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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1383(2017/02/10)

2月に入り今年も入学試験のシーズン到来で、受験のために上京する若者の姿が目立ちます。寒い日もありますが、梅の蕾みも膨らみ春が近づいているようです。

昨年12月初旬に青森県で開設した市営書店「八戸ブックセンター」を隣県の地方出版社社主が2日にわたり視察した感想が届きました。この書店は、市長が政策公約で掲げた「本を読む人を増やす、本を書く人を増やす、本でまちを盛り上げる」という「本のまち八戸」宣言の一環として作られた書店です。年間経費6千万のうち売上2千万を予定し、赤字分の4千万は税金で穴埋めするそうです。雑誌・コミック、新書などの売れ筋は置かず、書店や図書館からこぼれ落ちた入手の難しい「良書」を8000冊並べています。このような本たちは「公共性」があるという判断だそうですが、訪れた地方出版社主によれば、「良書」という行政の「本を選ぶ基準」がよくわからない。また市負担4千万円の根拠となっている「売上2千万」もあいまい。売上けなのか利益なのか? もし利益なら2千万稼ぐには1億近く売上が必要で、8000冊の本では難しいでしょう。売れなければ赤字が増えて市民の負担は増えるわけです。本の現状に対する認識が楽天的すぎるのでは!と考えてしまうと言います。そして、公共のお金を使わなければ「本は自立」出来ない時代なのか!と嘆きます。

新刊・これから出る本

●天皇陛下のお言葉の真意について詩人にして批評家の添田馨が、8月以降発表した関連論考と講演記録を収めた「天皇陛下<8.8ビデオメッセージ>の真実」1,200円 不知火書房で著者は、天皇のおことばの核心は「象徴としての務め」を果たせないような事態だけは絶対に招いてはならない、と言われているのだ、と主張し、そして、今回の「おことば」が画期的なのは、「象徴天皇制」というものの思想的な核心について、歴史上はじめて、「象徴」たる天皇その人がみずからの言葉にして語ったものだからである、と言います。ISBN978-4-88345-112-8

●駐日エチオピア大使館に勤務したことをきっかけに貧困に苦しむ3か国(エチオピア・ルワンダ・マラウイ)の農民の生活と教育向上を目指すNPO法人を立ち上げ東アフリカ産コーヒーの紹介・販売し、凄惨をきわめた内戦後の国家再建に活動する、津田久美子著「ルワンダに灯った希望の光−久美子のバナナ和紙」1,600円 書肆侃侃房は、アフリカの経済格差に苦しむ農民を救いたいと「エコバナナペーパー」を開発し、雇用創出に汗する12年間の奔走記です。978-4-86385-251-8

●料理教室で学ぶように「優しく」教えてもらえるので「易しく」おいしくつくれると好評だった料理入門書を全面改定しました。ベターホーム協会編・刊「改定版 世界でいちばんやさしい料理教室」1,300円は、50年以上全国で料理教室を開催している協会ならではの、どんな人でも楽しみながら料理力をつけられる本。V.V.でよく売れてました。ISBN978-4-86586-031-3

●学会で「織豊系城郭」という呼称とテーマが確立されてほぼ30年だそうです。村田修三監修/城郭談話会編「織豊系城郭とは何か−研究と課題」5,000円 サンライズ出版は、歴史・概念・研究史的意義を始めとする総論を始めに、遺構・遺物からわかる城郭の機能、約70の織豊系城郭の概要・特徴の解説を全国で活躍しているお城の研究者がまとめました。ISBN978-4-88325-605-1

●30年以上将棋マンガを書き続けるものの、棋力は上がらない著者・バトルロイヤル風間著「オレたち将棋ん族 エビソード3」1,000円 双峰社は、「週刊将棋」連載の将棋4コマ漫画の単行本化。2013〜16年3月までの全作品。すべての漫画に作者書下ろしの解説付き。ISBN978-4-904686-09-6

●村の飢饉を救うために秘められた幸せを探しに出かけた、ケニアの小さな村に住むアマリとンジェマ。そして出会った一本のモリンガの木。その秘められたパワーとは…。ハンク・ブルース&トミ・ジル・フォーク作/こまつみほ絵・翻訳「モリンガのきせき」1,200円 リーブル出版は、米国で出版されたケニアの物語絵本。ISBN978-4-86338-164-3

●副題は、<「悪」の自由と宗教・倫理・美的表現労働の探究>。中村勝著「自然情動論」4,200円 ハーベスト社は、つらい賃労働に対抗すべく、労働の歓喜・喜びについて、ギリシャ古代哲学から精神医学や台湾の少数民族=山の民における母型制社会のくらしなどを通して考察します。ISBN978-4-86339-080-5

●厳しい自然条件を逆手に取った長野県の知恵とズク。蚕糸王国が拓いた日本の近代を振り返り、歴史の中に位置付けます。新津新生著「蚕糸王国 長野県」1,600円 川辺書林は、近代日本を支えた養蚕・蚕種・製糸を、現地調査、データ分析、240葉の写真で実相に迫ります。農家の8割が養蚕に携わり、生糸生産上位20社のうち13社が長野県でした。ドラマに富んだコラムも満載。ISBN978-4-906529-86-5

●猫のぬくもりを感じると大好評。下野新聞社編・刊「とちぎの愛されにゃんこ」1,500円は、なんと!栃木県に住んでいる飼い猫1000匹の写真集。イケにゃんも、ブサカワも成猫も子猫もドーンと。ISBN978-4-88286-636-7


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