トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ

地方・小出版流通センター あなたはこの本を知っていますか

地方・小出版流通センター通信 No.1489(2023/07/18)

 もうすぐ梅雨明けでしょうか。大雨(線状降水帯)の被害が続きます。沖縄ではコロナの9波が拡大しています。お盆休みにかけて他地域でも9波に襲われないことを願うのみです。

 約18年前、日本では慶応大学図書館の所蔵図書を中心として、またアメリカではスタンフォード大学やハーバード大学の所蔵の資料をスキャンして、デジタル化するという試みがありましたが、反対が多くたち消えとなりました。ところが、SNSの普及、コロナの蔓延などで世の中の機能がネットに代替され、ネットが網羅できる情報の範囲が格段に広がりました。人間がしていること、してきたことに関する情報の多くがネットに集り、ネットは人類に関する巨大なデータベースになっているようです。それを情報源として、人間と対話できる(かのような)AIが出てきました。社会のネット化(デジタル化)がなかったら、データベースの構築に無限の時間がかかるはずで、すべての本や雑誌や公文書をスキャンして読み込み、内容に関して重要性を決めたタグをつける、すべての動画や音声を録画録音して解釈して収納するなど、データベースの構築の高速化には50年かかるといわれてきました。それが社会の方からネットに入り込んできてくれて、対話型AIが50年早く実現したように見えます。

 しかし、ネットにはウソや歪曲も多く紛れ込んでいます。近年は、ネットだけでなくマスコミや政治家等の言動さえ真意が怪しいものもあります。そのようなデータを学習したAIが解答を作るというとんでもない時代になったわけです。きちんとチェックされていない論拠や資料が紛れ込んでいる解答も多いと指適されています。便利なことは事実なようですが、用心して付き合うしかないのでしょう。


新刊・これから出る本

●九州の山間地で毎年12月の新月に集う《赤の祭》は新しく作られた祭りだそうです。坂本桃子著「食べて祀(まつ)って−小さな村の御祭りとお供え物」2,000円 弦書房は、熊本県の山間部・坂本村の生活空間に魅せられた著者による素朴な豊かさを伝える写文集。里、川、山のめぐみをいただき、自然との一体感の中で心地よい時を楽しみます。ISBN978-4-86329-268-0

●著者は出版社主にして古書店主、本まみれの編集者の怒涛の記録。土方正志著「仙台あらえみし日和−杜の都で本と暮らす」2,500円 プレスアートは、地元紙「河北新報」連載の<仙台発出版こぼれ話全200回収録>。<古本屋のオヤジに>、<夢野久作未発表書簡発見>、<さよならジュンク堂>、<ラジオでも本まみれ>等。ISBN978-4-9912938-1-8

●食環境に問題提起して累計100万部の「食卓の向こう側」(西日本新聞社刊)のコミック版。チーム食卓の向こう側刊行委員会編著/魚戸おさむ作画/佐藤弘・渡邊美穂原作「新版食卓の向こう側コミック編+健幸は口から」1,300円 不知火書房は、良質な問題提起と実効ある提案。アトピー皮膚炎が薬も使わずにこの変化、夜間頻尿、花粉症、いびきなどの改善例も。ISBN978-4-88345-140-1

●障害者権利条約をベースに障害分野を横断した歴史事典。日本障害者協議会(JD)編「障害と人権の総合事典」2,700円 やどかり出版は、障害関連の重要文書から抽出した328の見出し項目。当事者視点、現場の実態を踏まえ、用語の本質や実践の方向性までを追求した解説。略語一覧、事項索引なども充実。ISBN978-4-904185-50-6

●すみっこ:マンガ 豊中社会福祉協議会編「セーフティネット 6 コミュニティソーシャルワーカーの現場 豊中あぐり誕生」1,000円 全国コミュニティライフサポートセンターは、定年後すべての人に居場所と役割を!のかけ声に、いま注目を集めている「豊中あぐり」=都市型農園(市内に8ケ所)の誕生秘話をまんがで語ります。ISBN978-4-907946-44-9

●台頭しつつある中国の科学・文化分野におけるソフトパワーの増強はその力の戦略的支柱となっています。「顔暁峰(イエン・シヤオフオン)著 原田衣里奈訳「中国現代化の文化次元」4,200円 グローバル科学文化出版は、その詳細を二十一章にわたって解読。1章 文化発展の歴史的プロセス 3章 文化現代化の主要な内包 9章 中国の優れた伝統文化と文化現代 11章 人類文化の優れた成果と社会主義現代化文化 15章 思想道徳建設の強化と文化現代化 17章 文化事業・文化産業の発展と文化現代化 21章 社会主義文化強国への発展戦略等 ISBN978-4-86516-074-1

●著者は東日本大震災の惨状を見て、過去の資料や先祖が作った「ふるさとの記憶」が失われ、忘却されつつあると強く感じたといいます。城岡朋洋著「越中史の探究」2,400円 桂書房は、「越中という地域」の始まりの古代から富山(近代)へと転換する1300年間を12本の論文で纏めました。2011年から12年の歳月を要した労作です。「地域史は生きるために先人が努力してきた営みの歴史であり、それは現代の地域住民が生活してゆく上での教訓やこれからの地域社会を発展させるための基盤となるもの」と著者は言います。ISBN978-4-86627-134-7

●平成30年に「地下迷宮の秘密を探る旅〜大谷石文化が息づくまち宇都宮〜」のストーリーが文化庁の「日本遺産」に認定されました。宇都宮の北部から北西部の丘陵部にある大谷層にある凝灰石を利用して生みだされた営みの全般を跡付け、暮らしの中で石の文化がどのように息づいてきたか、を紹介します。宇都宮市大谷石文化推進協議会編「大谷石文化への誘い−その歴史と魅力を探る」1,000円 随想舎は5月の新刊。ISBN978-4-88748-416-0


本のご注文について

★書店様へ。当センター扱い商品は「注文制」です。お取引取次店へご注文いただくか、弊社ファックス(03−3235−6182)にて、帳合・取次・番線・書店コードを明記の上、ご発注ください。よろしくお願いします。

★一般読者の皆様へ。できましたら最寄の書店でご注文ください。その際、書誌名・発行所とともに「地方・小扱いです」と書店員の方に告げてください。またネット書店でも扱っている場合があります。

お急ぎの方は当社でもご注文をお受けします。コチラをご覧になりFAXにてご注文ください。

***

■このセンター通信のバックナンバーは、コチラをクリックしてください。


↑このページのトップに戻る

株式会社 地方・小出版流通センター

郵便番号162-0836 東京都新宿区南町20
TEL.03-3260-0355 FAX.03-3235-6182
電子メールでのお問い合わせは、chihosho●mxj.mesh.ne.jpまで。

*お手数ですが、●の部分を半角のアットマーク「@」に書き換えてご送信ください。スパムメール対策のためです。すいませんがご了解ください。

当ページに掲載されている記事・書誌データ・写真の無断転載を禁じます。


トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ