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地方・小出版流通センター通信 No.1463(2022/02/09)

子ども文庫の会を創設し、1980年から「季刊子どもと本」を刊行し、こどもの読書の普及に50年に渡って尽力した山本まつよさんが、昨年11月に亡くなりました。享年98歳でした。

書影「季刊子どもと本」は、この1月に出た号で168号となっています。他に幾つかの単行本を出しています。山本さんで記憶に残るのは、ヘレン・バナマン著の絵本「チビクロサンボ」が黒人差別だということで、岩波書店をはじめ絶版にした事件です。山本さんはこの動きに抗して、新たに、山本まつよ訳/阪西明子絵/戸田ツトム造本装幀で「ブラック・サンボくん」と名付けて、89年8月に刊行し一石を投じました。私どもにも抗議の手紙などがありましたが、注文扱いで流通させました。

山本さんは、「季刊子どもと本」の創刊号で、「なぜ子どもが絵本を読むのか?子どもは何よりも、生きる力を求めて絵本を読むのです。それは、生きるために食事をするのと全く同じことです。一方は生きる心のため、もう一方は生きる体のためです。心が生きる、ということの第一は、安心できること。第二は生きていることを楽しめること。第三は困難に出会っても、それを乗り越えられると信じること。第四は人を愛することができることでしょう。…子どもの生きる努力を、誠実に支えるのがすぐれた絵本です。」と述べ、子ども文庫の会の活動に一生をささげられ、生涯を閉じられました。子ども文庫の会は、現発行人の青木祥子さんはじめスタッフの方々によって続いてまいります。

新刊・これから出る本

●ノーベル文学賞受賞者であり20世紀を代表する偉大な作家は極度の不安に苛まれる。そこからの自己治癒への道程をたどる精神分析の書。細川清著「ヘルマン・ヘッセの精神史」2,000円 吉備人出版は、世界情勢にしろ家庭の周辺にしろ温床は存在せず、ヘッセの心性に極度の精神不安状態をもたらす。そこから自己治癒までをまとめ、病克服の支えとなった創作への情熱を追求し、癒しという視点で作品分析を試みます。ISBN978-4-86069-672-6

●2012年に発見された、霊鳥類学のパイオニア川村のノート。そこには1950年代の屋久島の猟師たちの生き生きとした有様が記録されていた。著者はノート全文を翻刻し、詳細な解説を加え、さらに猟師の後継者らにインタビューしました。服部志帆編著「霊長類学者・川村俊蔵のフィールドノート」3,800円 南方新社は、9年の歳月を経て刊行となった待望の書。ISBN978-4-86124-459-9

●WEBアプリケーション作成のツールで難しく、落伍者の多い便利なPHPフレームワークのインストールから作成までの手順を丁寧に記載した学習書。佐藤浩著「実践 Laravel WEBアプリケーション開発」3,500円 パルフ出版は、入門者に最適です。DLできるサンプルコード付き。RockyLinux8・Laravel8対応。ISBN978-4-9905443-4-8

●出身地・大阪西成区の後輩たちにメッセージを送りたいという著作。阿倍孝次著「西成の少年」2,000円 編集工房ノアは、西成に生れ、スペイン語を学び新聞記者として生きた30代から50代の生活体験を元に書いた短編とブラジルの作家エリコ・ヴェリッシモの代表作「野の百合を見よ」の抄訳を収録する。事件と日々の夢、内外の風景を11編に。ISBN978-4-89271-352-1

●新中国考古学研究の主要な指導者・中国現代考古学の創始者の一人である、夏だい著、李宇玲(り・うれい)訳/宮山昌治監訳「シルクロード考古学研究」4,200円 グローバル科学文化出版はシルクロード・セラミックロードにまつわる数々の謎を解く珠玉の論集。中国古代文化交流史を実証的な研究法で解明しています。ISBN978-4-86516-067-3

●1969年から70年にかけて全国の小学校を自転車で訪ね子どもたちが描いた絵を集めた奇特な青年がいました。一年後には約120の小学校から約500が届きました。鈴木浩著「小学生が描いた昭和の日本」2,500円 石風社は、あの激動の時代、子どもたちはなにを見ていたのか?が分ります。地域の自然や風景、人々の生活や働く姿、学校生活の様子などが伝わる画集です。ISBN978-4-88344-310-9

ジュリアン・バーナード著/谷口みよ子訳「バッチフラワーエッセンス 水のパターン」2,200円 フレグランスジャーナル社は、水に刻印された花の情報パターンが人間の精神に伝達されるプロセス「受動的力場」について、様々な神秘的な建築物、芸術、シンボルを例にあげて解説します。著者はよく「エネルギー」で語られるフラワーエッセンスとは異なり、別のパラダイムとしての「情報」を提示。ISBN978-4-89479-315-6

●白寿で昨年亡くなった長崎学(郷土史)の権威=越中哲也氏を追悼し鎮魂する本。長崎文献社編集部編「ありがとう越中さん」1,200円 長崎文献社は、50回にわたる長崎新聞で続けられた聞き書き連載とゆかりある人々の証言、そして娘さんの「はじめて明かす家族像」を加えて一冊に。長崎学の継承、発展に尽力し、ユーモアあふれる人柄で、テレビ出演なども多く、お茶の間でも人気だった。ISBN978-4-88851-368-5


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