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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2017年10月号発行分)

『忘却の引揚げ史 −泉靖一と二日市保養所』●下川正晴著

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昭和21 年春から翌年秋まで福岡県筑紫郡二日市町(現筑紫野市)に、敗戦後、満州や朝鮮北部などでソ連兵らに性暴行を受けて引揚げてきた女性たちの中絶手術と治療のための保養所が置かれ、その開設に、朝鮮からの引揚者で、後にアンデス文明の発掘者として名を成す文化人類学者、泉精一が奔走した事実は、近代史の中で殆ど語られることがなかった。
そこには、「敗者の沈黙」として葬り去られた余りにも残酷でむごたらしい被害の実態がある。泉の福岡での行動も、評伝などで2年間のブランクとされているという。加害と被害の営為を「忘却の穴」から救い出したい。全国の多数の関係者からの生々しく息の詰まる聞き取り、韓国人研究者や解明に奮闘する福岡の市民団体との交流、早くにこれに着目したディレクター上坪隆製作の真迫のテレビドキュメンタリー、内外の文献などから克明に掘り起こす。「行動する良心−泉精一の災害人類学」、韓国人研究者の評価が印象的である。
◆2376円・四六判・333頁・弦書房・福岡・2017/8刊・ISBN9784863291553

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『下総原氏・高城氏の歴史 上』●千野原靖方著

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15世紀前後の関東地方は政治状況が目まぐるしく変わるので正直分かりづらい。鎌倉府崩壊後、鎌倉公方(古河公方)と室町幕府及び関東管領上杉氏との対立が激化、周辺の地域権力をも巻き込み混乱の渦と化す。一族の結束が強かった下総国守護・千葉氏においても公方側と管領側とに分かれての闘いが繰り返された。その際に大いに活躍したのが直臣団である。
なかでも原氏は主家を支える重要な存在となり、戦国期には千葉宗家を凌駕するほどの力を持つこととなる。本書は、その原氏の出自や系譜を多くの史料や記録をもとに丹念に追っていく。千葉常胤の後裔・胤高が原氏の娘婿となり同氏を引き継ぐ。享徳の乱で公方派の胤房が管領派の千葉宗家・胤直と重臣円城寺氏らを破り歴史の表舞台に躍り出る。胤高の頃になると小弓・臼井・弥富を始めいくつかの系統に分かれ、領地は庶流も含め東・西下総や上総の一部など広範囲に及ぶのには目を見張る。高城氏は下巻にて登場。
◆1296円・A5判・139頁・たけしま出版・千葉・2017/7刊・ISBN9784925111560

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『若槻菊枝 女の一生 −新潟、新宿ノアノアから水俣へ』●奥田みのり著

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新宿駅東口、今はなきハモニカ横丁にバー「ノアノア」が開店したのは1950年。1970年代には水俣病患者支援のため店内に「苦海浄土基金」と書かれた木箱を置き、カンパを集めた。この店のママが辣腕経営者の若槻菊枝。新潟の小作農家の長女に生まれた菊枝は、小作争議に関わり、組合活動に邁進する父の背中を見て育つ。東京に憧れ上京、戦争を経てバーを開店し、多くの文化人が常連となる。
交際した画家の影響で絵を描き始め、映画監督・土本典昭の勧めで「苦海浄土」を読み、水俣へも出かけた菊枝は石牟礼道子とも知り合い、本格的に支援活動に乗り出すが、60歳で店の経営からは退き、夫の登美雄と共に絵を描き続け、個展も開く。
そんな菊枝の生き様に魅了された著者が5年にわたる取材で彼女の人生を描いた。残念ながら菊枝は7年前に94歳で亡くなったが、彼女の軌跡や功績はしっかりと本書に刻まれており、人間の逞しさと可能性を示してくれる。
◆1620円・A5判・325頁・熊本日日新聞社・熊本・2017/7刊・ISBN9784877555580

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『玄洋社とは何者か』●浦辺 登著

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玄洋社は憲則(社訓)に皇室敬載、本国愛重、人民権利固守を掲げ、旧福岡藩士頭山満らによって明治14年に結成された政治団体である。アジア主義を旗印に孫文の中国革命を支援したことでも知られるが、社員による大隈重信爆殺未遂事件、同じく内田良平らが結成した黒龍会の韓国併合推進、A級戦争犯罪人廣田廣毅を擁し戦後GHQから国家主義、帝国主義の一派として解散命令を受けたことなどから右翼、テロリスト集団とのイメージが定着している。
それに対して著者は、憲則からしても相互扶助団体であり自由民権団体であったと主張する。その論拠として、同社前身の興志塾における女性教師高場乱による国士教育、キリスト教や民間の学ともいうべき陽明学から受けた影響、インド独立運動を戦うビハリ・ボーズや朝鮮開化党金玉均などの亡命者の庇護などを上げる。戦前の政財界に与えた影響の大きさを考えれば、多方面からの研究がもっとなされるべきと思う。
◆2160円・四六判・246頁・弦書房・福岡・2017/7刊・ISBN9784863291546

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『木次線写真集』●今井出版編

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木次線は宍道湖のほとり山陰本線宍道駅と、広島県の備後落合駅とを結ぶ路線です。昨年開業100年を迎えるほどの歴史を持ち、かつては山陰と山陽を結ぶ路線として栄えました。しかし現在は高速バスなどにその役割を譲り地域輸送に徹する日々。自家用車の普及や過疎化で利用者も少なくなりつつあります。
そんな木次線の写真集が、今井出版の山陰鉄道シリーズ第6弾として登場です。現在木次線は観光列車「奥出雲おろち号」を走らせるなど観光路線としても知られています。沿線には名水湧き出る出雲坂根駅、美味しい出雲蕎麦が味わえる亀嵩駅など個性的な駅も多くあります。それだけではなく除雪作業に奮闘する保線員や人気のない夜の駅、雪の中を通学する学生の写真も。観光ではなかなかお目にかかれない木次線の「素」の顔も覗くことが出来ます。本書に収められた紅葉の写真は見事なものばかり。この秋にでもふらりと奥出雲に出かけたくなる、そんな美しい写真集です。
◆2160円・240mm×250mm・107頁・今井出版・鳥取・2017/7刊ISBN・9784866110691

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