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地方・小出版流通センター あなたはこの本を知っていますか

地方・小出版流通センター通信 No.1425(2019/07/17)

蒸暑くなったり、涼しくなったり、大雨が降ったりと不順な日々が続きます。参議院選挙がはじまり、消費税のアップはどうなるのか? それでなくとも、冷え込んでいる出版物売上げは更にひどくなりそうな気配です。

〜この店の特徴は 売り場のど真ん中に中央平台が据えられ それが突き当りまで どーんと延長されていることである。もちろん こんな書店は全国津々浦々に存在しているであろうことは容易に推察できる。しかし その平台の使い方が この書店の魅力を かなり大きく 私たちに見せているところが 面白い。その平台は文庫から始まり 児童書や婦人用の趣味の本 新書や文芸 ビジネス 人文 理系の本でも面白い表紙のものやら 子供向けにでも編集されたのかと見まがうようなものまでが とにかく一見 乱雑にしかし 巧みに顧客の興味を飽きさせないままで 店の最深部まで導引していく工夫がなされている。
しかも それは 固定された観念ではなく おそらくは その時 その時の売り場主任の頭と手足をふんだんに駆使して導き出された まるで人の頭脳そのもののような世界観が そこにある。そこにきっと 顧客の誰もが惹かれるのでは・・・と思わざるをえない。どこかの大型店舗のように 文芸の新刊はここ 文庫はこちら・・・とばかりに いわゆる縦割り世界から解放されることのない既視感に覆われた店舗とは 一味も二味も違う魅力が そこには漂い続けている。〜

この話をこの秋に開店する台湾系の本屋さんの開店準備をしている方に話したら、「こんな本屋さんにしてゆきたい」とおっしゃっていました。いま書店に求められているのは、どの国でも同じなのでしょうか?

新刊・これから出る本

真実のみを記録する会編・著「π 円周率0x100000桁表」324円 暗黒通信団は、円周率を16進級数で書いた数表です。乱数表として使用可能するには、任意の頁を開き、目を閉じ針を投げ針先の数字を読んで使います。ISBN978-4-87310-324-2

●近世から近代へ、激動の時代を生きた歴史が今も生きづく山形県鶴岡。高瀬雅弘著「人と建物がひらく街の記憶−山形県鶴岡市を訪ねて(2)」3,500円 弘前大学出版会は、絵葉書や古写真を多く収め現在の姿と対比しながら、街の移り変りを探ります。三井家蔵屋敷、阿倍久書店、松ケ岡開墾場など。ISBN978-4-907192-71-6

●不真面目な批評家によるフェミニスト批判入門の書だそうです。北村紗衣著「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」1,500円 書肆侃侃房は、ワンダーウーマン等多くの映画・演劇をフェミニストの視点で読み解くと、こんなに面白いと説きます。人気ウェイブサイト「wezzy」の連載の書籍化。ISBN978-4-86385-365-2

●中国古典の知恵に学ぶ。転換期における中国社会のいまを読み解けます。人民日報社海外版「学習チーム」著、室上大樹他訳「平天下−中国古典政治智慧」2,980円 グローバル科学文化出版は、中国古典から130余の古書名句を整理して、『礼記・大学』で示された修身、斉家、治国、平天下の4編に分けたもの。ISBN978-4-86516-028-4

●池田鉄道、木曽森林鉄道など廃線を含む、信州の大小の鉄道。白土貞夫著「信州の鉄道絵葉書帖」1,500円 しなのき書房は、183点に及ぶ初公開を含む、なつかしい往時の絵葉書で長野の鉄道を第一人者による解説とともに回顧する企画です。ISBN978-4-903002-59-0

●新規加入版元、行舟文化の新刊。名探偵オーウェンが挑む、謎が謎を呼ぶ怪事件ミステリー。ポール・アルテ著/平岡敦訳「金時計」1,600円は、魅力的な小道具を通じて、80年の時を隔てた「過去」と「現在」が奇妙に呼応する、アルテ・ミステリーの新境地。ISBN978-4-909735-01-0

●この本は「物理」する勇気と挑戦の方法を教てくれた〜と読者が感激して長く愛されている物理初心者にもわかる本。1991年発刊以来、大学などの教科書・参考書として採用されてきたロングセラーの新装改訂版です。トランスナショナルカレッジオブブックス編「量子力学の冒険」3,700円は、言語交流研究所・ヒッポファミリークラブ刊。ISBN978-4-906519-16-3

●品切れでしたが再版出来。茗荷さくら著「科学の黒歴史」250円 暗黒通信団は、歴史的に評価が定まりつつある、科学による悲惨な結果ををもたらすもの、人道上問題の多いものを挙げる。物理学、化学、生物学・医学、宇宙科学と分けて取上げます。ISBN978-4-87310-162-0

●いまも多くの読者を持つ児童文学作家・新美南吉作の物語に、西條由起夫が絵を描いた新作の絵本です。平成30年開催の新美南吉絵本大賞(おとなの部)で優秀賞受賞しました。「子どものすきな神さま」1,300円 サンライズ出版は、<雪の降った翌朝、子どもたちと遊ぼうと野っ原にやってきた神さま。いっしよに雪の上に顔を押し当ててしまったら、子どもたちにつかまりそうに…>ISBN978-4-88325-662-4


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