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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2017年01月号発行分)

『放浪・廻遊民と日本の近代』●長野浩典著

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いまや地球規模で不寛容な時代である。勿論わが国も例外ではない。なぜ人類は他者に対しこんなにも不寛容になっているのか。理由は様々だが、過去から学ぶことも意味があろう。
本書は、かつて日本において国家の埒外に置かれた人びと=放浪・廻遊民に目を向けている。「サンカ」(山の廻遊民)・家船(海の廻遊民)・浮浪らい(ハンセン病者)・乞食らが近代化の名の下にいかなる試練を受けたかを丹念に追っている。国家の側からすれば彼らは不衛生な集団あるいは犯罪者集団であり、社会不安を引き起こす元凶ゆえ取り締まりの対象、さらには撲滅せねばならない存在だということ。だが、彼らからすれば、たとえ貧しく過酷な生活を強いられていても、家族や親しい人びとが互いに寄り添って暮らしていける社会でもある。困窮する浮浪らいを温かく迎え入れる「サンカ」の話には深く考えさせられる。理解・寛容・共生の理念を実現させるためにも「人間の根源」が問われる。
◆2376円・四六判・305頁・弦書房・福岡・2016/12刊・ISBN9784863291430

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『あなたたち沖縄をもてあそぶなよ』●又吉康隆著

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落合恵子、佐藤優、金平茂紀、植草一秀、坂本龍一、國分巧一朗、キャサリン・ミュージック、加藤登紀子、宮崎駿。いずれも夫々の分野で活躍し、現代社会に影響力を持つオピニオンリーダーである。沖縄問題にも積極的な発言をしている。しかし著者は彼らが沖縄の歴史、現実を正しく見ようとせず、真実を捻じ曲げていると厳しく批判する。
詩「沖縄の辞書」で「粛々と」の意味を「民意をふみにじって」と書きかえなければならないと詠った落合に、米軍基地のおかげで沖縄は戦後70年間平和であり、人口も4倍以上増えたと。機動隊を暴力装置という國分に、座り込みによる国道封鎖は暴力行為ではないのかと。サンゴ死滅を指摘するキャサリンには、キャンプ・シュワブがあったから大浦湾の自然は保たれていると。沖縄県読谷村に生まれ、68年間この地に暮す著者ならではの指摘だ。沖縄はどうあるべきなのか。前向きの議論が展開されていくことを願わずにはいられない。
◆1458円・A5判・176頁・ヒジャイ出版・沖縄・2016/10刊・ISBN9784905100188

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『一畑電車写真集』●原知之・根宜康宏著

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島根県松江市の松江しんじ湖温泉駅から宍道湖の北岸を西へ走り、出雲市にある電鉄出雲市駅までを結ぶ北松江線と、途中の川跡駅から出雲大社前駅を結ぶ大社線のふたつの路線を持つ一畑電車。沿線には四季折々に多彩な表情を見せる自然があり、それを包み込む宍道湖の水面はあくまで穏やか。収められた写真からも自然とのどかさが伝わってきます。
そしてそんな風景の中を走り続けて開業から既に100年以上。出雲大社駅や布崎変電所などの施設は国の登録有形文化財にも指定されていますし、他社から来た中古車や戦前生まれの車両など、車両にも歴史を感じます。といっても古いだけではありません。島根県のご当地キャラ「しまねっこ」とコラボレーションした“ご縁電車”しまねっこ号も走っていますし、今年は86年ぶりに新造車も登場しました。本書を手に取り、伝統を受け継ぎながら着実に歩みを進めていく一畑電車の魅力にふれたら、もう乗りに行かずにはいられません。
◆2160円・25.4×23.8cm判・108頁・今井出版・鳥取・2016/10刊・ISBN978486611110448

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『されどオオカミ』●きむらゆういち著

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山奥からオオカミの遠吠えが聞こえる。オオカミの群れはバートルたちが飼っている羊や鶏を次々と襲う。オオカミを憎むバートルはやがてモンゴル相撲では彼の右に出る者はいないほどの強い若者に成長する。いつかボスのタオを倒してやろうと追いかけているうちにタオの真の姿が見えてきたバートル。自分より群れのことを考え、戦う相手とも正々堂々と勝負し、決してずるい手は使わない。オオカミだって懸命に生きている。なんとか人間と一緒に生きていけないかとバートルが考え始めた時、我慢の限界を越えた村人たちにタオを倒すよう頼まれる。戦いの行方はどうなるのだろうか。
『モンゴルの自然や知恵と日本の絵本の素晴らしさを互いの子どもたちに伝えたい』そんな思いから発足したモンゴル絵本プロジェクト。その第一弾を「あらしのよるに」で有名な著者が手がけた。迫力のある絵も楽しめ、人間と動物の共存についても考えさせられる。
◆1512円・A4変形判・36頁・あるまじろ書房・東京・2016/10刊・ISBN9784904387092

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『廃校+ −地域生活応援誌「Juntos vol.89」』●小野寺知子編著

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人口減時代が始まり、地域の核といえる学校の統廃合が進んでいる。文部科学省の調査によると、平成14年度から25年度(12年間)の間に廃校となった公立の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の数は5,801 校にも及ぶという。このうち、3,587校(62%)は有効活用されており、取り壊されたものは701 校(12%)と少数である。残る1,513校(26%)は活用されていないが、多くは活用の用途を模索しているという(平成26年5月現在)。
本書には、全国各地の廃校施設の活用事例が紹介されている。活用用途は専門学校、地域の体育館、美術館、介護福祉施設、企業の工場、体験交流施設、備蓄倉庫など幅広いが、地域の方々が主体的に運用し、活性化につなげている例は興味深い。特に、宿泊客の食堂が「集落居酒屋」を兼ねている木造校舎の宿泊施設は面白いと思った。「廃校」をキーワードとすると、地域の方々との接点がある良い旅ができそうな感じがした。
◆1080円・B5判・72頁・全国コミュニティライフサポートセンター・宮城・2016/10刊・ISBN9784904874509

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