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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2015年08月号発行分)

『のさらん福は願い申さん』●飯田辰彦著

書影

柳田國男が出版した、岩手県遠野の昔話を集めた『遠野物語』と、本書の主題『後狩詞記』(のちのかりことばのき、1909年)は、わが国民俗学の出発点になったという。宮崎県椎葉村は九州山地最奥にあり、焼畑農業をはじめ数々の伝統的な風習が残る民俗の宝庫と言われ、「ひえつき節」の里でもある。『後狩詞記』は、この椎葉村での猪猟など、狩り言葉や狩りの作法、決まりについて当時の村長に書いてもらい、柳田が編集し注を付す。
著者の飯田は度々椎葉村に滞在して狩りに同行し、『後狩詞記』の狩りの内容が100年以上経た現在ではどう変化したかを詳細に比較検証していく。その結果は、今も当時と変わらず、椎葉の狩りは趣味のハンティングでもなければ収入手段としての生業でもない。狩りは共同体のすべてが参加する厳かな神事、祭事である。だからこそ狩りは心底から湧き上がる楽しみ、深い愉悦を伴うという。山の神からの授かりものだけを少し狩るという意味のタイトルに、その本質が凝縮されている。
◆2484円・四六判・337頁・鉱脈社・宮崎・2015/6刊・ISBN978-4-86061-585-7

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『汽車ポッポ判事の鉄道と戦争』●ゆたかはじめ著

書影

鉄道に魅入られた人を鉄道マニアといいます。東京高裁判事まで勤め上げつつ日本中の鉄道に乗りつくした著者も筋金入りの鉄道マニアといえるでしょう。昭和3年生まれの著者が生きてきた時代は、対外膨張から敗戦を経て戦後復興へと続いていく激動の時代でした。
幼少期に乗っていた東京市電(後の都電)は今やすっかり姿を消し、寝台列車もいまや風前の灯です。また戦時中から戦後の混乱期の記憶はとりわけ暗い色に包まれています。軍事地帯ではブラインドを下ろすことを強制され、機銃掃射で九死に一生を得、家族の住む被爆地長崎へ向かうときには客車でなく貨車に乗ることを余儀なくされます。そして今、著者は沖縄に路面電車を走らせるという夢を追っています。そんなマニア人生から浮かび上がってくるのは鉄道の記憶が乗務員や乗客等々多くの人の手によって織り成されていること。だからこそ公共交通を「生活文化」と呼びその可能性を探る著者の言葉が重く響きます。
◆1944円・四六判・209頁・弦書房・福岡・2015/5刊・ISBN978-4-86329-11 7-1

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『芥川龍之介の長崎』●新名規明著

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没後88年を迎える芥川龍之介。彼は二十歳の頃、長崎を舞台にした「ロレンゾオの恋物語」(本書収録)という短編を書いているが、この時、芥川はまだ長崎へ行ったことはなかった。彼が長崎を訪れたのは大正8年の5月と大正11年の5月。旅行好きの芥川は京都と長崎をわけても好きな場所と挙げているが、この二ヶ所が芥川作品の出典とした「今昔物語」や「南蛮キリシタン文献」の舞台だったからだと推測できる。
長崎来訪時は地元の素封家永見徳太郎邸に宿泊。最も愛した弟子と言われ、のちに郷土史家として大成する渡辺庫輔や蒲原春夫とも出会う。また芥川が描いた「河童屏風」を贈られたことで有名な芸妓照菊(杉本ワカ)の存在も大きい。戦後の社会を生き抜いたこの長崎人4人にもスポットを当て、芥川と長崎の関係を際立たせていく。最初の切支丹物と言われる「煙草と悪魔」など長崎を舞台とした作品5編も収録し、それぞれの解説付き。
◆1296円・四六判・260頁・長崎文献社・長崎・2015/5刊・ISBN978-4-88851-237-4

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『辺野古 豊里友行写真集(増訂版)』●豊里友行著

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洞窟(ガマ)に水没、あるいは原野に野ざらしにされたままの遺骨を60年近く収集し続け、私設の戦争博物館を設立した島民。オスプレイ配備反対の座り込み住民の肖像を撮影する警察官。抗議住民のカヌーをハブ取りの棒状のもので確保する海上保安庁職員。平和行進を終え誰もいなくなった浜で竜神様に祈りをささげるオバー。1999年から辺野古の日常を撮り続ける豊里友行は、「沖縄県人としての血が呼んでいるような感覚や感情を紐解くように私は、沖縄を撮らされて行くし、魅せられている。
私は、沖縄に生きていて、お互いの人生に交わる時間軸において、沖縄のアンマー(母)やオジーオバーなどの表情、ウチナーグチ(沖縄の言葉使い)、無造作な所作にいたるまで写真に切り取るべき瞬間にウムイ(想い)を馳せていく。」と語る。縦13×横19cm、155頁の小さな写真集が、掌の中でずっしりと重い。この重さこそが、剥き出しにされた沖縄の現実なのだと思う。
◆1080円・四六判・154頁・榕樹書林・沖縄・2015/5刊・ISBN978-4-89805-181-8

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『鼻長ネズミのお酒づくり』●前田 満著

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人間の手のひらに隠れてしまうほど小さな鼻長ネズミが住んでいる森の動物たちは余り仲が良くなかったが、みんなに仲良くしてほしい鼻長ネズミはごちそうを作ってみんなをもてなすことを思いつく。海辺でコメとコウジを見つけ、お酒を作ろうと考えた鼻長ネズミは両方の鼻の穴に二つの材料を詰め、必死で海辺と家を往復。やっとお酒が出来上がり、ワシとカラスを招待したのに、二羽はケンカを始めてしまう。果たして鼻長ネズミの願いは叶うのだろうか。
哺乳類学者の著者が野生動物研究で北海道各地を歩いた時に耳にした数々のアイヌの昔話。本書はその中から表題作を含め5話を紹介した絵本。小さいながらもクマ退治に出かけるミソサザイ。互いの足を羨ましがり、とりかえっこしたエゾシカとユキウサギなど、動物たちの行動が微笑ましい。アイヌの知恵の神様と言われるフクロウが勇敢な動物たちを励ますのも印象的。中国語訳付き。
◆1080円・250×210mm・36頁・澪標・大阪・2015/5刊・ISBN978-4-86078-299-3

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『りんごをアップルとは呼ばせない −津軽りんご人たちが語る日本農業の底力』●黄 孝春/平本和博著

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青森りんごは全国生産量の半分を占め、輸出力の向上で、ブランドイメージを世界に浸透させ、農業の活性化を促した優等生と称される。中心地は津軽平野。中でも三方を山に囲われた狭い傾斜地と台地に集中する。この地にりんごがもたらされたのは明治初期、旧士族の土地活用政策によるものであった。しかしそこは、必ずしもりんご生産の最適地ではなかった。
なぜなら、生育期に梅雨が重なる高温多湿で病害虫多発の条件をもち、冬は豪雪による落果や倒木・枝折れの発生、しかも大消費地に遠い。だからこその品種改良、希少価値のある品種づくり、農園経営、生産者組合の結成、直接販売など流通構造の変革、価格の適正評価、ブランド化などあくなき挑戦とイノベーションがあった。品種開発、栽培、流通、輸出、加工の立場から、またサポート部門としての農機具・肥料・農薬業者、研究者たちが、自分の考えと信念、これからを語る。その矜持が書名に込められている。
◆1296円・A5判・244頁・弘前大学出版会・青森・2015/5刊・ISBN978-4-907192-31-0

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『幕末の奇跡 −〈黒船〉を造ったサムライたち』●松尾龍之介著

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日本がなぜ、産業革命を経験せず短期間で近代国家の仲間入りをすることができたのか。その理由の一つに、19世紀の西洋文明で普及した蒸気船との邂逅があった。つまり、黒船来航をきっかけに日本は、洋式海軍の創立と軍艦建造に着手する。それは日本が欧米世界の「19世紀グローバル化」の波に呑み込まれることを意味した。明治維新はこのときから始まる。面白いのは、蒸気機関の普及が、ヨーロッパと違って日本は海から始まったことである。その原点ともいえるのが、幕府の長崎海軍伝習所の開設であった(1955年)。
伝習生は、オランダ教師団から砲術・造船・航海術のほか高度な科学技術や医学を学んだ。参加者は幕臣のみならず諸藩の藩士も多数いた。伝習所はわずか3年半で閉鎖されたが、習得した知識や技術は日本各地へと広まっていき、明治期の基幹産業へと継承されていく。本書は伝習所関係者14人の経歴やエピソードを中心とした蒸気船からみた幕末史である。
◆2376円・四六判・297頁・弦書房・福岡・2015/5刊・ISBN978-4-86329-11 9-5

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