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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1384(2017/02/27)

異常に早くそらまめの花が咲いて、暖かくなってきたと思ったらまた寒くなり、菜の花を咲かせようとビニール囲いをはずすのは速すぎたと後悔しています。

東京の「街の書店」の中で、気になって何回も伺い、また仕入れの電話や短冊を見ながら随分と勉強させられた「杉並の書原」(=阿佐ケ谷の書原)がビルの立替えということで2月19日に閉店しました。昭和42年の開店と言いまから、50年間営業してきたことになります。学生や学者、文筆家などインテリさんの多い町並みに寄り添う店ではなかったでしょうか。「店内に入り、その本の密集度と奥深い品揃えには改めて感動する!いまどき『植草甚一』という見出しを立てられる本屋さんは稀れだろう。継ぎ足された棚や動かせる台など少しでも多くの本を扱おうとする工夫があちこちに見られる。深夜営業のハシリとしても有名だった」と、かっての「本屋さんか」の発行人の帰山氏は個人通信「本棚の溜息319号」=最新号で述べていますが、同感です。69坪ですから現在では小規模のお店に入ると思いますが、200坪から300坪ほどのお店にも負けないものでした。「移転して新規開店とならないのが、現実の厳しいところ」と、溜息です。

新刊・これから出る本

●植物学者・牧野富太郎は筆まめで、誰の手紙でも植物に関する内容なら必ず返信を書いたそうで、膨大な手紙・書簡類が残されています。牧野の生地高知県佐川町の青山文庫の館長を務めた松岡司著「牧野富太郎通信−知られざる実像」750円 トンボ出版は、2000通に及ぶ牧野富太郎受発信の書簡類から選び、ミニ解説付きで紹介する本。前編は牧野に宛てられた書状等を、後編は本人が書いた書状を。ISBN978-4-88716-250-1

●うさんくさいイメージもあるものの、沖縄では今も生活に息づいています。山里純一著「沖縄のまじない−暮らしの中の摩除け、呪文、呪符の民俗史」1,700円 ボーダーインクは、文献資料とフィールドワークから探究した学問的に味わいのある入門書となっています。呪文にはじまり、沖縄のムンヌキムン(悪魔・悪霊・厄神などを退ける魔除のこと)、誕生と産育、死・葬・墓のまじない、呪符をめぐる文化交流まで多角的に論じます。ISBN978-4-89982-314-8

●近頃の若い人で生魚の処理が出来る人は少ないのでは?ベターホーム協会編・刊「さばかない・おろさない!魚おかず90」1,000円 は、魚を一切さばくことがなく、おいしく食べられる料理を提案します。さけ・ぶり・さばを中心に、和洋中幅広い味付けで。ISBN978-4-86586-030-6

●日本の領土問題の一つ。韓国も領土と主張する島根県沖の竹島について当時者である県が作った解説本が出ました。下條正男著/島根県総務部総務課発行「安龍福の供述と竹島問題」500円 発売:ハーベスト出版は、竹島の真実を易しく解説したもの。江戸時代の安龍福の供述を検証することで本当の歴史認識を考えるブックレットです。島根県が竹島の領土問題の正しい認識を、日本全国に訴える本。ISBN978-4-86456-220-1

●品切れであった暗黒通信団の数学の本二点の重版が出来ました。これから計算機言語を何とか習得したいという人のために計算機言語の全体とまではいかないが大部分を示す、シ著「計算機言語のまとめノート」250円 ISBN978-4-87310-051-7と、Σ.X.(スーヒ)著「日曜数学者のための命題論理入門」350円 です。後者は、趣味として数学の「数理論理学」の入口(の一歩手前)を形にしたもの。命題論理の「構文論」と「意味論」については二章で。ISBN978-4-87310-045-6

●自動車関係の日本企業の多い、アメリカ中西部に長期滞在する日本人のための必携本。Y's Publishing編・刊「オハイオ・インディアナ・ケンタッキー便利帳Vol.11」3,000円は、日本語で書かれたアメリカ生活のガイドブック。今回の特集は<大人の便利帳−飲んべえ編>。各州運転免許筆記予想問題付き。ISBN978-4-8123-0088-6

●長崎県島原地方の方言は、島原の乱に加わった地域(南部語)と加わらない地域(北部語)ではかなり異なります。地元出身で長く教職を務めた吉田正久著「島原方言語り」926円 銀山書房は、島原方言を名詞、動詞、形容詞・形容動詞、副詞、その他の言葉に分けて収録し、意味やその使い方を解説。ISBN978-4-9904890-2-1/続編として「島原方言語り拾遺」1,389円(同一著者・発行所)も同時発売。第一章・訛言=かげん(訛り言葉)、第二章・再掲語、第三章・小詞(小さい言葉)、第四章・拾遺と、前著から漏れたものを集大成しています。ISBN978-4-9904890-1-4

●戦前唯一の日本農村研究書を著し、菊と刀のベネディクトやGHQの戦後改革に影響した米国の学者夫妻の足跡を追った、田中一彦著「忘れられた人類学者−エンブリー夫妻が見た<日本の村>」2,000円 忘羊社は、1935年から1年間、熊本県の須恵村に滞在し、日本語が堪能だった妻エラとともに調査を行い、1939年に「日本の村・須恵村」を発表した夫妻の記録。これは人類学者による戦前唯一の日本農村調査として貴重なものでした。ISBN978-4-907902-16-2

●巻頭エッセイ−小川洋子、小説は今村夏子・西崎憲・星野智幸・山尾悠子などが寄稿。文学ムック「たべるのがおそいvol.3」1,300円 書肆侃侃房は、特集:Retold 漱石・鏡花・白州などで4月初旬刊。ISBN978-4-86385-257-0


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