トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ

地方・小出版流通センター あなたはこの本を知っていますか

地方・小出版流通センター通信 No.1484(2023/04/13)

書影 奈良敏行+田中淳一郎共著「街の本屋はねむらない」1,200円(1997年 アルメディア刊)という本があります。リードに<地域社会って何なのか、その中に活きる街(町)の普通の本屋って何なのか──二十一世紀に必ず生き残るであろう二つの書店現場です>とあります。この本の最初に「町の本屋という物語」を語っている奈良敏行さんのお店が、鳥取にある定有堂書店です。駅前通りをちょっと街中に行った路面店です。1980年に元郵便局員だった店主の奈良さんが開店しました。

 開店した時には周辺には24軒の書店がありましたが、今では2軒になっています。このお店は書店員の「聖地」と言われ、書店開業を目指す人、書店員として働きたい人の憧れで、40年営業してきましたが、店主・奈良さんの高齢化と体調不調に伴い、今年に閉じる決断をされたそうです。引き継いでくれる方を探したそうですが、いままで創ってきた特色や本屋さんとしての佇ずまいを体現できる方はいなかったようです。元書店員だった友人は言います。「あれだけメッセージ性の強いお店を作ると、それはもう個性さえも通り越していて、おそらく誰もがあの枠に入ることは不可能というか、そもそも誰かに…と考えることが不毛です。奈良さんに始まり、奈良さんで気持ちよく終わるのが宿命かと思います」と。言うことはわかるのですが、本当に残念至極です。定有堂さんは、1点だけですが、濱崎洋三著作集「伝えたいこと」2,800円という本を出していて当社扱いで流通しています。これは当分継続して扱います。


新刊・これから出る本

●絵本の夜明けを告げたアメリカの画家・ワンダ・ガァグの「100まんびきのねこ」の誕生秘話をはじめて語った物語。村中季衣著「『100まんぴきのねこ』たちはどこから生れどこへいったの」2,700円 ブックグローブ社は、ガァグの生誕から幼少期、そして成人になり、多くの独創的な作品を作り、アメリカの創作絵本の黄金期を作りあげた1928年の「100まんびき」の出版、最後の作品と言われる「なんにもない」までを辿ります。ISBN978-4-938624-29-3

●大分生れの矢野寛治氏が愛郷心に動かされて、大分を題材にした映画や、文学作品を丁寧に掬いあげた随想録。矢野寛治著「わが故郷のキネマと文学」2,000円 弦書房は、明治から令和まで150年という時間を芸術作品でふり返ります。福沢諭吉「中津留別の書/1870年/中津市が舞台」から、町田そのこ「52ヘルツのクジラたち 2021年 佐伯市が舞台」まで192作品を採り上げています。ISBN978-4-86329-259-8

●昨年亡くなった松岡享子さんが1979年から2021年まで雑誌「こどもとしょかん」に連載してきたエッセイを一冊に。松岡享子著「ランプシェード」3,000円 東京子ども図書館は、読んだ本の感想や図書館の今後、翻訳を手がけた「くまのパディントン」シリーズにまつわるエビソードなど、43年間にわたって綴ってきたこぼれ話の数々です。A5判・544頁の大冊です。ISBN978-4-88569-018-1

●ほぼ1年ぶりの発行です。館浦あざらし編集「北海道いい旅研究室19」818円 海豹舎は、いつものひとり旅歓迎温泉宿と廃止駅と絶景露天風呂の特集の他に、金田一京助に「ウタリの啄木」といわしめた歌人、違星北斗の大特集。50個のQRコードにより湿原や鉄道動画がたっぷり楽しめる試みも。ISBN978-4-901336-41-3

●エビのようでエビでないなぞの海洋生物を題材に富川光著「ヨコエビはなぜ『横』になるのか」2,400円が広島大学出版会から出ました。エビというよりダンゴムシやフナムシの仲間であるヨコエビは、深海から海辺まで地球上のあらゆる環境で繁栄する不思議な生き物。その生態を調べためずらしい本。ISBN978-4-903068-59-6

●広島との県境にある地方自治体・島根県飯南町がその地のブランドメッセージとしたのが「余白あります」というイメージ。ライター・町民・研究者がそれぞれの視点で掘り下げたものをの体現した本が、島根県飯南町まちづくり推進課/企画・編集・発行「余白の中で」1,200円 発売ハーベスト出版。町の暮らし、住民、文化、風習等。町の未来に多くの可能性(余白)があることを発信します。ISBN978-4-86456-459-5

●イギリスで人気の子どものうたの邦訳と日本の作家の挿絵で刊行されました。スパイク・ミリガン&トニー・ブラッドマン 岩佐敏子訳 飯野和好絵「ふしぎでおかしな子どものせかい」1,100円 リーブルは、大人も子どももクスッと笑えるイギリスで人気の二人の詩人の詩を翻訳。飯野和好の挿絵によって言葉が光ります。ISBN978-4-910310-03-9

●江戸時代後期の紀行家・菅江真澄の本分は歌人ですが、国学・本草学など博覧強記なジャンルを研究し、後世に遺した学者でした。稲雄次著「菅江真澄事典」3,900円 無明舎出版は、彼のライフヒストリーを調べることよりも、遺した日記・地誌・図絵・随筆(「全集」と「遊覧記」)から抜き出した語句や事項を丁寧に解説・解読。ISBN978-4-89544-681-5


本のご注文について

★書店様へ。当センター扱い商品は「注文制」です。お取引取次店へご注文いただくか、弊社ファックス(03−3235−6182)にて、帳合・取次・番線・書店コードを明記の上、ご発注ください。よろしくお願いします。

★一般読者の皆様へ。できましたら最寄の書店でご注文ください。その際、書誌名・発行所とともに「地方・小扱いです」と書店員の方に告げてください。またネット書店でも扱っている場合があります。

お急ぎの方は当社でもご注文をお受けします。コチラをご覧になりFAXにてご注文ください。

***

■このセンター通信のバックナンバーは、コチラをクリックしてください。


↑このページのトップに戻る

株式会社 地方・小出版流通センター

郵便番号162-0836 東京都新宿区南町20
TEL.03-3260-0355 FAX.03-3235-6182
電子メールでのお問い合わせは、chihosho●mxj.mesh.ne.jpまで。

*お手数ですが、●の部分を半角のアットマーク「@」に書き換えてご送信ください。スパムメール対策のためです。すいませんがご了解ください。

当ページに掲載されている記事・書誌データ・写真の無断転載を禁じます。


トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ