外45カ国50書店の横顔見て歩き。ヨーロッパ・アメリカの書店図鑑。オセアニア・アジアの書店図鑑の2部構成。ISBN978-4-902251-63-0