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地方・小出版流通センター通信 No.1459(2021/11/22)

朝日新聞紙上で田玉論説委員が、NHKが北海道のローカル放送枠の再編を検討しており、いままで5分のローカルニュース放送枠を15分に拡大する代わりに、室蘭、北見、釧路の3ブッロックの区割りを減らし、札幌、旭川、函館、帯広の4局体制で放送することになりそうだということを報じていす。旭川と同じブロックとなる地域の自治体幹部の言う「結局は人口の多い旭川周辺の話題がふえて、減らされた地域の情報は薄められてしまうのでは」という心配は納得できます。そして全国的に耐えうる情報だけが選別され、地域のニュースは減らされる体制が拡大してゆくのでしょう。公共放送のNHKに先立ち、新聞メディアでは地域紙の夕刊廃止や全国紙の夕刊宅配縮小が進んでいます。地域発の情報が縮小され、その地が持っている豊かで独自の文化が貧困になっていくことは止めようもないようです。

書影 たまに全国紙の夕刊の一面に大きく報じられる本があります。先日(11月22日・火曜日)の朝日新聞夕刊のペシャワール会の中村哲さんのアフガニスタンでの活動を撮った写真集の記事もそれでした。中村医師と現地で5年間一緒に活動した、中山博喜氏の撮影した6千枚の写真から60点を選びまとめられた「写真集 水を招く」2700円(978-4-86541-138-6)赤々舎刊の場合、翌日から多くの問い合せが入りました。夕刊でこれほど反響があることは驚きました。

書影 この4月に亡くなった作家・立花隆さんは原爆で崩壊した長崎医科大学病院で生れました。長崎に2年住んだ後に父親の仕事の関係で北京へ。そこで終戦を迎えて引揚げて水戸に住みました。死ぬまで生れた町・長崎との関係は大事にしていて、頻繁に訪れています。長崎文献社編・刊「立花隆 長崎を語る」1,300円(978-4-88851-366-1)は、生れた地との関わり合いを編んだ企画。講演録「立花隆 長崎を語る」は立花さんの長崎に関わる講演と著述を収録するととともに、「私の会った立花隆の実像」として吉田文彦・長崎大学核兵器廃絶研究センター長はじめ長崎で知り合った4氏の立花隆像、そして「立花隆の家族史 ルーツを長崎に求める理由」は地元、長崎との思いが伝わります。

新刊・これから出る本

●恐竜の化石が相次いで発見されている長崎市が開館させた博物館の総合ガイド。長崎市恐竜博物館ガイドブック編集委員会著「長崎市恐竜博物館ガイドブック」1,200円 長崎新聞社編・刊は、最新恐竜図鑑、現代の恐竜たち、恐竜もの知りQ&Aなど。最強の恐竜ティラノサウルスはじめ多くの標本が展示されており、46億年の地球の歴史、人類に繋がる進化の神秘が感じられる施設の全容を案内。ISBN978-4-86650-019-5

●東京オリンピクを批判的に総括します。岡崎満義・杉山茂・上柿和生編「東京2020─オリンピック挽歌」1,200円 創文企画は、東京5輪の批判的検討がもりだくさんです。コロナが暴いたオリンピックの虚構、アスリートファーストという虚言とアスリートの現実、などスポーツ報道に関わるジャーナリストが健筆を展開しています。ISBN978-4-86413-151-3

●画家 安野光雅さんの人と仕事を語った想い出の記!追悼集。「絵の旅人 安野光雅」2,000円 ブックグローブ社編刊は、親交のあった人々の寄稿と安野さん残した文章と年譜。亀井哲次郎<安野先生の「数学世界」を探るために>、パトリシア・リー・ゴーチ−<アン女史との友情を大切に>、宮坂元昭和<コツコツたたくペンの音>など。ISBN978-4-938624-28-6

田中光四郎著「あるがまま なすがまま」2,000円 アジア新聞社は、1985年以来6年間にわたり現地人とともにアフガンで侵攻したソ連軍と戦った日本人武道家・田中光四郎氏の足跡と現地で詠んだ短歌集を収録した本。当時の写真や短歌への解説、「中村哲氏の死」「アフガンゲリラと自由への戦い」を収録。ISBN978-4-9911961-1-9

●漱石門下で特に面白いエビソードを持つ四国出身の弧高の俳人・松根東洋城の生涯。中村英利子著「渋柿の木の下で」1,600円 アトラス出版は、妻も家も持たず生き徘諧人生を全うした生きざまを、同郷の著者が調べあげてました。夢中になって作りつづけた俳句とは?答えて曰く「渋柿の如きものにては候へど」。ISBN978-4-906885-42-8

●新規にプロモビスという出版社を扱います。釣り関係でアートな本を出す出版社です。現在出ているのは柴野邦彦著「水辺の写生帖−釣りときどきスケッチ」2,500円。釣りや釣り場所のスケッチに配された酒脱なエッセイ。魚が跳ねた、フェザント・テール等がテーマ。ISBN978-4-9912254-0-6。もう一点も同じ著者で「水彩画集 釣人たち」2,000円、「森の中の川は哲学者のようただ/ひっそりと流れながらたくさんのことを考えている」そんな釣り人の胸中が浮ぶ水彩画の数々。ISBN978-4-9912254-1-3

●1942年生れの著者は秋田での長年の教壇生活の中で著作(小説・俳句・歌)も多く発表してきました。柴山芳隆著「お二階の人」1,500円 秋田文化出版社は、年をとって認知症の妻の介護に明け暮れし、喪失感と疲労感に苛まれる日々を描きます。体験をもとに心の「病み」と「闇」を描く長編小説。ISBN978-4-87022-600-5

●「熱風や眼(まなこ)ひらけば全身火」は広島を題材とした句。朝日俳壇の選者でもある長谷川櫂さんの第17句集「太陽の門」2000円 青磁社から。2018年から20年までの466句を収録。広島・沖縄・福島の「無念」を詠んだ句、皮膚がん手術を経験してより深く命を見つめた句の数々。ISBN978-4-86198-510-2

●先日99歳で亡くなった瀬戸内寂聴さんの著作の在庫問合せが多くあります。2017年に初版の出た、第一句集「ひとり 句集」2000円 深夜叢書社は在庫あります。自らの孤独を見つめ、明滅するいのちの不思議にこころ震わせる待望の句集。第6回星野立子賞受賞。「露と身と逝きし人」他7編のエッセイ収録。ISBN978-4-88032439-5


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