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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2017年12月号発行分)

『子孫が語る「曽我物語」』●伊東祐朔著

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曽我十郎・五郎兄弟による仇討事件は能や歌舞伎の題材にもなり、同じ日本三大敵討ちの一つである忠臣蔵ほどではないが、日本人には馴染みのある歴史的事件といえよう。兄弟の父・河津祐泰(通)を殺害した八幡三郎は工藤祐経の郎等であり、事件の背景には所領争いがあった。河津氏も工藤氏も同じ伊東氏であり、源平内乱期とも相俟って争いは複雑な様相を呈した。復讐を誓った兄弟は、源頼朝主宰の富士裾野の巻狩で祐経を討取る。後世、親孝行の鏡としてもてはやされ、近代になると国定教科書に載せられて天皇制下の道徳教育の格好の題材とされた。
本書は、伊東氏の末裔である著者による「曽我物語読本」である。所々で著者の率直な感想や疑問が挿入されるなど楽しく読めて入門書として最適である。曽我兄弟と同じ境遇だった美作国の武士・漆間時国の子は、争いの連鎖を断ち切りやがて聖者となった。その名を法然という。相反する二つの生き方に中世人の苦悩を見る。
◆1200円・A5判・152頁・垂井日之出印刷所・岐阜・2017/8刊・ISBN9784907915070

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『奄美三少年 ユタへの道』●円 聖修著

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奄美でユタとしての仕事をしながら、占い師等の顔も持つ著者による自伝的作品だが、著者と同じくシャーマン的な資質を持った友人二人との交流を中心に綴られている。その友人の一人「平少年」は高校時代、学校で神懸かりとなってしばしば周囲を驚かせた。ある時担任の教師が校長室に呼ばれ、少年を退学処分とするよう言われる。担任教師は「彼はこの土地に古くから伝わる神障(ざわ)りではないかと思うのです」と食い下がるが、「なに!神障り、ユタ…君は正気かね?」と校長は嘲り、「脳病院に…」などと言いだす。しかし、担任教師は平少年を親身になってケアし、彼のユタとしての資質を自覚させることになる。
もしも地域社会にシャーマニズムの伝統が残っていなかったら、平少年はこの校長のような人物によってただの病人にされていたことだろう。他にも3人が体験した不思議なオカルト的現象が多く語られるが、このエピソードに見られるようにシャーマニズム研究や地域文化、教育といった多視点で読むことが重要だろう。
◆1620円・四六判・155頁・南方新社・鹿児島・2017/10刊・ISBN9784861243691

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『ぶらり「観光と歴史」の旅』●高橋倭子著

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心赴くままに日本各地の名所旧跡を巡る、雑誌『歴史研究』の連載「ぶらり[観光と歴史]の旅」が一冊の本にまとまりました。北は青森から南は鹿児島まで全国津々浦々、十年で百カ所、著者が訪れた土地の歴史と見所が紹介されています。天空の城として知られている但馬竹田城址や青森のねぶた祭り、京都の寺社仏閣など誰もが知っているような有名な場所もさることながら、知る人ぞ知るような場所へも足を伸ばしています。キリストの墓と伝わる遺跡のある青森県新郷村戸来では、何故ここにキリストの墓があるのかを現地に伝わる伝承をもとに解説してくれます。
また広島県福山市ではその遺跡の保存状態から東洋のポンペイともいわれる、かつて芦田川の中洲に発展した草戸千軒の遺跡も訪問しています。メジャーな観光地からマイナーな街まで、該博な知識に基づく紹介を読むと、日本国内にもまだまだ注目すべき面白いものや歴史が眠っていることに改めて気づかされます。
◆1296円・A5判・221 頁・歴研・東京・2017/9刊・ISBN9784865480603

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『新宿、わたしの解放区 増補版』●佐々木美智子著

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学生運動の嵐が吹き荒れた1960年代後半から70年代、新宿ゴールデン街で、左翼のみならず右翼の活動家も、金持ちも貧乏学生も、有名無名の文化人も、時に公安までが紛れ込む、まさに「解放区」というべきバーを営み、デモが始まれば先頭に立って機動隊が学生に暴力を振るわぬよう写真を撮りまくったおミッちゃん。聞き書きによる本書初版の半生記(2012)が刊行された時、伊豆大島で20年近い時を過ごしていた。
80歳になった2014年、再びゴールデン街に帰ってきた。献体をするのに離島では困難というのが理由だ。新宿で出会った人たちの顔写真集を作りたいとの思いもある。店はたちまち懐かしい仲間の居場所になり、NHK『小さな旅』にも登場した。ゴールデン街は随分変わってしまったが、世代や職業に関係なく肩寄せ合って会話するにはちょうどいい街だという。初版で80歳で結婚と語ったことは90歳に訂正と、戻ってからも天真爛漫の日常を加えた増補版。
◆2700円・四六判・287頁・寿郎社・北海道・2017/8刊・ISBN9784909281012

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『サンショウウオ戦争』●カレル・チャペック著/栗栖茜訳

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赤道直下スマトラの少し西にあるタナマサ島。真珠採取を命じられたオランダ船のヴァン・トフ船長は海中で二本足で歩く魔物の話を耳にする。その魔物こそがサンショウウオで、利口で人慣れしているのを知った船長は彼らを真珠採りに利用して、同郷の実業家ボンディ氏に事業を持ちかける。やがてサンショウウオたちは様々な技術や言語を身につけていくが、ついに迫害に耐えかね、人類に戦いを挑み始め、砂丘を海に変えて行く。間にはボンディ氏の執事が集めた資料でサンショウウオの歴史なども語られるが、最後に執事はこんな不穏な事態を招いた責任を感じ、孫たちに許しを請う。
80年も前に書かれた小説だが、決して古さを感じさせず、現代世界をも見事に諷刺している。1700年代に人間の化石とされていたものが実はサンショウウオの化石と判明したエピソードから題材にしている。久々の新訳で生まれ変わった傑作で人類が今後何をなすべきか今一度考えたい。
◆2808円・四六判・492頁・海山社・東京・2017/10刊・ISBN9784904153116

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