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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2016年10月号発行分)

『満州国の最期を背負った男・星子敏雄』●荒牧邦三著

書影

日露戦争のさ中、熊本県の豪農の家に生まれた星子敏雄は、旧制五高で生涯を決定づける国家主義思想に出会い、大陸雄飛の夢を抱く。東京帝大を卒業すると迷わず旅順の関東庁警務局に就職、石原莞爾らと満州国建設に奔走し、満州警察のトップに上り詰める。そこで結婚した妻は大杉栄殺害事件の首謀者甘粕正彦の妹であった。
だが敗戦で一転、ソ連軍に逮捕されスパイ罪の宣告、日々死との向かい合わせであった11 年に及ぶシベリアでの過酷な獄中生活。昭和31 年51 歳で帰国、65歳の時、推されて熊本市長に当選、4期16年を務めた。この数奇で壮絶な生涯を、生前の星子への取材、五高の運動家たちの記録と聞き書き、近年入手しロシア連邦政府の抑留者関係資料、星子が家族に送った俘虜郵便などにより生々しく辿る。星子は生涯、満州建国は侵略ではなかったと主張したという。戦後70年、まさに、「この信念と歴史的定説の差」を深く掘り下げて考えるべき時であろう。
◆2160円・四六判・219頁・弦書房・福岡・2016/8刊・ISBN9784863291379

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『日本国の誕生 −白村江の戦、壬申の乱、そして冊封の歴史と共に消えた倭国』●小松洋二著

書影

日本における律令国家の形成期である7世紀後半に起こった2つの大きな出来事−白村江の戦いと壬申の乱。著者は限りある史料の読み直しと独自の視点からいくつかの新説を呈する。例えば、白村江の戦いでは船の数からいって優勢であるはずの倭国が大敗した理由を実戦の検証から迫る。倭国は満潮を利用して上陸し陸上戦に持ち込むつもりだった。海上戦を想定していない倭が輸送船なのに対し、唐船は戦闘準備をした駆逐艦で迎え撃ったことが勝負の分かれ目であったという。白村江の場所も錦江下流域ではなく牙山湾だとするのも新見解だ。壬申の乱に関しても興味深い推論が展開していく。乱のキーパーソンは天武ではなく実は高市皇子だという。異端的な存在だった天武が高貴な血を受け継ぐ高市皇子を養子という形で利用した。
他にも唐の冊封を受けていた天智の称制期間には定恵という当時実在の倭国王が存在した。など、刺激に満ちた古代史像が味わえる一書である。
◆1944円・四六判・182頁・不知火書房・福岡・2016/8刊・ISBN9784883451104

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『りんこのりんご −緋の衣のはなし』●作・石田としこ/絵・吉田利昭著

書影

「りんご、りんご!」「まっかなほっぺのりんごっぺ!」クラスの男子たちから赤い頬をからかわれる十才の凛子は、おじいちゃんが大事にしているりんごの木に隠れる。〈緋の衣〉というりんごが実るその木は樹齢百年を数え、農園にはこの一本だけ。どうしてこんな名前がついたのか、舞台は戊辰戦争後の会津へと移る。孝明天皇から賜った緋色の陣羽織をまとった会津藩主松平容保は緋毛氈の上に立って降伏し、武家の娘としてその光景を見ていた凛子の曾祖母りんの脳裏に二つの緋色が焼きついてしまう。
りんは家族を助けるために蝦夷に渡り余市に入植。十六才になり、小学校の先生になった頃、北海道開拓使からりんごの苗木が配られる。開墾がはかどらず、最初は期待されなかったりんごが実を結ぶのはもっと先になってしまうが、日本で一番古いりんごと言われる〈緋の衣〉の由来が描かれている。会津と余市をつなぎ、歴史を語り、出会いと別れの詰まったりんの成長物語でもある。
◆1080円・A5判・109頁・歴史春秋社・福島・2016/7刊・ISBN9784897578842

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『汽車・電車・市電 昭和の名古屋 鉄道風景』●服部重敬著

書影

その丸っこいスタイルから「イモムシ」の異名をとった名鉄3400系、そのカラーリングから「ナマズ」と呼ばれた名鉄850系。着々と整備が進められる市営地下鉄とその一方で廃止されていく路面電車。国鉄名古屋駅を出入りする列車も数多くの特急・急行そして寝台列車とバリエーションに富んでいます。1970?80年代にかけて著者が撮りためた写真は、鉄道華やかなりし頃の姿をとどめています。
そして本書は鉄道がメインの写真集ではありますが、その鉄道を包み込む風景にも時代が色濃くにじんでいて興味深い。超高層ビルは名古屋駅周辺にもほとんどなく、今や住宅開発の進む名鉄豊田線沿線にも住宅はありません。そして夏休みに席取りに並ぶ人の長蛇の列や、正月の初詣客でごった返す市電の停留所からは、当時の人と鉄道の身近さも伝わってきます。鉄道を通じて40年前の名古屋とその周辺の歴史、さらには時代の雰囲気さえも感じることができる貴重な資料ともなっています。
◆2808円・B5判・207頁・トンボ出版・大阪・2016/7刊・ISBN9784887161337

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『地域史誌からみた北畠・蒲生戦記 −陸奥国と伊勢国と』●山田一生著

書影

南北朝時代の公卿・北畠親房は、「戦う公家」として後醍醐天皇を支え続けたことで有名である。子の顕家が天皇の命により義良親王を奉じて陸奥へと赴く。目的は旧幕府方が蟠踞する奥羽の鎮圧だが、かれ以後の北畠氏の動向となると同時代の史料が乏しく謎が多い。例えば、津軽の浪岡を拠点とする浪岡北畠氏(「浪岡御所」)が15・16世紀の史料(『津軽郡中名字』『言継卿記』など)に登場するが、いつ、だれが、どのような経路を辿って入部してきたのか明確ではない。十三湊と外ヶ浜という2つの交通の要所に挟まれた浪岡の地に北畠一族はいくつかの城館を築いた。著者は、すでに顕家の時代から浪岡と関わりがあったと推論する。
一方、顕家の弟・顕能の系統が伊勢国司として戦国期まで南伊勢地方を領した。奥羽と伊勢の地に2つの北畠氏が中世という時代を生き抜いた。本書は、やや南朝贔屓な歴史書ではあるが、東北および三重の中世史に興味を持たれる方は必読である。
◆4104円・四六判・573頁・夕刊三重新聞社・三重・2011 /7刊・ISBN9784896580013

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