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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2017年05月号発行分)

『蚕糸王国 長野県 −日本の近代化を支えた養蚕・蚕種・製糸』●新津新生著

書影

富国強兵の時代、わが国の資本主義を支えたのは生糸である。「生糸を売って軍艦を買った」と言われるほどに多額の貿易黒字をもたらし、生産量は他国を圧していた。生糸は繭から糸をとる製糸と、その前段階として、蚕種(蚕の孵化)から、蚕を育てる桑の栽培、繭を作るまでの養蚕からなり、前者は工業、後者は農業の分野に属している。
長野県では最盛期には80%以上の農家が養蚕に携わっており、まさに世界の蚕糸王国であった。王国はどのようにして生まれたのか。自然条件、技術開発、労働力、製糸組合制度、資金と地方金融、企業経営者の人物像と社会貢献、また、そこから派生した社会運動や近代教育の普及まで、県内各地域、各結社・組の実態を、様々な観点から明らかにする。蚕糸王国は1930年代の世界恐慌によって衰退し、満蒙開拓のお先棒を担いて軍国主義にのめり込んでいく。その教訓は現代社会が汲むところが少なくないとの指摘には考えさせられる。
◆1728円・A5判・263頁・川辺書林・長野・2017/2刊・ISBN9784906529865

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『「勝ち組」異聞 −ブラジル日系社会の戦後70年』●深沢正雪著

書影

太平洋戦争の終結後、ブラジルの日本人移民の間では、日本の敗戦を受け入れない「勝ち組」と受け入れた「負け組」のふたつのグループが生まれました。そして1946年に「勝ち組」の過激派による「負け組」の中心人物殺害事件を機に、多くの犠牲者を出す凄惨な抗争が始まります。従来は、現状を認めない「勝ち組」のテロ事件として語られてきた一連の事件を再考したのが本書です。
殺人は「勝ち組」の中でもほんの一部の人々によって行われたこと、「負け組」も警察と組んで半ばリンチのような報復に走ったことなどが指摘されています。ブラジルへの同化と記憶の中で純化される故郷日本の間で揺れ動く、移民やその2世3世の心情を推し量り、当時を知る人の貴重な証言も得て、何故このような事件が発生し、正しい内実が伝えられなかったのかが明らかにされます。特に戦中から強まったブラジル政府による日本人への弾圧政策が移民社会にもたらした亀裂には暗然とさせられます。
◆1944円・四六判・276頁・無明舎出版・秋田・2017/3刊・ISBN9784895446242

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『山と河が僕の仕事場2 −みんなを笑顔にする仕事』●牧 浩之著

書影

初めて手掛けたハクサイが立派に育って収穫を迎えた。その青々としたハクサイを掲げて見開きのカラーページで満面の笑みを浮かべる男性。彼こそが川崎出身でありながら妻の故郷宮崎県高原町の釣り場に魅了され、結婚と同時にIターン移住した著者である。本書は2015年に同タイトルで猟師と西洋毛鉤釣り(フライフイッシング)職人ができるまでを綴った本の続編で、その後の目まぐるしくも充実した挑戦の日々が記されている。
カモやキジはもちろん、シカやイノシシも撃つ。奇跡の大イノシシが捕れた時は闘病中だった妻の父にも肉をふるまう。庭や畑を引き継ぎ、野菜やキノコ作りにも挑戦。地元猟友会の有害鳥獣対策班に入り、全国的にも数少ない網猟狩猟免許も取得。次から次へと広がる地元の人とのつながりを財産に、山と河に導かれ、自分の仕事で笑顔になってくれる人がいる人生を楽しむ著者。数多くの写真で輝く笑顔や風景や動物たちがそんな生活を余すところなく表現している。
◆1728円・A5判・189頁・フライの雑誌社・東京・2017/2刊・ISBN9784939003691

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『橡ノ木の話〈復刻〉』●富木友治著

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昭和17年、秋田魁新報に52回に渡って連載された小説の復刻版である。昨年は著者生誕百年にあたり、秋田県仙北市の新潮社記念文学館で企画展が開催された。挿画は郷土の自然や風俗を愛した版画家・勝平得之が担い、著者の小説世界の生活風土をあるがままに表現したかのような朴訥な作品が随所に挿入されている。本書は東北地方の民話をモチーフにした3話から構成されているが、旅人が豊かな自然に彩られた黄昏の山道をひたすら歩いていく序章を見逃すわけにはいかない。その序章の最後で旅人は、古い橡ノ木の根を枕にして深い眠りに落ちていく。読者が後に続く三つの物語を読み進めていくと、それぞれ独立した物語であるはずの3話の印象的な場面で橡ノ木が登場することに気づくはずである。
永遠とも思われる長い時間の中で人々の営みを見続けて来た古木が、序章の旅人に夢の中で語り聞かせた物語が本書なのだ、という妙に読者は気づくだろう。
◆3024円・A5判・165頁・無明舎出版・秋田・2017/3刊・ISBN9784895446266

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『韓国史からみた日本史 −北東アジア市民の連帯のために』●池 明観著

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著者は韓国民主化運動に半生を捧げたことで知られる知識人である。現在もなお、朝鮮半島において理想的な民主主義の姿がどうあるべきかを発信し続けている。EUの存続が昨今危ぶまれているが、かつてヨーロッパが国家を超えた地域的なつながりにより平和や経済発展を目指したように、韓国・日本・中国の三国もそれに倣って、北東アジアという一つの共同体を建設すべきではないかと説く。しかも国家間ではなく市民レベルで連帯していくことが重要だと。だが、その前には北朝鮮問題が大きく立ちはだかる。これについて著者は言葉少なめである。これを解決しなければ、著者の思い描く理想的未来像の実現は難しいだろう。
それはそうと、本書の醍醐味はなんといっても前半の書き下ろしの部分にある。日本は古代から近代に至るまで「武士社会」だった。日中の狭間で絶えず苦闘した朝鮮は「文官社会」を志向せざるを得なかった。等、北東アジアから歴史を再構成する。
◆1620円・四六判・137頁・かんよう出版・大阪・2017/4刊・ISBN9784906902798

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