
今年も原爆忌から終戦の日がやってきます。朝日新聞のオピニオン&フォーラムにおいてメデイア史家の佐藤卓巳氏は、8月15日は終戦の日とは言い難く、どの前線でも戦闘が続いていて、降伏文書に調印した9月2日が「終戦」ではないかと指摘しています。内向きな論理に基いて「玉音放送」があった日を終戦とするのは、他者の存在と降伏の事実を忘却したものだと指摘します。佐藤氏は「終戦の日を二つに分け、8月15日を『戦没者を追悼する日』、9月2日を『平和を祈念する日』にすべき」と訴えます。「9月2日は戦争責任や加害の事実に冷静に目を向け、諸外国と歴史的に対話する日とする」と提言します。それが、対立が深まる国際関係における日本の対処する道では?と。中国・ロシア・北朝鮮などとの緊張関係、そして戦後生まれの人口が85%を超える現在、戦争の記憶をどう位置づけるか?問うています。
「しんざと けんしん」という沖縄出身、沖縄在住の漫画家がいます。今年77才。沖縄戦の記録を丹念に読みこんで、それを映像的に劇画として再現する作業を続けています。あまりの戦争のむごさを心の奥底から知り、なんとしても戦争を知らない世代に、それを伝えねばならないという強い使命感をもち、地獄の戦場を描くことに全身全霊を傾け、描いています。沖縄戦の有様はもちろんのこと、その背景となった本土の軍や政治、そして沖縄の人々の日常や辛苦を丹念に調べあげ作品としています。しんざと けんしん・作、石原昌家・監修、沖縄戦劇画シリーズ第3弾「ヤンバルの戦い1−国頭支隊顛末記−」3,500円 琉球新報社(ISBN978-4-86764-022-7)が最新刊。既刊は、第1弾「シューガローフの戦い−日米少年兵たちの戦場」(上・中は品切れ、下のみ在庫あり)、第2弾「死闘伊江島戦」各2,000円(前・後編)があります。
●ダム建設に伴い1994年から26年間に渡って行われた発掘調査の成果の集大成。公益財団法人群馬県埋蔵文化財調査事業団編「八ッ場(やんば)の考古学 古の記憶」1,600円 上毛新聞社は、群馬県の北西部を占める吾妻地域の歴史を解明した発掘考古学が語る、縄文の幕開けから江戸期の泥流災害までの長い歴史。古の時代から隣県の長野県側との交流やその影響が顕著に見て取れます。ISBN978-4-86352-353-1
●地元のわらべ歌を大切にと音楽教育に尽力してきた目黒稚子さんと、会津坂下町のわらべうた伝承者・高橋富子さんの共著「会津のわらべうた−わらべうたを子ども達へ」1,300円 歴史春秋社は、富子さんの伝承してきたわらべ歌を紹介しつつ、わらべうたの力を説きます。またスマホでQRコードを読み取ることでYouTube公開の会津のわらべうたと遊び方を音と映像で確認でき、その楽譜・歌も紹介しています。ISBN978-4-86762-042-7
●『マリーナの三十番目の恋』(ソローキン)『穴持たずとも』(マムレーエフ)等のロシアの”怪作”を翻訳してきた著者による「悪」のロシア文学入門。松下隆志著「ロシア文学の怪物たち」1,800円 書肆侃侃房は、植民地化や帝国の過去を反省しないロシア文学はプーチンの戦争に責任があるといいます。毒にも劇薬にもなりうる、その諸相を例示します。ISBN978-4-86385-629-5
●古代、仏教伝来により、医療行為や製薬、施薬の技術も伝わり、奈良から各地に広がった。浅見潤著「奈良とくすり−祈りと治療の歴史」1,000円 京阪奈情報教育出版は、内藤きねんくすり博物館に勤める著者が、その歩みと、実体を調べ上げました。<”歴史のふるさと”奈良のくすり>、<『大和の置き薬』配置薬の発生と発展>、<奈良ゆかりの薬用植物大和当帰>、<『薬』雑感−祈りと治療>など。ISBN978-4-87806-759-4
●太平洋戦争で日本が進出したアジアの戦地、満州・ラバウル・ペリュー島、ヤップ島、ポンペイ、タシケント、サンダカン等を著者が訪ね歩いた記録。唐澤昌弘著「アジア・太平洋戦争の跡を訪ねて〜私たちは日本の戦いを知っていますか〜」2,000円 信毎書籍出版センターは、40才で現役を引退し、世界140カ国を歩いてきた著者の「戦場跡カメラマン」としての記録。ISBN978-4-88411-259-2
●薩摩の紫尾山は『西州の高野山』と呼ばれ現王信仰と狩猟伝承が普及。そして霧島山麓に広まった修験道の受容と展開。森田清美著「高野山信仰と霧島山信仰」2,000円 鉱脈社は、南九州に広がり、交錯する伝承世界を探ります。ISBN978-4-86061-893-3
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