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地方・小出版流通センター通信 No.1518(2025/01/31)

書影 優れた出版活動を継続して展開している中・小出版社の出版活動そのものを顕彰するという意味で、日本で出版社に贈られる唯一の賞である梓会出版文化賞ですが、本年は「梓会出版文化賞」に北海道の亜璃西社が、「出版梓会新聞社学芸文化賞」に同じく北海道の寿郎社が選ばれました。受賞理由として、亜璃西社は、北海道・札幌で長く出版活動を行い、自然や生活、レジャーをテーマに、図鑑やガガイドブック、ノンフィクション、写真集など幅広いジャンルの出版物を刊行してきたこと、さらに、新聞・雑誌など各種媒体で取材・執筆も担当。今回特に選考で話題となった「改訂版 さっぽろ野鳥観察手帖」2,000円+税は、道内各都市で使える都市型図鑑の最新版で、近年札幌でも観察出来る「ダイサギ」を増補しているということです。加えて、『北海道の縄文文化こころと暮らし』刊行会編著「北海道の縄文文化こころと暮らし」3,600円や関口信一郎著「世界港湾史−世界の港と水運ネットワークの発達史」3,600円などの刊行が評価されました。

書影 「新聞社学芸文化賞」に選ばれた寿郎社は、2023年12月に刊行した、島崎尚子著「芦別、炭鉱<ヤマ>とマチの社会史」4,400円が新聞社の文化部、学芸部の記者に発掘されました。炭都芦別に移住し、働き、暮らし、そして去っていった膨大な人たちの足跡を追った、気鋭の研究者たちの<炭坑研究><地域研究>の比類なき一冊です。他に青木理、竹信航介、ヤジポイの会編著「ヤジと公安警察」1,100円や高崎楊編「<戦争法制>を許さない北の声」4,500円など、ジャーナリステイックな視点での出版姿勢がこの賞にふさわしいということです。最新刊早乙女宏美著「ストリップ劇場のある街、あった街−浅草・新宿・船橋・札幌の<ピンク文化>とそれを支えた人びと」2,500円は、「SMスナイパー」に連載の原稿を大幅修正し、書き下ろしで「札幌」を追加したもので、ストリップの歴史、日本の風俗史、そしてストリップ劇場のあった街の様子が克明に綴られています。さらに著者本人が元踊り子ということで、体験談や心情が文章に活力を与え、その仕事への誇りも教えてくれます。2001年操業で170点余の本を出してきました。受賞式はこの1月27日に東京で行われました。


新刊・これから出る本

●今年は、陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決した三島の生誕100年の年。「三島・楯の会事件」関係者の証言を中心に右翼民族派国士の視線から、三島の「烈士」たる姿を探求した本。野里裕克発行人/鈴木誠厳編集統轄「殉国の行動者 三島由紀夫−三島生誕100年記念」1,800円 アジア新聞社は、「三島・楯の会事件」関係者の証言を中心に右翼民族派国士の視線から、三島の「烈士」たる行動を探求する。検死報告書と解剖所見からみる三島・森田両烈士の最後、三島由紀夫と野村秋介、「楯の会」から半世紀−素顔の三島由紀夫等。ISBN978-4-9911961-3-3

●福島の食文化研究家による特産の(身不知=ミシラズ)柿の誕生から普及までの全て。平出美穂子著「会津みしらず柿」1,364円 歴史春秋社は、生柿・干柿・種・皮まで62品のレシピ。会津みしらず柿物語−柿の一年、原木を訪ねて、丸ごと栄養学、製品化された漆器、ワイン、柿酢、お菓子や加工食品など。ISBN978-4-86762-055-7

●佐藤武(心療クリニック院長)、青木洋介(佐賀大医学部附属病院・感染制御部長)、平林直樹(九大伊那診療所長)、面高有作(九大キャンパスライフ健康支援センター准教授)共著「新型コロナ・パニック」1,000円 佐賀新聞社は、新型コロナウイルスの流行を経験した医師たちの振返り、知識から得られるヒント。紙面「診察室から」と感染症の推移、コロナの3年間を振り返える−感染症医として働く一社会人として、診療所における体験、心理相談における体験と対策。ISBN978-4-88298-276-0

●山内昌勝著「琉球王国と宗教−私の拝みの記録」2,000円 新星出版は、文字を持たない民族であった琉球の人々にとって先人の伝言と霊能者の霊力を頼りに故人の霊魂に導かれ古(イニシエ)に帰る方策があった。その方策を定年退職後7年の歳月をかけて拝み(チジウガミ)を実践した体験で綴ります。ISBN978-4-910937-05-2

●映画を見ることで女性であること少数派であること、自分自身でいることに気づける映画の力。そんな映画がきっとある。北村紗衣著「女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選」1,800円 書肆侃侃房は、クラッシックな名作から、近年の話題作まで、労働問題、恋愛とセックス、フェミニズム、クィア、人種、民族など、多様な視点から100本の映画ガイド本。ISBN978-4-86385-641-7

●水産業の先行きはないというのは間違っている。元気な漁村には元気な理由がある。水口憲哉著「元気な漁村−海を守り、にぎやかに暮らす」2,000円 フライの雑誌社は、1年のうち100日以上を反原発で全国の漁村を行脚した東京水産大の先生の<海と魚と人の処方箋>集。先住民の智恵、共同体の力、共同組合と相互扶助、島の暮らしと新住民、根拠地としての漁村、しぶとく確かな生き方、等。ISBN978-4-939003-98-1

●明治維新の後期、7ケ月に及んだ内乱=西南戦争。西郷の歴史舞台への登場から死ぬまでの25年間を描き、その意味を問う力作長編。柿崎一著「西南之役 滅び去りし者への挽歌」2,000円 鉱脈社は、明治維新最後の闘いを描きます。最後の<敗送日向路>、<望郷百里>そして<終章>は痛ましい。ISBN978-4-86061-909-1


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