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地方・小出版流通センター通信 No.1492(2023/09/07)

 以前、北海道のケースで全国放送局の支局が減って統合されているというメディア過疎化の近況を紹介しました。今回は、朝日新聞の「多事奏論」覧で紹介されていることですが、四国愛媛の八幡浜の地元テレビ局の支局共同化の試みがはじまったということです。東京都の約7割の広さで、伊方原発も抱える地域ですが、地元民放テレビ局3社が、別の一社に取材・配信を委託し、その一社の記者は取材記事や画像を他の3社にも同時配信するという、全国で初めての試みが始まったそうです。四国の西の玄関口として栄えた八幡浜には、15年前には民放4社の他、報道機関8社が記者を置いていましたが、近年は地元新聞、NHK、読売の3社だけになり、朝日も支局を閉じたということです。

 このことを紹介する、朝日新聞の論説委員田玉恵美氏は、「何を取材して、どんな原稿を書くのかはメディアの根幹だ。その心臓部を他社と共有していいのか。」と考え込むと言います。しかし、各メディアの未来もバラ色ではなく、全局が撤退すれば、その地域の日常の話題が民放で全く流れなくなってしまう。地元テレビ局としてそれでいいのか?と取材の拠点を残す方策として、南海放送の前報道局長はじめみんなで支局の共同化を会社に提案したのだと言います。「行政などへの監視機能を弱めないためにも、記者はできればたくさんいた方がいいよね」と言う、ライバルが消えた共同支局の担当記者は、寂しげ…アメリカでは、地方新聞社が全くなくなり、その役割を地元図書館などがはじめているということも報じられていますが、日本はそこまではいかなくても、地域情報の発信媒体が希薄になってっていることを感じさせられる記事です。 地域で活動する「地方出版」が何かできないか?と考えてしまいます。

新刊・これから出る本

●雑誌・広告を中心に活躍する写真家・立木義浩の最新カラー&スナップ集。コロナ禍の中も含め、ここ数年で撮りためた最新スナップから94点のカラー&モノクロ作品で構成。「七つの真実にまさるひとつのきれいな嘘を」2,700円 アイ・イメージング・フラッグは、立木を知る職の異なる6組の編者が1000枚のスナップ写真から16頁分を選び、タイトルも付けるという趣向で「写真選びの面白さ」が味わえます。ISBN978-4-9910633-3-6

●関西発のテレビ番組で気象キャスターを勤め、放送翌日の天気のポイントをクレヨンで描いたイラストで伝える「スケッチ予報」が好評。いままで2000枚以上描いているという。蓬来大介作・絵「そらのどうぶつえん」1,300円 コミュニケ出版は、その蓬来さんが空に描くどうぶつや怪獣。親子で空を見上げたくなる絵本。ISBN978-4-903841-21-2

●小説家山口泉氏が1984年に世に問うた初版「吹雪の星の子どもたち」から39年。その長編二部作がやっと完結しました。後編は「翡翠の天のこどもたち」です。初版と後編を合せた全980頁「吹雪の星の子どもたち 翡翠の天のこどもたち」4,800円 オーロラ自由アトリエが刊行になりました。7人の少年少女が向き合う十数時間の試煉。真の「希望」のありかの物語です。ISBN978-4-900245-20-4

●日本とは異なる地アメリカでの出産・育児・教育のガイド。Y's Publishing編・刊「アメリカでの子育て便利帳 Vol.6」3,400円が出ました。子を授かって入院から出産まで(日米比較出産にかかる費用、アメリカンネーム等)、親権と監護権、教育(学校システム、学校の種類、帰国生の教育等)、医療・保険・住居(子ども用常備薬、子どもがかかりやすい病気、アメリカの予防接種等)など子育てに関することを懇切丁寧にガイドします。ISBN978-4-8123-0130-2

青目海著「寺山修司 彼と私の物語−久條今日子の告白」1,900円 書肆侃侃房は、寺山修司と結婚し、「天井棧敷」を作り、離婚してからも劇団のプロデューサーを勤め、寺山死後は莫大な借金を返しながら、記念館を建て、寺山の母=はつの養女となった女優・九條今日子の思い出話。昔の「天井棧敷」の創立メンバーである著者が、九條が亡くなる一年前までの数年を共に過ごし、彼女と寺山修司の時代を聞き取った労作です。ISBN978-4-86385-584-7

●噺家兄妹(鳩巣亭右女太、小右女)が、日々の小さな謎にいどむミステリー。噺家にして作家=梅田丘匝(キュウソウ)著「吾妹は姉である−連作短編ミステリー」1,500円 ごまめ書房は、マルセル・プルースト『失われた時を求めて』、アガサ・クリスティ『アンドロイド殺人事件』、夏目漱石『我輩は猫である』等をヒントにパロディ、モチーフ、オマージュとして拝借した作品各種。「左馬の記」、「犬の居ぬ間」、「デイジーの恋」ほか。ISBN978-4-902387-37-7

●これまでの入門書とは少し違った万葉集入門!!星野五彦著「ようこそ 万葉の世界へ−万葉集入門」1,500円 万葉書房は、第一部/全28の設問によるクイズ(Q&A)形式で万葉集の全体像を解説。二部/マニアックな問題編「試して、楽しく読もう」。そして第三・四部はコラムで編まれています。ISBN978-4-944185-20-7

●東京の女学校に通っていた花ちゃんは東京大空襲を逃れた後、疎開のため実家の広島へ帰りました。1945年8月6日、突然空が光り、花ちゃんは気を失い、B29の爆音で気づくと街は火の海でした。森本マリア著「自由と平和」1,500円 吉備人出版は、ブラックライトを使った紙芝居にして、戦争中の生活や学校での様子を語り継いでいる著者の最新作。英文対訳付きカラー絵本です。ISBN978-4-86069-710-5


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