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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1386(2017/04/14)

今年の関東の桜は長持ちして、14日現在でも満開のものもあります。めずらしい年です。

出版輸送にも遠からず影響が出てくると思いますが、宅配輸送の増加によって、最大手のヤマト運輸の宅配便荷受け抑制や値上げの報道がされています。1970年代、宅配便(個数配送)の出来る前は、路線便と称して、同じ場所へ送る荷物は重量制の運賃体系で主に商工業者間の取り扱いでした。ヤマトの宅配便が出来たことで個数扱いのシステムが出来て個人客への宅配が急速に伸びました。さらにインターネット通販が増加に拍車をかけています。当社に各出版社から送られてくる荷物は、主に「ヤマト運輸」「佐川急便」「日本郵便」がメインです。ヤマトで問題になっているアマゾンの通販商品が増えたのは、佐川がアマゾンの荷物引受けから撤退したことによります。当社でもこの時は、ヤマト便の配達が昼近くと遅くなり仕事の手順が狂ってしまいました。最近は少しずつ改善され、朝の配達も増えています。

どこの運送業者も高齢化と仕事のきつさで、ドライバー確保には苦労しています。今後、運賃の値上げや、配達集荷回数の抑制などが出てくるのではないかと思います。

書店や取次の方が、固有名詞を読めなくなってきていることを感じるようになりました。地方の新聞社で県名を冠していない社が数社あります。当社の扱っている地方新聞社で、読めない代表は「下野(シモツケ)新聞」(栃木県)と「上毛(ジョウモウ)新聞」(群馬県)です。若い方は、昔の地域名などは習わないのでしょうかね。他に青森の「東奥(トウオウ)日報社」なども上げられます。県名を冠してない地方新聞社はあとブロック紙の河北新報(宮城中心)や西日本新聞(福岡中心)などもあります。また、昔当社の直営店の名称で使っていた「書肆(ショシ)」も読めないようで、当社取引出版社では書肆侃侃(カンカン)房や書肆青樹(セイジュ)社などがあります。パソコン発注が増えて、電話注文などの読上げる作業が減っているのも原因かも知れません。

新刊・これから出る本

●おいしく食べる工夫は食欲や嗜好性に関わる脳局所によって調節されています。鳥居邦夫著「食とフレーバーのおいしい関係−脳による食行動の調節」1,600円 フレグランスジャーナル社は、食べるという生命維持のしくみをわかり易く解説したものです。フレーバー(風味)の働きを解明し、和食をうま味からサイエンスします。日本発のうま味を呈するグタミン酸は食文化の相違を超えて世界中で200万トン以上が利用されているそうです。ISBN978-4-89479-283-8

●暗黒通信団から新刊が2点でます。TokusiN著「グラハム数1000000桁表最終巻」387円は、巨大数として名高いグラハム数の末尾の100万桁を記した本。計算アルゴリズムの開発から行ったのでおそらく世界初のリストではないかと言います。ISBN978-4-87310-064-7

●もう一点は、嵐田源二著「量子力学的古典力学」300円 暗黒通信団です。量子力学をベースに古典力学の結果を導出する本だそうです。ISBN978-4-87310-068-5

●山陰の石見銀山の新たな歴史像を専門家たちの論文による知見と魅力を描き出します。島根県教育庁文化財課世界遺産室編「石見銀山の社会と経済」1,000円 ハーベスト出版は、石見銀山歴史文献調査論集です。石見銀山の幕末を生きた武士、銀山役人宗岡氏の動向と活躍、代官井戸平左衛門の事績と顕彰など。ISBN978-4-86456-221-8

●地震に見舞われることがほとんどなかった九州の熊本地方を襲った「想定外」の連続震度7の強震。毎日新聞西部本社編「熊本地震-明日のための記録」1,800円 石風社は、現場に即した記事と写真で、市民生活からインフラまでの被害と対応の諸相に迫ります。ISBN978-88344-248-5

●明治中期から大正にかけてトカラ列島はじめ南島を探検、台湾はじめ太平洋の島々を巡った田代の足跡と功績を改めて評価します。名越護著「田代安定−南島植物学、民俗学の秦斗」2,800円 南方新社は、わが国熱帯植物研究の第一人者の業績を一冊に。青年期、八重山諸島調査、南島の人類学的調査、台湾総督府時代と分けて。ISBN978-4-86124-351-6

●四季折々の和菓子×紅茶×英国菓子。白雪いちご著「和テイストで楽しむ英国アフタヌーンティー」1,800円 ジュピター書房は、1月から12月までのテーブルセッティングを提案。いま注目の和紅茶やポーセラーツ、バンドクラフトなどの話題の手工芸も取入れ、アフタヌーンティの新提案。ISBN978-4-9907483-9-5

●NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」(2009年10月放映)でも紹介されています。佐々木章晴著「草地と語る−<マイペース酪農>ことはじめ」2,500円 寿郎社は、自然に則った酪農経営で注目される中標津の三友盛行さんの酪農法。その思想と実践法を最新データでわかりやすく北海道当別高校の園芸デザイン科の教諭である著者が解説。ISBN978-4-902269-97-0

●少年時代から朝日新聞記者、「たいまつ」創刊、三里塚闘争。反骨ジャーナリストの100年の生涯を活写します。むのたけじさんと共著もある、秋田市立中央図書館長・北条常久著「評伝 むのたけじ」1,700円 無明舎出版は、4月の新刊。序章、少年時代から、むのたけじを継ぐ人々までの20章から成ります。ISBN978-4-89544-627-3

●2年間ウィーンで暮らし、ドイツ語を学んだ著者のコンサートにカフェ巡り、美術鑑賞などウィーンの魅力を濃厚に詰めた著作です。徳永千帆子著「麗しのウィーン、音に魅かれて」1,500円 書肆侃侃房は、3月中旬刊。ISBN978-4-86385-256-3


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