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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1393(2017/08/23)

長いお盆休みの来店客はいかがでしたでしょうか? 天候不順(特に日照不足)で、作物の成長に影響が出ているようです。この湿度の高い日々は体に応えます。運送や配達など野外での仕事は尚更です。お見舞い申上げます。

遅れ時計の詩人−編集工房ノア著者追悼記 関西で唯一の「文芸専門出版社」、美しい装幀で知られる「編集工房ノア」があります。設立されて今年で43年。社主・涸沢純平さんと奥さん(小西敬子氏)の二人の版元で、関西(大阪・京都・神戸)在住の書き手たちの著作を多く発行してきました。その涸沢氏も71才となり、東秀三氏(享年62才)、小島輝正氏(享年67才)、清水正一氏(享年71才)など親しい作家たちを葬送(おく)ってきました。表現者たちとの熱い交わり模様、亡き文人たちを語る惜別のことば。涸沢純平著「遅れ時計の詩人−編集工房ノア著者追悼記」2,000円(ISBN978-4-89271-281-4)が、同社から9月初旬に刊行となります。帯文には、〜大阪淀川のほとり、中津の路地裏の出版社。港野喜代子、永瀬清子、清水正一、黒瀬勝巳、天野忠、大野新、富士正晴、足立巻一、鶴見俊輔、塔和子。本づくり、出会いの記録です〜とあります。還暦(60才)の時にまとめた原稿ですが、出版の決心がつかず、校正刷りのまま埃を被っていたのですが、親しかった足立巻一(享年72歳)の年齢を前にし、思い切って出版を決意したとのことです。

新刊・これから出る本

●新規取引で山形県米沢市にある「ヨネザアド・カタツムリ社」の刊行物を扱います。最初に扱うのは、当地出身の漫画家・ますむらひろし氏のライフワークとも言える作品集二点。氏は代表作「アタゴオル物語」や「宮沢賢治童話集」で知られるファンタジー風な作風で知られ、1973年デビュー以来作品を発表し続けている作家です。新刊として、今年の8月刊の「アタゴオル博物誌」2,000円(ISBN978-4-9908263-2-1)から扱います。アタゴオルシリーズは、長きに渡り掲載誌も変遷を重ね連載されてきました。本書はヨネザアド・カタツムリ社のその作品群のセレクションとして刊行します。収録作品は、巻頭グラビアに「キナコ石の粉」・初期作品から「唐あげ床屋」「風を編む」等6編。後期より「詩編」等3編。そして書下ろした新作「富クジ」を入れて全11作品。著者自身による作品解説を含む、B5判・264頁で、迫力満点です。

●同時に2015年5月刊行の「ヨネザアド幻想」2,315円(978-4-9908263-0-7)も、直販のみでほとんど市販流通はしていませんでしたので扱います。著者が故郷に想いを寄せて描いた作品を一冊にまとめた作品集です。デビュー作「霧にむせぶ夜」など初期作品から「アタゴオル」シリーズにおいて米沢の影響を色濃く反映した漫画を揃えています。A4判376頁の大判で美しい「ルーツ・オブ・ヒデヨシ」とも言える作品集に仕上がっています。

●GPSを活用して正確なコースを割り出し、ロードメジャー(回転式距離計)で地点間の距離を計測した登山詳細図。作成・解説・踏査守屋益男/踏査・編集守屋二郎/監修原水章行「六甲山系【東編】」900円 吉備人出版は、六甲山・岩倉山・ロックガーデン・東おたふく山・甲山など全88コース。1:12,500。西編は既刊。ISBN978-4-86069-512-5

●戦前は忠信愛国の家臣として教科書にも載った、美しき孤高の戦国武将の実像に迫ります。藤岡大拙著「山中鹿介−そのひたむきな生きざま」1,500円 ハーベスト出版は、敗れ去った主家尼子家の再興と、奪われた領国出雲奪還のため、孤忠を守った武将の生涯を、あらためて現代に位置付けます。ISBN978-4-86456-249-2

●原爆で奪われた幸せな家族の記憶を後世に伝えます。原著松尾あつゆき。平田周/奈華よしこ画「子らと妻を骨にして」1,500円 書肆侃侃房は、長崎原爆によって妻と3人の子を奪われ、一人残された娘とともに戦後を生きた自由律俳句の家族の物語を漫画で再現。ISBN978-4-86385-272-3。原作本は平田周著「このかなしき空は底ぬけの青−消せない家族の記憶 1945・8・9」1,500円として同じ版元から出ています。ISBN978-4-86385-193-1

●中世ドイツの修道院医学=ヒルデ,ガルドスピリチュアルセラピー。ヴィガート・シュトレーロフ著/畑澤裕子訳/豊泉真知子監修「35の美徳と悪徳 ヒルデガルドの精神療法」2,900円 フレグランスジャーナル社は、心の中の悪徳を美徳に!魂を砕く35の力をボジティブな力へと転換する方法。ISBN978-4-89479-290-6

●敗戦時、満州や朝鮮半島で暴行され妊娠し中絶を希望する女性に超法規的に手術をするために、約一年半開設された施設=「二日市保養所」を冷静に見つめ直し、個人史の集積として記載しています。下川正晴著「忘却の引揚げ史」2,200円 弦書房は、敗戦時の女性の悲劇を誠実に発掘したルポ。ISBN978-4-86329-155-3

●鉄道のロマン、バスの夢…。清水正之著「八王子の電車とバス」1,200円 揺籃社は、甲武鉄道・御陵線・玉南電気鉄道・伊奈バス・高尾自動車など、八王子を走る電車とバスを豊富な写真とともに一挙紹介。ISBN978-4-89708-388-9

●NPO法人書物研究会編/板倉正子監修/野呂聡子ストリー・絵「図書の修理 とらの巻」1,300円 澪標(みおづくし)は、準備編=本の構造、各部の名称、実践編=破れた・外れたページの修理、背表紙の修理、付録=濡れ・カビへの対処、図書修理の基本事項など。修理のための観察記録、作業スペースの確保と準備など。ISBN978-4-86078-371-6

●全10巻で北京に現存する城壁建築の実例、大量の図面と写真を収録して、北京古代城壁建築の歴史、特徴を解説。北京市古代建築研究所著/田中久幾・谷尾詩織訳「北京古代建築文化大系D 城壁編」2,980円 グローバル科学文化出版(中国・北京)が届きました。皇城、北京の内城など42の城壁を取りあげています。ISBN978-4-86516-004-8
同時刊行で「E庭園編」(000-0)「F府邸・宅院編」(006-2)「G陵墓編」(007-9)「H近代建築編」(009-3)「Iその他の文化財建築編」(008-6)各2,980円が出ています。「@橋・搭編」(002-4)「A宮殿編」(001-7)「B寺院・宮観編」(003-1)「C檀廟編」(005-5)は既刊です。


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