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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1382(2017/01/26)

新しい年を迎えましたが、昨年に続き不透明な時代が続きそうな2017年です。今年も宜しくお願いします。年末・年始の報道番組を見ると、民主主義も資本主義も曲がり角にきているという論調が多く見受けられました。高度成長で地方も豊かになった60年代後半から80年代に、出版文化は多種多彩なものが花開きました。人口減少と高齢化時代に入った2000年代以降、停滞期に入り現在に至ってます。昨年は取次店太洋社の倒産・廃業に始り、神保町の専門書書店「岩波ブックセンター信山社」の閉店・倒産で年を越すという、厳しい年でした。この減退しつつある時代になんとか「竿さす」出版物の多くを取り扱い出版社に生み出していただきたいものです。

年始にお墓参に千葉の田舎に行くと、整地された田んぼの周辺に鉄柵が張り巡らされていました。ここいらは人家もまだまだ多く過疎地とは言えないのですが、猪被害が続発で、耕作地の廻りはすべて鉄柵で囲むということでした。電気も通すとかで、子どもの時(60年代以降)からすると考えられない事態になっているようです。産業構造の変化と気候変動がこんな事態を引き起こしているのでしょうか?

新刊・これから出る本

●この文明の大転換期に二つの課題、1.近代の起源は人類史のどの地点にあるのか。2.閉塞しつつある現代文明をどう見極めればよいのか。名著「逝きし世の面影」を著した九州・熊本の思想史家・渡辺京二著「新編 荒野に立つ虹」2,700円 弦書房から。82年から30年間の論考を集めています。朝日新聞の読書面で紹介。ISBN978-4-86329-141-6

●金光教の導師・高橋正雄の生活思想代表作を集成しています。「高橋正雄師の生活道話V−お金と物の道」1,000円 金光教徒社は、<お金や物は生きている>といういのち観が脈々と流れています。ISBN978-4-906088-37-9
もう一冊。「高橋正雄師の生活道話W−夫婦の道」1,000円は、これから結婚する人にも既婚者にも、夫婦は無限の宝庫と仲の良さの大切さを説きます。ISBN978-4-906088-37-9

●戦後再び日米の軍事植民地とされた琉球の解放=独立を展望します。里正三著「琉球独立への視座」900円 榕樹書林は、アイヌ民族よりもはるかに先住民族として権利を有する琉球列島に住む人々に対し権利保護の具体的な措置を要求します。琉球民族独立総合学会会員です。ISBN978-4-89805-191-7

●若い方々が魚の料理が苦手なのは、その下処理を自分でやらなければならないから。ベターホーム協会編・刊「さばかない・おろさない!魚おかず90」1,000円は、魚を一切さばくことがなく、おいしく食べられる料理を提案します。さけ・ぶり・さばを中心に手に入りやすく、また栄養や保存の観点から注目されている缶詰、まぐろやサーモンの刺身など下処理不要のものを、和洋中の幅広い味付けで90品。ISBN978-4-86586-030-6

●今まさにおきている死の儀礼の急変にいかに対処すべきか?親が死んでも会社を休めない、弔いを親戚にも近所にも隠す、香典を拒否する喪主、そんな現実をいかに受け止めるか?新進気鋭の宗教学者・内藤理恵子著「あなたの葬送は誰がしてくれるのか−激変する供養のカタチ」2,900円興山舎は、克明かつ大胆にリポートした衝撃の書。ISBN978-4-908027-34-5

●唯物弁証法を土台として全く新しい心理体系を構築し、既存の心理学を鋭く批判したソビエト連邦の心理学者、レフ・ヴィゴツキーの代表的著作を解説します。土井捷三著「ヴィゴツキー『思考と言語』入門」2,700円 三学出版は、若くして亡くなったソビエトの心理学者の名著「思考と言語」の入門解説書。言葉の捉え方の再考に資するために書かれました。ISBN978-4-908877-02-5

●戦国の時代、長享2年から天正18年まで11回行われた松山城合戦。梅沢太久夫著「松山城合戦−戦国合戦記の虚と実を探る」1,500円 まつやま書房は、2012年初版で好評だった書を、改めて「合戦記」を読みながら、史料を整理して実像を探る<関東争奪戦史>の第二版。ISBN978-4-89623-076-5

●奄美諸島は、泉重千代さんや本郷かまとらさんという長寿日本一を輩出した地域。それには島の食が大いに関係している。三上絢子著「奄美の長寿料理−手しおにかけた伝統食」2,400円 南方新社は、島の伝統食の献立レシピ148品目。自然食材、調理法、塩豚などの保存法、加工法、日常献立からハレの日の献立まで。ISBN978-4-86124-344-8

●3.11の大津波のあとの浜辺を追いました。「本郷浩写真集 荒浜−仙台湾光景」2,500円JRP出版局は、地名の「荒浜」に限定せず宮城の仙台湾沿いの被災した「荒ぶる海」浜各地を撮ったもの。ISBN978-4-931078-36-9

●仏壇に供える信州独特の米粉で作る餅菓子を「やしょうま」と言います。松本博子著「信州やしょうまレシピ帖」1,000円 しなのき書房は、お米のやさしい甘さ、天然色素の自然な色合いのやしょうま菓子を、小川村の名人が教える35種のレシピ集。毎年、お釈迦様のなくなられた2月15日の涅槃会(ネハンエ)か月遅れの3月15日に作られる風習があります。ISBN978-4-903002-53-8

●かっては公害訴訟が戦われたものの、最近は再生の道をたどる、岡山県の水島・玉島の海岸。高田昭雄撮影「写真集 水島の記録1968-2016」1,700円 発行:公益(財)水島地域環境再生財団/発売:吉備人出版は、1950年代に入り埋立て・工場の乱立で汚れたこの地の海の20年の変容を記録。公害訴訟和解成立20周年記念の刊行。ISBN978-4-86069-487-6

●ヨーロッパでいま安全な街といわれるポルトガルの首都・リスボンの街歩きの魅力満載。オノリオ悦子・岸澤克俊著「光の街、リスボンを歩く」1,500円 書肆侃侃房は2月中旬刊。この街に暮す著者たちが、ショップはもちろん、ミシュラン三ツ星レストランからB級グルメまで。ISBN978-4-86385-249-5


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