最新の報道によれば、日本人のスマホ保有率は、60代で91%、70代で84%(モバイル社会研究所調べ)だそうです。最近のSNSによるポヒュリズム的傾向が進んでいることは問題のように思います。脳科学者の榊浩平氏は以下のように述べています。
〜スマホが最も悪い影響を与えるのは、人間らしさの根幹とも言える脳の前頭前野で、ここは考える、理解するといった子どもたちが勉強で使う働きや、人とのコミュニケーション、感情の制御などに大きくかかわっています。スマホを使う時間が長い子は、勉強時間や睡眠時間とは関係なく学力が下がることや、脳の幅広い領域がほとんど発達しないことがわかってきました。脳は本来ひとつのことしか集中できないので、スマホの多機能性が悪影響を及ぼし、海外の研究では、現代の人間の集中力は「金魚以下」だという結果も出ています。何かを調べる際も、紙の辞書を使うかスマホで見るかで、前頭前野の動きが全く違います。ものごとを記憶にとどめて思いだすということは、とても労力を使う作業で、それをスマホがやってくれるなら任せよう、と脳は判断するのです。目的は、情報を得ることなのか、学習することなのか。それを見極め、辞書とスマホを使い分けることが大切です。−中略− 脳は使えば育ち、使わなければどんどんダメになっていきます。活性化させるには読書(特に音読)や、他人とのコミュニケーション、適度な運動が有効です。−中略− とりわけ子どもたちには、1日の使用時間など自分でルールを作らせ、それらを守らせることが大切です。本来であれば、オーストラリアのような規制も議論すべきでしょう。〜
スマホに多くの時間を依存し、人間本来の「考える」「思考する」という能力を衰退させる機器に依存する現代社会の知的水準はどうなるのでしょうか?
●天災・人災、産業崩壊、戦争や紛争、差別・抑圧、殺人・事件。悲しく、つらい現場を歩き続け、記録する。木村聡著「不謹慎な旅2−負の記憶を巡る『ダークツーリズム』」2,000円 弦書房は、日本史に於ける「負」の遺産35ケ所を巡る旅。著者は、生身の記憶が薄れることを危惧しつつ追いかけます。ISBN978-4-86329-303-8
●48体もの丸彫り阿弥陀石仏がつくられている地は他にないそうだ。滋賀湖東地域を中心に中世に多数の石塔や石仏が作られた時代背景を考察。大塚活美著「石の文化財から探る滋賀の歴史」1,500円 サンライズ出版は、近江・湖東地方の道標、石塔篭、社号標、石鳥居、石碑等を分類して紹介しつつ作られた背景を語ります。ISBN978-4-88325-834-5
●2022年刊の本ですが、めずらしいので紹介。小野一巳著「秋田県のハタハタ漁」1,364円 くまがい書房は、1960年以降の秋田におけるハタハタ漁の推移を調べたもの。ハタハタは沿岸ハタハタ漁と沖合ハタハタ漁で捕れていたが双方とも漁獲高が激減。産地平均価格は最安値時の144倍となり、一匹800円と高級魚並となりまた。しかし、禁漁の努力と資源保護により少しづつ回復しつつあります。ISBN978-4-908673-13-9
●ロシア料理ボルシチに入れられる根菜。免疫力を高める北のスーパー健康野菜・ビーツの食べ方や多彩なレシピを紹介。山崎志保著「ビーツ!ビーツ!ビーツ! 免疫力を高める北のスーパー健康野菜ビーツの食べ方」1,500円 寿郎社は、日本ではなじみの薄い、北海道で主に栽培されている根菜を全国の人々へ普及したいという北のフードエディターが企画したオールカラーの本。ISBN978-4-909281-44-9
●秋田文化出版社から秋田の素敵な偉人達を主人公にした小笠原晃紀著の歴史小説2部作。その一は「天造の地」1,700円で象潟九十九島を守った僧・覚林と幕末の志士金輪五郎の物語、ISBN978-4-87022-624-1。その二は「吹雪の彼方」1,700円で、八甲田死の行軍の生き残り長谷川貞三が生涯追いもとめたものは何だったのか探る物語と、古代、坂上田村麻呂と闘った天鷺郷の酋長=天鷺速男(アマサギハヤオ)を描いた物語の二話を収めます。ISBN978-4-87022-625-8。
●10年余の歳月をかけて、山陰・松江家代々の資料を丹念に調査・整理・分類・著述の成果。玉木勲著「松江藩松平家 藩主と家老」3,500円 ハーベスト出版は、家老仕置役30家と名家老65人の来歴と藩政を網羅しています。A4判、208頁の大冊。ISBN978-4-86456-542-4
●世界遺産になった九州・長崎の島・端島(軍艦島)に生まれ育ち閉山まで働いた記録。加地英夫著「私の軍艦島記」1,600円 長崎文献社は、高校卒で炭鉱に就職、工作課での緊張の仕事、人口密度世界一だった島の人々の暮らしと楽しみ、労働組合と閉山後の人生。その島が華やかだった時代を生きた男の半生記。ISBN978-4-88851-248-0
●長く書店員を勤めた著者が49才の時、新聞記者であり「毒舌家」の夫が脳硬塞で全身マヒになり、看病をしつつ本人も二度のガンを体験。その壮絶な10年をたくましく乗り越えつつある姿を本人のイラスト付きで語ります。高倉美恵著「眼述記 全身マヒになった夫が文字盤で最初に示したのは『さわるな』の4文字だった。」1,750円は、博多の忘羊社から。「眼述」とは、文字盤で目の動きを見ながら会話をすること。著者の新語のようです。ISBN978-4-907902-37-7
●「私が長年読んできたものの中で、最も驚嘆すべき新しい詩的テキスト」とアンドレ・ブルトンが「黒いユーモア選集」で絶賛した、鬼才ジャン・フェリー著/翻訳:生田耕作・松本完治/挿絵:クロード・パラレ(20点入り)「虎紳士」3,200円 エディション・イレーヌは、ジャリ、ルセール、カフカに比肩する驚異の奇想コント21篇を収める。ISBN978-4-9912885-3-1
●激変する出版流通の課題を読み解きます。能勢仁・八木壮一・樽見博共著「出版流通が歩んだ道 近代出版流通誕生150年の軌跡」2,400円 出版メディアパルは、最新版の出版流通解説書。出版流通の現状を見る、世界の出版流通の現状、出版業界生き残り術、出版十大ニュースを読み解く、戦後の古書業界が歩んだ道など。ISBN978-4-902251-45-6
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