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地方・小出版流通センター通信 No.1455(2021/08/27)

ニコリ書影 新聞等で報じられているので既知かも知れませんが、創刊以来取り扱っている、パズル雑誌「ニコリ」を発行しているニコリの創業者であり社長であった鍛冶真紀氏が若くして亡くなりました。69歳、癌でした。

当時パズルというのは日本では全く新しい遊びで、市民権も薄かったのですが、ニコリ創刊とともにファンは増えていきました。当時は方丈社書店の雑誌「クロスワードマガジン」と、魔法塵(まほうじん、後に「(株)ニコリ」と社名変更)の雑誌「ニコリ」しかありませんでした。両方とも直販雑誌で季刊でした。雑誌「ニコリ」は、一応季刊でしたが、実際は不定期で、並んだ時が発売日ということで、読者を惑わせていました。大きさを変えて月刊になったこともありましたが、また季刊に戻りました。ニコリが続いてきたのは、そのレベルの高さとマニア受けする手づくり感ではなかったかと思います。コンピュータでも作れるのですが、あえてそれに背を向けてまで作ってきたことで「ニコリスト」という熱い、強固なファン(読者)を作ってこれたのだと思います。

アメリカの「ナンバープレイス」というパズルを参考に鍛冶さんが独自のネーミングをした「数独」(すうどく)が、イギリスで爆発的に広がり、米国や世界100ケ国余で新聞や雑誌に掲載されています。「数独」が有名になりましたが、その前から「ペンパ本」(=ペンシルパズル本)という、新書判の各種のパズル本を多種類出しています。また、東日本大震災で被災した大槌町の老人施設の支援者との交わりで、高齢者向けの(認知症防止に役立つとともに楽しめる)「じいじいとばあばあ ようこそ数独!」が考案、刊行され役立っています。ニコリは、鍛冶さんの遺志を継いで安福新社長以下社員一同これからもユニークで楽しいパズルを作り続けるとの挨拶が届いています。

新刊・これから出る本

●時に禍々(まがまが)しく、時に破壊的である思索を語る山口泉著「死の国からも、なお、語られ得る「希望」はあるか?」1,500円 オーロラ自由アトリエは、山口の黙示録的テキスト3篇と、命と光そのものの絵画全80点。日本語・朝鮮語・英語、3言語の併記。東京電力福島第一原発事故を経て、ウイルス禍まで欺瞞に満ちた「棄民」の国・日本から、世界に向けて。ISBN978-4-900245-19-8

●森の学校に転校してきた、おおかみの<ロウロウ>。みんなに怖がられていつも一人ぼっち。「どうすればともだちができるかな。」作/うえのよし 絵/さとうのぶこ「ともだち?」1,200円 リーブルは、低学年から高学年向きの<こころにのこるおはなし>。ISBN978-4-910310-02-2

●マッチが伝える昭和の息吹。和田由美編「さっぽろ燐寸(マッチ)ラベルグラフティー」2,000円 亜璃西社は、大正から昭和30年頃までの札幌で使われたマッチラベル1,200枚をジャンル別にオールカラーで編集。「コージーコーナー」の記憶、<燐寸歴史夜話>国産燐寸の父・清水誠と新燧社など昔日を語るコラムも味を添える。ISBN978-4-906740-48-2

●李斗暎著 舘野晢訳「韓国の出版が歩んだ道」2,400円 出版メディアパルは、1945年から2010年までの韓国出版の歩み。図書・雑誌・教科書・電子出版を網羅。産業過程史、社会・経済発展との関係、デジタル革命に至る出版技術発達史。ISBN978-4-902251-59-3

●明治の文豪の新たな一面を示していきます。増田育雄著「『残雪』脱却への旅」1,800円 まつやま書房は、埼玉県妻沼の割烹千代桝を舞台にした田山花袋の後期の名著の文学上の葛藤、女との愛欲の苦悩、脱却願望を丹念に分析しています。ISBN978-4-89623-162-5

●西山卯三記念すまい・まちづくり文庫の<人と住まい文庫シリーズvol.8/VOL.9>の新刊が2点出ます。vol.9として中野茂夫・尾崎せい子著「モデル・コミュニティ〜コミュニテイづくりの原点を探る〜」1,000円、我が国のコミュニティづくりの原点といわれる、1971年から3年間、自治省が実施した施策の実像を描きます。521地区、2528市町村に浸透した施策です。ISBN978-4-909395-07-8
もう一点、VOL.8は大島祥子著「ストック活用型不動産事業こそ、地域密着!〜京都の事例から学ぶ」1,000円です。新築の供給だでなく、住宅ストック=既存住宅を活用する環境を整備することが購入者を増やすことに繋がり、それを実現するために大きな役割を果たす中小の不動産事業者の役割に注目した実例レポート。ISBN978-4-909395-07-8

●サブタイトルは<ペストの闇から生れた中世の光>。石川達夫著「チェコ・ゴシックの輝き」3,000円 成文社は、ペストのパンデミックが猛威を振るった、カレル四世と息子ヴァーツラフ四世の時代に築かれたプラハとチェコのヨーロッパのゴシック文化の建築・美術のみならず文学・音楽をも含めたを全体像描きます。ISBN978-4-86520-056-0

●無宿者・あぶれ者的集団から突如、大学者、大思想家に登りつめた篤胤の相転移的(液体が気体に変わるような)人生を、世相、風俗、時代精神から読み解きます。渡部由輝著「平田篤胤−その思想と人生」1,800円は秋田の無明舎出版から。ISBN978-4-89544-668-6

●驚くほど多種類の動植物がいて、固有種、絶滅危惧種だらけの島の自然を、奄美に住む写真家と朝日新聞の記者が案内します。常田守・外尾誠著「奄美の自然入門」1,800円南方新社は、新たに世界自然遺産の島として注目を集める奄美群島紹介本の決定版。ISBN978-4-86124-453-7

●著者長年の<賢治研究のエッセンス>。栗原敦著「宮沢賢治探究 上・下」各3,500円蒼丘書林は、上巻は賢治の人と作品の基底をなす思想と信仰に関する論考、下巻は表現過程論の提示、童話・詩作品を中心とする論考から成ります。周辺資料探索等を収録。ISBN978-4-915442-03-2


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