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地方・小出版流通センター通信 No.1522(2025/05/13)

 連休中に帰省した南房総は早場米の地域で、田植えがほぼ終わっていました。お米不足で値段が、昨年同時期と比べると、ほぼ2倍近くになってるようです。それにも拘らず、コメ農家(米作農業)の24年度の倒産と休廃業・解散は、統計を開始した2013年以降で最多の89件に達し、23年は83件、今年25年度もすでに2件を数えているそうです。日本の農政に問題があるのがはっきりしているようです。不安定な価格推移や生産コスト上昇を早く止めないと、コメ農家の倒産や休廃業を後押しすることになると専門家は指摘します。今回の米不足は、減反政策(裏の)がいまも続いていることによる生産不足が根本的原因のようです。

 ラジオ放送が始まって100年たったそうです。1925年に始まったラジオ放送、1953年に始まったテレビ放送は、日本語の形成(標準語の普及)に絶大な効果を発揮しました。出版もそれ負うところが大であると思います。「ヘビ」は「フェビ」あるいは「フェンビ」といわれ、「税務署」も同様に「ジェイムショ」などと言われましたが、1950年から20年経った71年には、ほぼ「ヘビ」、「ゼイムショ」になりました。また、耳から聞いて理解する言葉、例えば「歩行する」は「あるく」、「通行する」は「とおる」、「行程」は「みちのり」と言うように、書き言葉が分かりやすい話し言に換えられ、普及しました。また70年代ぐらいまでは、方言は軽んじられましたが、80年代の高度成長期には見直され、NHKの規定では「古語・方言は、これを適当に採り入れて語彙を豊富にすること。但、その発音とアクセントとは、共通語の体系に従う」ということになったそうです。インターネットが出てきて、同じ放送(ラジオ・テレビ)を見る、聞くということがあたりまえではなくなった昨今、日本語学の田中教授は「規範的な言葉より、自由でより人を引きつけるような言葉を志向する傾向が高まるのでは。ネット動画やSNSによって、地元とヨソ、現在と過去、といった場所や時間の境界が溶けた、まったく別の世界が見えてくるかもしれません」と予想されています。出版にも影響がありそうです。


新刊・これから出る本

●台湾発のSFファンタジー。林庭毅(リン・ティンイー)著 明田川聡士訳「裏組織の脚本家」2,100円 書肆侃侃房は、1986年台中生まれの新進作家の作品です。台北・西門町にある浮木(フームー)という居酒屋には闇の組織「ワラビ」のメンバーが潜伏している。屋根裏の小部屋で、他人の人生を生きようとする私が手に入れた人生は正かったのか?ISBN978-4-86385-663-9

●新幹線の開通で、今や風前の灯火となった函館本線。そこを旅するエンタメノンフィクション。舘浦あざらし著「函館本線へなちょこ旅GO!!」1,300円 海豹舎は、売れなかった前作「へなちょこ旅4」の反省にたって、前半の双葉文庫版「函館本線へなちょこ旅」の札幌駅から中ノ沢駅までのあらすじ151頁と、後半の180ページは、中の沢駅から大沼駅までの新エピソードたっぷり編から成ります。鉄道ファンが喜ぶ駅や車両の写真もふんだんに載せています。ISBN978-4-901336-44-4

●行く自由は保証するが、行かない自由もある。子どもを遠足や修学旅行で連れて行ってはいけない。行きたくない人まで巻きこむな〜。そして、本当は「行かせてはいけない」という主旨で作られた本。西谷文和編著「行ってはいけない、大阪危険万博」1,500円 せせらぎ出版は、5名の識者が対談、論考、ルポ等で万博のまやかし、ムダ、10の危険、経済効果なるもの、工事現場に重ねて見える閉幕後の壮大な廃墟、などについて語ります。ISBN978-4-88416-318-1

●近世の城郭は建物が残っているものも多いが、中世の城郭は、建物はほとんど残っておらず、設計図や絵図すらありません。佐伯哲也編「北陸の中世城郭50選」2,700円 桂書房は、富山(松倉城他16件)・石川(飯田城他14件)・福井(吉崎御坊他19件)の魅力に溢れた中世城郭を、新進気鋭の研究者が新鮮で新しい視点で、歴史・縄張(構造)等詳細に紹介。ISBN978-4-86627-16-3

●美食地質学とすしの科学で話題の著者が知られざる富山のすしの成り立ちに迫ります。巽好幸・土田美登世共著「富山のすしはなぜ美味しい」2,500円 北日本新聞社は、海の恵み、大地変動の役割などその背景を詳述。またA4判のグラフィイカルな編集がおいしそうな北陸の食の魅力を表現しています。ISBN978-4-86175-127-1

●第30回手塚治賞佳作を受賞した著者による初の絵本。絵と文 みやけかずひさ「おにかげまるとかっぱのすもう」1,300円 吉備人出版は、山深い棚田の村にいた不思議な力を持つ<おにかげまる>という名の男の子がいました。ある日、子どもたちをいじめるカッパと相撲をとることに。果たしてその勝負は…。ISBN978-4-86069-759-4

●鹿児島県出水市は<ラムサール条約湿地自治体>に認証され、これを記念して設けられたツルのまち童話大賞受賞の絵本。文・平山美帆 絵・はしもとえつよ「絵本 コンパスローズ 大切をつなぐもの」1,500円 あるまじろ書房は、傷ついたツルとの出会いが小学6年の陽向(ヒナタ)の心を動かす、自然との絆の物語。おじいちやんが残した命の尊さとコンパス(羅新針盤)。ISBN978-4-904387-53-5

●骨の数は約200、血管の長さは地球2周以上。腸内の細菌は約100兆。監修 藤嶋昭(東京理科大名誉教授)/責任編集松下清(科学ライター)「からだのびっくり!数の図鑑」1,800円 北野書店は、からだを動かす−骨と筋肉、食べる、取りこむ−消化器、吸込む−呼吸器、からだを流れる−循環器、からだの指令塔−脳、感じる−感覚器、からだをつくる−細胞・ヒトの誕生に分類、体の働きを<びっくり>の数で紹介。オールカラー。ISBN978-4-904733-18-9


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