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地方・小出版流通センター あなたはこの本を知っていますか

地方・小出版流通センター通信 No.1410(2018/08/01)

今年も原爆記念日、終戦記念日がやってきます。例年になく酷暑の夏で倒れる方、豪雨被害で西日本は、きびしい夏を迎えています。山崩れの多発によって、そこに棲んでいた野生鳥獣が民家周辺に出没し、作物被害も拡大していると豪雨被害地で農業をやっている友人はメールくれました。

原爆記念日に向けて、長崎の日本原水爆被害者団体協議会代表委員を努めた、故・谷口稜曄(すみてる)さんを描いたピーター・タウンゼント著 中里重恭訳/海渡千佳監修「ナガサキの郵便配達」809円(ISBN978-4-915743-16-0) スーパーエディションが刊行されます。本書は、長崎で郵便配達中に被曝し重傷を負いながら奇跡的に生き延びて、生涯を捧げて国内、国外で核廃絶を訴え続けた谷口さんの体験をもとに書かれたドキュメンタリーで、教科書にも載っていました。著者のイギリス人タウンゼントは、英空軍パイロットとして参戦、戦後ジャーナリストとして戦争の犠牲となった子どもたちを描いた本などを多く執筆しましたが、谷口さんの半生と被曝前後の長崎の町を綿密に取材して、この本を書きました。本書は1984年に英語とフランス語で出版され、日本では早川書房から9章分短いフランス語版の邦訳が出ましたが絶版となっていました。今回は英語版からの「完全訳」です。

この谷口さんの体験を映画化することも決まっています。タウンゼント氏の娘で世界的トップモデルのイザベル・タウンゼントさんが父の取材先の長崎などの足跡をたどり、父からのメッセージを繙いていくという設定で、監督と脚本は川瀬美香さんで2019年完成予定とのことです。

最近、「ローカルメディア」とか「ローカル出版」という概念が新鮮味をもって語られるようになっています。「地方」というより「地域」「地元」というニュアンスでしょうか。日本語では代表として「ローカル鉄道」というように中央に対する「地方」=「田舎」という意味で「ローカル」が使われていましたが、最近の「ローカル」はちょっと異なるようです。「ローカルメディア」というと、地域からの発信という意味も含むのですが、地域内のコミュニケーション、世代間のコミュニケーションということが重視されているようです。それには地域に住んでいる人々だけでなく、他地域からの参入者の創るメディアも含む多様性を持つようです。アメリカでは、「ローカリズムとは、権力は、地域社会や市・州レベルで行使されるべきという考え方であり、物事の進め方として重要となってきている」(デビット・ブルックス、ニューヨークタイムスコラムニスト=朝日新聞)と言います。日本でも同じことが共通認識として持たれれば、ローカルメディアは本物になりそうな期待があります。しかし、アメリカ以上に中央集権化が強い日本社会では、困難さが伴うように思います。そして、市町村合併による地域主義の希薄化がそれに拍車をかけているのではないでしょうか。地域主義は、昔の部落とか村単位から出発することが肝要のように思いますが、どうでしょうか?

◆8月中旬のお盆休暇は、取次店やトラック輸送がお休みします。8月13日(月)〜15日(水)の3日間、休みます。

新刊・これから出る本

●会津磐梯町の石仏で最も多い、馬頭観音にまつわる大蛇と龍のふしぎなお話。この絵本の原作は会津の昔話です。澤田聖子文/澤田修絵「黄金の駒−切り絵の絵本」1,300円は、福岡の石風社から。ある時ひとりの若者が、大沼で大蛇に乗った美しい娘に会った。若者は娘の頼みで備前まで旅に出る。そこで待っていたたのは、龍に乗った美しい少年。若者は、思いがけない富を得るのだが…。ISBN978-4-88344-282-9

●東京子ども図書館刊の<レクチャーブックシリーズ-お話入門>3巻。松岡享子著「おぼえること」800円がでました。お話のおぼえ方の基本等をくわしく解説しています。編集者・定村質士による松岡享子さんへのインタビュー「お話というう世界」を収録。ISBN978-4-88569-189-8

●出版論を長く展開してこられ、今年、亡くなった上智大学教授でもあり、出版情報紙「読書人」編集長も長く務めた・植田康夫さんの最終講義「出版の過去・現在・未来」を収録した、植田康夫著「知の創生と編集者の冒険」1,500円が出版メディアパルから出ます。第1章 エディターシップによる[知」の創生、第2章「出版者」の誕生と冒険-近代出版が歩んだ道、第3章 出版学会と出版研究の構成です。ISBN978-4-902251-34-0

●朝鮮取材40回に及ぶフォトジャーナリスト=伊藤孝司が明すマスメディアが決して伝えない事実。伊藤孝司著「朝鮮民主主義人民共和国-米国との対決と核・ミサイル開発の理由」1,200円は一葉社から。朝鮮を理解するためには、長い歴史から捉える必要があると力説します。ISBN978-4-87196-073-1

●日本の近代化を牽引してきた岡山ゆかりの蘭学者にスポットをあてて、その業績や最新の研究成果を紹介しつつ、いまの課題をも提起します。公益財団法人 山陽放送学術文化財団編「岡山蘭学の群像3」1,600円 吉備人出版は、華岡流医術に挑んだ医師たち/シーボルトになろうとした男たち/江戸のエレキテル・マン平賀源内/近代日本を拓いた蘭学者たちなど。ISBN78-4-86069-553-8

●防衛技術協会の刊行する<新・兵器と防衛技術シリーズ全4巻>の4回目の配本は、「防衛ジャーナル」編集部編「艦艇装備&先端装備の最新技術」2,700円です。艦艇システム技術/艦艇航走技術/艦艇探知技術/モデリ,ング&シュミレーション技術/先進装備技術。ISBN978-4-908802-26-3

●埼玉の片隅でこだわりの「国産で有機」な製品づくりに挑戦しつづける「ヤマキ醸造」のオーガニックライフ追求書。角掛康弘著「元商社マンが辿りついた 有機農業ものづくり」1,500円 まつやま書房は、早くから有機野菜を活かした製品づくりに取り組んできた企業に転職した商社マンがその取り組みを饒舌に語り、健康生活を懸念する読者に訴えます。ISBN78-4-89623-116-8


本のご注文について

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地方・小出版流通センター取扱図書目録休刊のお知らせ

毎年春に刊行してまいりました地方・小出版流通センター取扱図書目録【あなたはこの本を知っていますか】は、このNo.30をもちまして休刊となりました。今後は月刊情報誌【アクセス】や当ホームページ等で取引出版社刊行図書の情報提供に努めてまいります。今後ともよろしくお願いいたします。(2015/06/04更新)

目録画像

「あなたはこの本を知っていますか−NO.30」(A5版・248頁・定価:本体700円+税 ISBN978-4-8123-0523-2)

本目録には2013年1月から12月までに刊行された新刊、およびこの期間に地方・小出版流通センターと新規に取引を開始した出版社の在庫のある刊行図書を収録しています。

収録点数は「地方・小出版流通センター扱い」の書籍434社2,803点、雑誌92社544点を収録しています。データの漏れを防ぐため各出版社に問い合わせ、データの追加登録をしています。どうぞご利用ください。

目録の構成(目次)

  1. はじめに(出版界の現況、地方・小出版の現況、これからの課題)
  2. 目録の使い方
  3. 五十音出版社目次
  4. 五十音雑誌出版社目次
  5. 地域別出版社目次
  6. 広告目次
  7. 書籍目録(地方・小出版流通センター扱い)
  8. 雑誌目録(地方・小出版流通センター扱い)
  9. 書名索引
  10. 広告
  11. 出版社名簿(地方・小出版流通センター扱い)

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