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地方・小出版流通センター

地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2017年04月号発行分)

『泳ぐイノシシの時代 −なぜ、イノシシは周辺の島に渡るのか?』●高橋春成著

書影

イノシシといえば山の動物というイメージがあるが、じつは海や湖、川を普通に泳いでいる。 日本列島の各地にいたイノシシは、明治・大正の時代になると山間地の開発で減少し、多くの島で絶えた。昭和の高度成長期に入ると過疎地や耕作放棄地の増大、猟師の減少、暖冬化、肉を得るためのイノシシ、イノブタの飼育等で、再びイノシシは増え始めた。
その結果、1980年頃から列島各地でその泳ぐ姿をよく見かけるようになった。琵琶湖、若狭湾、紀伊半島、瀬戸内海、愛媛、福岡、佐賀、長崎、天草、奄美、沖縄の沿岸各地ではとくに多いという。この生育地の拡大は農作物の被害をもたらした。 では、なぜ何のためにイノシシは泳ぐのであろうか。著者の調査によれば、猟犬や山火事に追われて海に飛び込んで他の島に渡る例や、生育地が過密になり新たな場所を求めて海を渡る例、また瀬戸内や天草諸島など、なわばり内の移動で日常的に泳いでいる例も推測されるという。泳ぐイノシシに注目したユニークな本だ。
◆1944円・四六判・169頁・サンライズ出版・滋賀・2017/2刊・ISBN9784883256105

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『もう一度 倫敦巴里』●和田 誠著

書影

もしも世界の映画作家たちがイソップの寓話「兎と亀」をテーマに映画を作ったら……。川端康成の「雪国」の冒頭を他の作家や文化人風に表現したら……。
「暮しの手帖」ならぬ「殺しの手帖」で殺人の手ほどきを示し、毒入りのおそうざいのレシピまで紹介してくれる。こんな楽しい世界を展開してくれるのが和田誠。もちろん「雪国」ではそれぞれの似顔絵付きだし、ミュージカルや有名絵画や漫画をもじって描かれた人物も秀逸。ニャロメと野坂昭如の合成は見事としかいいようがない。
1997年初版の伝説的名著に新たに未収録作を加えて復刊された本書。パロディ本と言いたいところだが、本来パロディとは権威を引きずり下ろすくらいの力があるのではと考える著者は自分のやっていることは「モジリ」程度に過ぎない、でもそれが楽しいと語る。著者の観察眼と豊富な知識が光る戯作・贋作大全集。
◆2376円・A5判・170頁・ナナロク社・東京・2017/1 刊・ISBN9784904292716

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『あなたの葬送は誰がしてくれるのか −激変する供養のカタチ』●内藤理恵子著

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親が死んでも会社を休めない、弔いを親類や近所に知らせない、香典を受け取らない、無宗教葬儀が増え、家から仏壇が消えている。ネットで売り出される格安葬儀と僧侶派遣、祭壇の中心には位牌に代わって巨大遺影と過剰華美の飾り花。これが、近年の遺族と葬送の激変実態であるという。その要因の一つに上げられるのが、生涯未婚の者が増えていること。
日本の葬送文化を専門とする研究者である著者も独身で、将来墓を持ったとしても継承する者がいない。巷の仏教書ですら法事不要論が語られ、墓参りも、それどころか墓すらも廃れる運命にあるのだろうか。家族と共同体の変容、供養の脱宗教化、利益追求の葬送ビジネスと競争の激化。こうした社会事象を追いながら、故人を心から悼むとはどういうことなのか、信仰とは何か、信仰の拠点としての寺院と僧侶の役割とはと掘り下げていく。著者自身の結論は、信頼できる菩提寺を持ち、その墓地に入りたい、であった。
◆3132円・四六判・377頁・興山舎・東京・2017/1刊・ISBN9784908027345

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『秋田・消えゆく集落180』●佐藤晃之輔著

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わが国は人口減時代に突入したが、消えゆく集落、すなわち「廃村」がどこにあって、どのような様子なのかは、あまり知られていない。また、秋田県の直近の国勢調査における5年間の人口減少率は−5.8%で全国一高く、今年中には人口100万人の大台を割ろうとしている。
本書は秋田県で農家に勤しむ著者が、県内180の農山村(戦後開拓を除く)の廃村について、その実態を克明に記録したもので、消えゆく集落編(主に平成8年以降に離村の32か所)、消えた集落編(戦後から平成7年以前に離村の11 11 5か所)、ダムに消えた集落編(33か所)の三部構成となっている。うち、平成10年代の廃村は14か所、平成20年代は12か所であり、近年も確実に生じていることがわかる。著者は20年前に『秋田・消えた村の記憶』を上梓しているが、「消えた村の取材の頃と比べると"そっとしておいてほしい"という声をよく聞くようになった」と記している。両著書を読み比べると、時代の変遷が実感できる。
◆1620円・四六判・238頁・秋田文化出版・秋田・2017/1 刊・ISBN9784870225749

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『井伊家十四代と直虎』●彦根商工会議所編

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井伊家といえば桜田門外の変で斃れた大老直弼が浮かぶが、直虎はNHK大河ドラマで初めて知ったという人が多いに違いない。直虎は戦国時代遠江(静岡県)井伊谷の女領主で、初代彦根藩主直政のまたいとこと伝えられる。梓澤要の小説『女にこそあれ次郎法師』(後に『井伊直虎』)で脚光を浴びるが、謎めいた人物で、昨年末には井伊家史料を収蔵する井伊美術館が、別人の男であることをうかがわせる文書が確認されたと発表している。
ともあれ彦根藩井伊家は譜代大名の筆頭として江戸時代を通して確固たる地位を築いた。その前史たる直虎時代から幕末に至る歩みを、戦国史(小和田哲男)、直虎と直政の人物像(梓澤要)、近世史(大石学)、郷土史(河合敦)、城郭(中井均)、造園(谷口徹)、民俗芸能(中島誠一)、藩史・領主列伝(彦根城博物館)の切り口で記す。地元商工会議所が地方創生と郷土愛の高揚にと企画したもので、専門的でありながら楽しい読み物になっている。
◆1944円・四六判・347頁・サンライズ出版・滋賀・2017/1 刊・ISBN9784883256075

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『忘れられた人類学者(ジャパノロジスト) −エンブリー夫妻が見た〈日本の村〉』●田中一彦著

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 1935年熊本県球磨郡須恵村にアメリカから一組の夫婦が農村調査にやってきました。夫の名はジョン・エンブリー。後にルース・ベネディクト『菊と刀』でも参照された『須恵村』を著すことになります。妻の名はエラ・エンブリー。日本語に堪能で、夫の調査を助けただけでなく、村の女性たちとも親しく、後に『須恵村の女たち』という本も刊行しています。
彼らは須恵村で一年にわたり調査を行いました。本書はエンブリー夫妻の残した著書を中心に、当時の農村の様子やエンブリー夫妻と村人の交友などを中心にまとめられています。近代化の進む中で変化しつつ維持されていた「協同」の精神、あけっぴろげに性にまつわる話をする村の女達など、自民族中心主義とは無縁で村の人たちに親しみを持って受け入れられていたエンブリー夫妻ならではの観察がさえています。そしてそこから垣間見ることの出来る100年前の日本は、現在の日本を相対化して考える点でも興味深いものです。
◆2160円・四六判・319頁・忘羊社・福岡・2017/3刊・ISBN9784907902162

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