
著者の並々ならぬ故郷への思い入れが、形となりました。シマムヌイユ バッシカー マリジマユ バッシ(故郷の言葉を忘れると、故郷を忘れ)、マリジマユ バッシカー ウヤン バッシルン(故郷を忘れると、親も忘れる)。著者にとって生まれ育った故郷・黒島は、自らのアイデンティティーを育みバックボーンを鍛えてくれたかけがえのない場所である。その故郷での生活体験の痕跡が骨の髄まで染みこみ、その延長線上で自分の価値観や学問探求の方法論が築かれたと思う。八重山諸島の離島の黒島の言葉は「八重山語」の一端でもある。ユネスコの「絶滅の危機言語」に認定された状況下、「黒島語関連辞典」を編んでみようと目標をたて、「黒島語研究会」を続けてきた。その成果として、このB5版840頁の大冊が作られた。當山善堂編著「黒島事典−黒島の言語・諺・歌謡・習俗」20,000円 編集工房 東洋企画刊(978-4-909647-67-2)は、言葉辞典の体裁の中に、父祖の生活の営みと生活体験が組込まれたエッセイがつき、この島の事典となっています。重厚な出版です。
新春を迎えて、この本も懐かしさをそそる本です。本当は「紙芝居」が適しているような企画です。桂書房刊の湯浅直之著「我が百姓の一年」1,000円(978-4-86627-154-5)は、A4判、横組の造本。50年前の富山の農村の生活と季節を追って、当時を活写したような説明と水彩画で思い出深く綴ります。元旦、正月の行事、盆踊り、報恩講、どんど焼き、元服祝い等の<祭礼>編、田起こし、春の苗代の準備、夏の田の草とり、センマツ直し、秋の稲刈り/稲干し、冬仕事/正月準備等の<田んぼの一年>、兎追い等の<一年の暮らし>編からなっています。著者は語ります。「かって人の暦は米を作ることから始まり、長い歴史の積み重ねで今日の姿になりました。この衣食住の、食の米が、かっての経済のバロメーターとして重きを果たしていました。〜荘園時代・封建時代・近代社会へと、長い間主食の米作りは変わらなかったことから、百姓の生活は大きな変化は見られなかったのですが、近年の50年間で大きく変化しています。かっての苦労を重ねた百姓の米作りは無用となり歴史の一コマとなりました。しかし今、その時代を記しておくのも一考かと、50年前の百姓の姿を綴ってみました。」と!
●定時制高校教師生活の長い著者の日々の日記を公開。林内隆三著「Mr.Rinnaiの定時制日記」1,000円 福岡人権研究所は、長く定時制高校の教師を続けるとともに、1500回を超える「人権」をテーマとするバンド「願児我楽夢」(がんじがらめ)の活動も展開する博多の教師が2012年から23年まで、人権雑誌「リベラシオン」に連載した「ちょっといい話」を収録。沙織ヤンキーを卒業す、修学旅行秘話、夜間中学の話など26話。ISBN978-4-910785-22-6
●1970年代中期から80年代初頭にかけて営業し、長崎のジャズを引っ張っていた喫茶「JAZZ CONBO」の2代目・平戸祐介著「平戸祐介のJAZZ CONBO」1,800円 長崎文献社は、現在は活発とは言えない”ジャズの灯”を再びという夢を見て、長崎新聞紙上で<紙上ジャス喫茶>をオープン。アルバムやミュージシャンのエピソードなど40話。著者は米国で学び有名レーベルと契約、ジヤズのソロ活動やジャズピアノ教則本のリリースなど多岐にわたるジャズシーンで活躍。ISBN978-4-88851-417-0
●渡辺京二の全著作を読み解き、知の巨人の資質・体験・方法の深淵に迫る労作。三浦小太郎著「渡辺京二論−隠れた小径を行く」2,200円 弦書房は、渡辺の「小さきもの」に拘って92歳の生涯を閉じるまで思索した全軌跡をたどります。幸福な少年期とその終焉、大連−そして世界の終わり、吉本隆明と谷川雁、なぜいま人類史か、石牟礼道子と神話の復権、黒船前夜、小さきものの近代−もうひとつの「近代」など。ISBN978-4-86329-299-4
●フランスのジャーナリストと台湾で注目の若手漫画家がタッグを組んで、ミャンマーの軍事クーデターと民衆の闘いを描きます。脚本フレデリック・ドゥボミ/作画ラウ・クォンシン/翻訳ナンミャーカイン「2月1日早朝、ミャンマー最後の戦争が始まった。」2,000円 寿郎社は、繊細かつ力強い筆致が世界各地で人の心を動かし、反響が広がっています。各地のミャンマー人から寄せられたコメント付き。ISBN978-4-909281-63-0
●国鉄型E−64形電機機関車=通称「山男」に引かれ、伯備線を走る貨物列車の力強く美しい風景の数々を収めた大型写真集。梅田耕治・小西昌史他撮影、今井出版編「伯備線貨物写真集」2,500円 今井出版は、中国山地を縫うように岡山と米子を結ぶ大動脈として走り続ける姿と周辺の風景、そして王子製紙米子工場専用線に密着、普段見られない積み込みの様子や連結作業の様子も。ISBN978-4-86611-419-4
●諸見友重著「古琉球を歩く−碑文散歩考」2,700円 榕樹書林は、1609年以前の古琉球の時代の金石碑文−首里城の蘭干や梵鐘に刻まれた銘文など26件を建碑年順に紹介して解説します。「琉球処分」にも「沖縄戦」にも耐え、この地の古き日の歩み・生活を今に伝えています。ISBN978-4-89805-249-5
●岡山県の北・奥津に住む、安藤辰江(ときえ)さんという一人の伝承者による俗信三千二百余項目をまとめた、これまでに類を見ない貴重な民俗資料。立石憲利編「嘘をつくと尻に松が生える」2,200円 吉備人出版は、生活の中で思い出され活かされてきた予兆・占い・禁忌・呪いなど(一般的に俗信と言う)を集大成。ISBN978-4-86069-754-9
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