トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ


地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター通信 No.1403(2018/02/21)

当社のある市ケ谷・飯田橋には法政大学と東京理科大学がありますが、今年も今週始めから入学試験がはじまりました。4月には、多くの新一年生が入学してくることでしょう。と、同時に業界は採用教科書の季節に入ります。各生協や外商書店から在庫問合せ、価格問合せが増えています。

一緒に野菜を作っている友人は、野菜ばかりの「値上がり報道」に怒っています。ガソリンは連続値上げ、肉だって小麦だって値上がりしているのではないか?と。円安が続く限り当たり前のことだと。農業従事者の減少、ガソリンや石油、肥料等の資材費が下がることは見込めず、野菜の高値は、天候が原因と言い続けることは難しくなるのではないでしょうか。

先日、中国の出版社から、全200巻を超える戦前に作られた「内蒙古外文歴史文献」の復刻版(中国で印刷)の流通を相談されました。価格は100万円を超えるでしょう。かって様々な高額な歴史文献の復刻出版があり、それなりに売れました。しかし、それも20世紀までだったようで、昨今は人文社会学研究者の減少、図書館予算の削減などで厳しくなっています。とともに、外国で出されたこの本も部分的に輸入されたりしているそうで、扱いは難しいようです。更に、図書館や研究室が大量の紙の本を収容することも限界があり、「電子版化」して販売という傾向に移行していると言います。それもCD−ROMなどという物体ではなく、ネット上でということになりつつあるとか? 保存しているコンピュータの永続性に不安はあるものの、これが時代の趨勢と言えるようです。紙の高額本が売れないというのは、つらいものです。

新刊・これから出る本

●<えほん・こどものまつりシリーズ>15作目です。つちだよしはる作「やくそくの『大地踏』(だちふみ)」1,200円 リーブルは、山形県黒川能で長く続けられている王祇祭をあつかったえほん。黒川能最大の祭で、5、6歳の男の子が神の子として舞をまいます。亡くなったおとうさんとの約束を果たす歳になり踊りを舞うことになった「こう太」が主人公です。ISBN978-4-947581-88-4

●ベターホーム協会編刊「いつもの食材で作れる体にいいおかず」1,300円は、便秘・胃腸の不調など10の症状に合せ、栄養学と薬膳、両方の観点から、おすすめの食材を選びそれらを組合わせた”体にいいおかず”72品をレシピで紹介・解説。いつもの食材で、さっと料理が出来て、おいしく食べられます。ISBN978-4-86586-035-1

●今年は、蝦夷地を探査して、アイヌの人権を訴えた幕末の探検家・松浦武四郎の生誕200年になるそうです。山本命著「松浦武四郎入門」1,000円は、三重の月兎舎から。三重の出身で、好奇心と愛と冒険心に満ちた武四郎の生涯を松阪市にある「松浦武四郎記念館」の主任学芸員の著者が著した入門書です。全26枚の東西蝦夷地理山川取調図や、北海道に散在する武四郎碑ガイドも収録。ISBN978-4-907208-12-7

●与那国島生れで祖母の影響をうけてハーブの知識を深め活動を開始して地域特産物ピパーチマイスターの資格も持つ嵩西洋子著「沖縄八重山発 南の島のハーブ」2,300円 南山舎は、337種の島のハーブを植物画と写真を交えて紹介。現代風のレシピ、昔の活用法、方言やコラムも。学名・科名も記載している美しい本です。ISBN978-4-901427-43-2

●岩田書院から2002年に出た、埼玉の城跡を網羅して決定本という評価のある「城郭史料集成 中世北武蔵の城」に新発見、新論、新解釈などを交えた、リニュアール版。梅沢太久夫著「埼玉の城−127城の歴史と縄張」2,500円 まつやま書房は、現在の遺構状況も詳細に調べられています。ISBN978-4-89623-109-0

●赤穂浪士の唯一の生き残りである寺坂吉衛門を主人公として、赤穂事件のその後を描き、登場人物の来歴や時代考証を交えた時代小説。佐々木衛著「石州法正寺坂の決闘 上巻・下巻」各1,728円は、島根県松江のハーベスト出版から。大石内蔵助の密命を果たすべく幕府に狙われながら苛酷な旅を続け、武士の矜持と人情のはざまで苦難を乗り越えていく。ISBN978-4-86456-252-2

●全国・全世界に90ケ所の支部が勝手につくられているそうです。ウクレレYouTuberGAZZ著「ガズレレ歌本 vol.3」926円 豊作パブリッシングは、ウクレレ初心者に向けた手書きの歌本の第三弾。銀河鉄道999、アンパンマンのマーチなど53曲収録。ISBN978-4-9909522-4-2

●東京芸大卒で鉄の芸術家と言われる阿倍守の40年間の製作活動を凝縮した一冊。阿守著「鉄を鍛(たた)く」2,000円 石風社は、暗闇の中に希望を見出すために鉄を鍛きつづけるところから生み出された作品群を。ISBN978-4-88344-279-9

●重たい作品です。作家・山口泉著「重力の帝国−”ポスト3.11「文学」”の極北」2,000円 オーロラ自由アトリエは、世界を腐蝕する”ポスト3.11ファシズム”の底に結晶した思考の極北を示す、言葉の交響楽。「破局以後」の時代を痛切に照射する黙示録と言います。ISBN978-4-900245-17-4

●福岡で30年愛され続けているスリランカレストラン「ヌワラエリヤ」「ツナパハ」の人気料理のレシピ集。前田庸著「ツナパハ・ヌワラエリヤ スリランカカリーをつくろう」1,600円 書肆侃侃房は、スパイスといつもの素材で簡単に本場の味がつくれます。ISBN978-4-86385-302-7


本のご注文について

★一般読者へ。できましたら最寄の書店でご注文ください。その際、書誌名・発行所とともに「地方・小扱いです」と書店員の方に告げてください。またネット書店でも扱っている場合があります。
お急ぎの方は当社でもご注文をお受けします。コチラをご覧になりFAXにてご注文ください。
★書店様へ。当センター扱い商品は「注文制」です。お取引取次店へご注文いただくか、弊社ファックス(03−3235−6182)にて、帳合・取次・番線・書店コードを明記の上、ご発注ください。よろしくお願いします。

トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ