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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2015年09月号発行分)

『「生き場」をなくした人たち』●赤平 守編著

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障害者が犯す犯罪について、私たちはどれほど実態を知っているだろうか。貧困家庭に生まれ、知的障害のある84歳の男性は13回も服役し、通算年数は40年に達する。その人たちに共通するのは、貧困(絶望感、疲弊感)、差別(無理解、いじめ)、孤立(閉塞感、不信感とストレス)、障害(不安感、無力感)による生きにくさの連鎖であるという。
NPO法人日本障害者協議会で、障害の種別や立場、考えの違いを乗りこえて「完全参加と平等」「ノーマライゼーション」の実現を目的に活動している編著者は、「障害があるということに早い段階で気づき、適切な支援がなされていたら、こんな厳しい状況に追いやられることはなかった。犯罪などに関わらずにすんだ。」と記す。この視点から障害と向き合う保護観察所、医療少年院、刑務所、地域生活定着支援センターの担当者が、障害者へのインタビューも交え、何を成し、どうあるべきかを模索した大変に重い問いかけである。
◆1000円・A5判・123頁・やどかり出版・埼玉・2015/7刊・978-4-904185-34-6

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『REMEMBER TAKASHIMA 炭鉱遺産・高島閉山の記録』●鵜沼 享著

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2015年7月、「明治日本の産業革命遺産」として、長崎、福岡、山口など8県11 11 市の23施設が世界遺産に登録された。その中で、端島炭鉱(軍艦島)は注目の的だが、すぐ隣にあった高島炭鉱が話題になる機会はあまりない。
高島炭鉱の世界遺産北渓井坑(ほっけいせいこう)は、1869(明治2)年、トーマス・グラバーによって開削された。炭鉱は1881 年、岩崎弥太郎率いる三菱財閥に経営が移り、本格的な採掘が開始された。以来、1986年の閉山まで百年強にわたり、日本のエネルギー経済を支え続けた。最盛期(1968年)、高島の人口は18,019名を数えた。この数は端島の3倍強である。この本には島が活気に満たされていた頃の写真165点が収録されている。鉱員やその家族、子供たちが、アパートの立ち並ぶ炭鉱の島に生きる姿には、強い生活感がある。2014年現在、高島の人口はわずか437名。世界遺産登録の効果は、どのような形で出てくるのだろうか。この本の登場とともに、とても興味深い。
◆2916円・B5変形判・171 頁・忘羊社・福岡・2015/7刊・978-4-907902-09-4

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『松栄丸「広東」漂流物語』●小林 郁著

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江戸時代に漂流民となり、異国に漂着後、長い時を経て帰国してから活躍した人物と言えば大黒屋光太夫とジョン万次郎が有名。前者はロシアから、後者はアメリカから帰国し、聡明さと博学ぶりで注目を集めた。その一方で読み書きもできなかった平凡な庶民で、話題にもならなかった漂流民も数多く存在した。
1788(天明3)年、15人を乗せて北海道松前を出帆した「松栄丸」は遭難し、翌年中国南部広東省に漂着する。同じ時期に和船が中国に漂着した例は多いが、紀伊半島以東の太平洋沿岸で遭難した船としては167日と最長の漂流日数だった。15人の内、4人は中国で病死し、残った11 11 人が長崎へ送還された。
その後、各自の出身藩でも取り調べを受けたので供述書が残り、彼らの消息を辿る貴重な資料となっている。ほぼ600日ぶりに祖国に帰った遭難者たちの波乱に満ちた生涯を追う歴史ドキュメント。名もなき人々の談話の中にこそ力が溢れている。
◆2376円・四六判・366頁・無明舎出版・秋田・2015/7刊・978-4-89544-593-1

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『杉浦明平 暗夜日記1941−45 −戦時下の東京と渥美半島の日常』●若杉美智子他編

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「公表を控えるように」という本人の遺書もあり、これまで家族でさえも読むことを禁じられていた戦後文学者の一人・杉浦明平の日記が、今回、特に戦時下の1941 〜45年の部分に限って、遺族の特別な許可のうえで初めて公刊されたのがこの本。
そこには、後に杉浦が『暗い夜の記念に』で表したあの時代の閉塞感が生々しく記されている。と同時に、それとは相反するような恋と食と書物に明け暮れる杉浦が頻繁に登場する。その印象の隔たりに戸惑うが、実は国家や権威はもちろん世の大勢や空気感さえにも囚われずに、ただ自身をのみ恃む「明平さん」の自由で破格な言行こそが、この閉塞感に覆われた危機的な現在を生きる私たちに、ある指針と示唆と希望を与えてくれるのではないか。「暗い夜」のあの時代に、それでも世の趨勢に抗して“非国民”的態度を明るく貫いた杉浦のこの日記は、現代においての優れた警鐘と抵抗の書にもなっている。
◆5400円・四六判・575頁・一葉社・東京・2015/7刊・978-4-87196-057-1

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『はるか摩周 上/下』●後藤壯一朗著

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この小説は、戦時中、終戦後、そして昭和30年代という時代を背景に2世代の青春群像を描く自伝的フィクションである。アイヌ文化を色濃く残す道東の弟子屈、川湯、摩周の大自然を舞台に、痛烈な愛と青春の物語が回想形式で語られる。作者は若き日の記憶を辿りながら、戦争の影を背負う遥と新米医師「ぼく」の物語を熱く静かに紐解いてゆく。
上巻に戦時中の青春の象徴として東北の名山、鳥海山が登場し、見逃せないが、上下巻ともに、道東の自然の一大スケール感に貫かれている。「神々」が潜むようなアトサヌプリ、マクワンチサップ、カムイヌプリなどの山々が走るこの壮麗な雄大さの中に登場人物たちの運命が織りなされる。これに同調するように、モーツアルトやショパン、シューベルトなどの名曲が物語の伏線として読者に迫るようだ。さらに、大鵬の家族をはじめ地元の人々との人情豊かな交流にもノスタルジーが漂い、物語にリアリティを深めている。
◆各2160円・四六判・上351/下413頁・Eco・クリエイティブ・北海道・2015/7刊・上978-4-904155-17-2/下978-4-904155-18-9

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