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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2016年12月号発行分)

『魂の道行き −石牟礼道子から始まる新しい近代』●岩岡中正著

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本書は名著『苦海浄土』の著者石牟礼道子の個々の作品の紹介ではなく、それら作品を貫き生み出す石牟礼の思想についての解説である。
石牟礼の文学は脱近代の文学で、論理的な因果関係を無視し、主体と客体といった近代の二元論を超えようとするという。ルネサンスに始まる「近代」は水俣病を生み出して、その極点に達した。これに対する「脱近代」的な価値への転換の石牟礼の集大成ともいうべき行動が、メチル水銀を水俣・不知火の海に垂れ流し続けたチッソ東京本社前の座り込みであった。
この抗議行動は「あらゆる世間的な絆を自らほどいて決別して行く」もので、これを石牟礼は「道行き」と呼ぶ。安易な同情や連帯、団結ではなく、徹底的に孤立して一人でもあの世に行かねばならないと思い合っている者どうしが絆を結ぶことだという。近代化によって崩壊した共同性(自己・他者・自然の関係)をどう再構築したらよいか。石牟礼はこの道行き論による新しい絆で「共同救済」のあり方を展望する。
◆1836円・四六判・146頁・弦書房・福岡・2016/9刊・ISBN9784863291393

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『秋田・廃村の記録 −人口減時代を迎えて』●浅原昭生・林直樹著

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廃村という言葉にどのようなイメージを持つでしょうか? 山奥の木立の暗がりの影に今にも崩れ落ちそうな廃墟がひとつ…。暗い印象を持つ方も多いと思います。しかし本書に取り上げられた廃村を見ればそんな印象は必ずしも正しくないことに気付くでしょう。
本書では秋田県の廃村を平成7 年頃と平成27 年でどのような変化があったかを比較しています。雪の多い秋田では建物が崩れ、廃墟等があるのは確かです。しかし多くの廃村では人こそ住まなくなったものの、まだまだ随所に人の手は入っています。しかも農地として活用されている場所は極めて多くあり、別宅のような建物さえあるところもあります。廃村探訪で地元の方に出会うことも稀ではありません。定住者がなくなり廃村となっても、その土地に手を入れる人がいる限りその場所は生きていると言えるのではないかとも思えてきます。過疎化に悩まされる地方の集落の今後を考える上でも、大きな示唆を与えてくれます。
◆1620円・四六判・208頁・秋田文化出版社・秋田・2016/10刊・ISBN9784870225725

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『外交官・松岡洋右の俳句』●松岡洋右著

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松岡洋右の名前は一般の日本人にとっては、国際連盟脱退や日独伊三国同盟、日ソ中立条約といった歴史的な出来事と結びついているのではないか。その松岡は、不息という俳号で多くの俳句を残していた。
本書では、昭和16年以降日記代わりにしていたという百六十句ほどが掲載されている。素人目で見ても作品はうまいとは言えないように思えるが、歴史的な事実と照合しつつ読むと、感慨深いものがある。昭和16年と言えば、4月に日ソ中立条約が調印された年であり、外交責任者としての松岡の全盛期にあたる。〈はてしなき雪の樹海をけふもゆく〉等、シベリアの白樺の林を印象的に切り取った句で始まるその旅の記録は、条約が調印された4月13日の〈十三日約成りて亡き母想ふ〉の句で最高潮に達する。またこれに並ぶ〈亡き母のうつしゑにただむせびけり〉では、亡き母親に仕事をやり遂げたことを人知れず報告する達成感が溢れ出ているのを見ることができよう。感極まり季語に無頓着になっている。
◆1944円・四六変形判・199頁・東京四季出版・東京・2016/9刊・ISBN9784812908976

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『ホッピー文化論』●ホッピー文化研究会著

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1948年に発売されたホッピーはアルコール分0.8%で、わかりやすく言うと一種のノンアルコールビール。当時はビールが高級品であったため、代用品として爆発的に売れたが、焼酎で割るのが王道とされている。
ホッピーのイメージは「東京下町の中年男性の酒」というのが一般的だろうが、昭和ノスタルジーのレトロブームと連動したり、低カロリー、低糖質、プリン体ゼロという謳い文句で健康志向にマッチしたり、サブカル系テレビ番組で紹介されたりと、発売当初を含め、三度のブームがあった。
ホッピーについて研究することで現代の社会や文化、人間を学ぶのが本書の目的。幼い頃にジュースにも通ずるホッピーという響きに魅了された昭和50 年代生まれの6人の研究者のフィールドワークが実を結んだ。社会学や人類学の見地から、ローカルでマイナーだけれど不思議な魅力を持つホッピーを通して時代を探る。
◆1296円・四六判・177頁・ハーベスト社・東京・2016/8刊・ISBN・9784863390799

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『渋谷の農家』●小倉 崇著

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渋谷といえども元々は江戸郊外ののどかな田園。だから、都市近郊農業の話しかと思いきや、驚く勿れ、渋谷も渋谷のど真ん中、ラブホテルが立ち並ぶ道玄坂の、ラブハウスの屋上で農業を営む男の物語。
著者は出版・広告を中心に活動するクリエイティブ・ディレクター。その傍らで、農業ライターとして全国の有機農業を取材してきた。原発事故で無力感の漂う日々の中、都会から神奈川県相模原町に移住して自然栽培を実践する新米農家の作ったホウレンソウを口にし、これが野菜の本当の姿であったのかと衝撃を受ける。真剣に農に向き合う人々との様々な出会いを経て2015年、友人が経営するビルの屋上に、空の近さ、吹き抜く風に感動しながら、1.5m×3.5mのプランター3個を据えつける。キャベツ、サニーレタス、ルッコラ、水菜、ラディッシュ、トマトなどなど。本気で働けば、本当にできる。「農は楽しい、農は嬉しい、農は美味しい」。それが著者からのメッセージ。
◆1728円・四六判・277頁・本の雑誌社・東京・2016/9刊・ISBN9784860112912

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