地方・小出版流通センター通信 No.１３８８（2017/05/25）
連休も終り、気持ちのよい季節になっていますが、本の売れ行きは厳しいものがあります。例年のことですが、2016年度の取扱新刊のデータを作ってみました。2016年度（2016年1月から12月）の新刊は、書籍４１９社、２５９６点、雑誌７６社４６６点でした。書籍新刊はこの数年で最低の厳しい数字です。別表の通りです。新刊を発行する出版社の減少等が要因です。また文芸等の自費出版的な刊行も減っていると推測されます。既存の出版社の高齢化や市場縮小の影響での廃業も、東京（都市部）も地方も顕著になっていることを反映している数字です。
新刊・これから出る本
●中国北京のグローバル科学文化出版から「北京古代建築文化大系 全１０編」が出ます。まず６月中旬に「宮殿編」（ISBN978-4-86516-001-7）、「橋・塔編」（002-4）、「壇廟・祠廟編」（005-5）、「寺院・宮観編」（003-1）の４編が出ます。各巻2,980円です。第一巻の「宮殿編」の内容は、北京エリアの宮殿建築を網羅、大量の図版と写真,で、全体から細部に歴史、建築芸術の特色、文化を解説しています。
●ユーラシア・中央アジア地域言語の本をコツコツと出しているベスト社から２点の新刊が出ました。カテジナ・クナイスロヴァー／ユーラシアセンター共編「チュコ語会話・文法」4,400円は、文法的にはスラブ語に近いチェコ語の会話編と文法編の二部構成。会話編は長期滞在する方でも使えるように編集。ＣＤ付き。ISBNなしです。
●もう一点は改定再版です。キロヴァ スヴェトラ／ユーラシアセンター共編「ブルガリア語会話」3,700円 ベスト社です。数年間、品切れだったものです。ブルガリア語は本国以外ではセルビア・ル−マニア・ロシアでも数十万人の方が使う言葉。ＣＤ付き。ISBNなし。
●小さな村に伝わる驚愕すべき謎。河津武俊著「肥後細川藩幕末秘聞」900円 弦書房は、阿蘇・小国地方の小村はなぜ消されたか？伝承の真実に迫る出色のノンフィクションです。ISBN978-4-86329-152-2
●秋田発・地産地消運動の20年。谷口吉光著「『地域の食』を守り育てる」1,600円 無明舎出版は、斬新なアイディアと行動力で新しい食の仕組みを次々に生み出した市民運動の秘密を解き明かします。食の力で人と人をつなぐ！ローカルフードの可能性を求めた市民運動の物語です。ISBN978-4-89544-629-7
●「夕飯は家族そろって食べる」のが理想ですが、残業や子どもの塾通いなどで、全員一緒に食べるのは、なかなか難しいのが現状。それを解消するのが「時間差ごはん」。材料や調理にひと工夫することで、時間がたってもおいしさをキープできるおかずのことです。ベタホーム協会編・刊「時間差ごはん読本」602円は、あとで食べる家族のために、時間がたってもおいしいおかず６１品。ISBN978-4-86586-032-0
●企業年金総合プランナーを目ざす方のための認定試験ガイドラインに沿った必須知識を解説。年金問題研究会編著「ＤＣプランナー２級合格対策テキスト2017年度版」2,500円 経営企画出版は６月中旬刊。ISBN978-4-904757-17-8。姉妹版「ＤＣプランナー２級合格対策問題集2017年度版」2,500円。ISBN978-4-904757-18-5も同時に出ます。
●サブタイトルは、−色調が教えてくれるこころの世界−。春田博之著「こころの地図」2,700円 フレグランスジャーナル社は、長年の研究の後に完成した色調グラフ。具体的な使いかた、好みの色とその人の特徴、色相環と「気」「血」「水」など。待たれていた出版です。ISBN978-4-89479-286-9
●医療と仏教が融合する「緩和ケア」のありよう。あそかビハーラ病院編「お坊さんのいる病院」1,200円 自照社出版は、医師、看護師、僧侶、そして患者家族が書下ろした、お坊さんのいる緩和ケア病棟のありようを描くドキュメント。ISBN978-4-86566-038-8
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