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地方・小出版流通センター通信 No.1441(2020/09/03)

お盆休みの最中、新型コロナの感染は増え続け、不安な日々を過ごさざる得ませんでした。そんな酷暑の夏が過ぎようとしています。東京をはじめ、本土の都市部の感染者が沖縄に行って、感染者の急増をもたらしている現状は言葉にし難い矛盾を感じます。今後も観光が大きな産業でしか在り得ない沖縄の宿命なのでしょうか?

人と人が直接会って交流し、社会を創ってゆく自由さが無くなりつつあるこの五ケ月余りで、その大切さを皆さん痛感しているのではないでしょうか。マスクで相手の表情が伺えないというのもなんとも寂しい限りです。

このコロナ禍で「エッセンシャルワーカー」という言葉をよく聞くようになりました。現業従事者とでも言うのでしょうか、代表的には、医療・保育・介護従事者などを指すようですが、生産・流通・小売り・飲食関係者だってその部類のように思います。在宅ワークはほぼ無理でしょう。当社は現業企業ですので、リモートワークなどは出来ず、毎日出社して発注・出荷作業をしています。

批評家の東浩紀氏が、朝日新聞紙上のインタビュー「新型コロナ 生き延びる命とは!」で、イタリアの哲学者アガンベンの、コロナがはじまって以降の「生き延びること以外、価値を持たない社会になっていいのか?」という主張の妥当性について語っています。「ウイルス危機を口実にして権力の行使が強化されていることに警戒すべきだ」と。

人類が創りだしてきたこのボーダレスな国際分業から、恐らく現代社会は逃れることは出来ないでしょう。食料を作る肥料や器材にしても、自国のみで調達は不可能です。凡ゆる生活材は、世界的分業の中から生れざる得ません。そしてそれには、人々の移動の自由が絶対条件です。江戸時代のような鎖国状態には戻れないと思います。いままで人類が獲得してきた自由を大切にしつつ、まだ完全には解明されず、感染力がしつこい、このウイルスと、つき合ってゆくしかないように思います。

新刊・これから出る本

●団塊の世代以後の時代、伝統的な葬儀や法要を営む余裕のない世界がこようとしています。桜井義秀著「これからの仏教 葬儀レス社会」2,300円 興山舎は、誰もが百年を生きる時代の生とは死とは何かを仏教が予見します。少子高齢化への対応が社会問題であった平成の時代が終り、高齢多死社会化への対応が迫られる令和の時代、寺檀制度を支える団塊以後の世代を失えば、「寺院レス」時代に突入します。僧侶は生きて行けるのか?また死者の弔いはどうなるのか?重層的に考察しています。ISBN978-4-908027-88-8

●平和教育の観点から、秋田県内に残る戦争遺跡にスポットをあて、49ケ所を紹介。秋田県戦争遺跡研究会編「秋田県の戦争遺跡−次世代を担うあなたへ」1,500円 秋田文化出版社は、語り継ぎたい県内各地の遺跡を、訪問に役立つ地図・写真豊富に掲載。ISBN978-4-87022-590-9

●西南戦争で西郷軍に参加した宮崎南端部にあった小藩=飫肥(おび)の若者たちの戦い。飫肥藩家老・平部きょう南の残した二つの日記「六燐荘日誌」「きょう南日誌」を頼りに追ってゆきます。河野富士夫著「西南戦争と飫肥隊−平部きょう南の二つの日誌を読み解く」2,000円 鉱脈社は、明治維新の幕末後期の西南戦争までを、宮崎の小藩の若者たちを主人公に描きます。ISBN978-4-86061-764-6

●朝日新聞で政治部長などを務めた老記者が書き残す、「戦争が仕組まれ、あの惨劇を残すまで」を回想。戦前・戦後の体験を綴った執念の記。羽原清雅著「日本の戦争を報道はどう伝えたか」1,900円 書肆侃侃房は、敗戦時の混迷・外地での出来事、個人としての戦争への思い、戦争遂行、メディアの責任など12章からなります。ISBN978-4-86385-410-9

●東北で移民の一番の多かった福島。その足跡を辿る。紺野滋著「知られざる福島移民−キューバ・ハワイ・ペルー・カナダ」1,600円 歴史春秋社は、キューバ  移民の家族を尋ねて、移民の礎ハワイ、廃日とペルー移民、カナダ義勇兵の4章。それぞれの地を尋ねてその労苦を克明に述べています。ISBN978-4-89757-973-3

●丸山眞男・柳田国男・竹内好らの思想に学んだ橋川の後半生。その<あたたかい思想>はどうやって生れたか? 宮嶋繁明著「橋川文三 野戦攻城の思想」2,400円 弦書房は、橋川が有名な「日本浪曼派批判序説」を書きはじめる1958年から没する1983年までを描く。2014年刊行の「橋川文三 日本浪曼派の精神」の続編となります。橋川の後半生、主に著述家、研究者としての側面にスポットをあてています。ISBN978-4-86329-211-6

●暗黒通信団の新刊は朝倉幹晴著「ウイルスと遺伝子」500円です。ウイルスが細胞の中でどうやって遺伝子を複製するかに焦点を当てています。新型コロナウイルスも出てきます。著者は東大農学部卒の日本分子生物学会会員。ISBN978-4-87310-245-0


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