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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2018年07月号発行分)

『真田家松代藩上ヶ屋口留番所文書の研究』●馬場範明著

書影

口留番所とは、江戸時代、諸藩が出入りの旅人の監視や藩内の物資が他領に流出するのを防ぐ目的で、藩境に設置した小規模な関所のこと。松代藩(真田家)の場合は20か所あったという。その中の一つ、上ケ屋村口留番所に関する古文書を紹介しているのが本書である。藩の北部に位置する戸隠街道筋に置かれた。責任者は、代々「馬場庄右衛門」(著者の御先祖。19世紀初頭に一時、兄弟関係にある重(十)左衛門が任じられたこともある)を名乗っており、世襲制であったことがわかる。
病気を理由に役職を息子に譲りたいと郡奉行所に願い出た際、他の口留番所からお墨付きをもらっている。口留番人同士の横の繋がりもあったか。800点近くある文書の中でとくに多いのが通行手形で約400通。そのほとんどが酒樽運搬のもの。また19世紀半ばに多発した地震などで破損した番所の修復や、天保の飢饉頃の「戸隠神領上野村騒動」(天保8年<1837>)などの古文書も残っている。
◆2,160円・B5判・126頁・歴研・東京・2018/4刊・ISBN9784865480580

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『沈黙する伝承 −川上村における南朝皇胤追慕』●増田 隆著

書影

山深き吉野の里は古来、政争に敗れた多くの者たちの隠棲の地となってきた。返り咲く者がある一方で、殺害されあるいは非業の死を遂げる者も少なくなかった。足利幕府に追われ、南朝を開いた後醍醐天皇と後胤たちも同様である。後胤の歴史は「後南朝」と称されるが、深く闇に葬られ、史料はきわめて乏しく、実態はほとんど知られていない。著者は、僅かな史料や、拠点とされる川上郷(現奈良県吉野郡川上村)の郷士たちが参集して始め、今日まで560年に及んで村人たちが伝承する「朝拝式」から、隠された真実の欠片を掘り返そうとする。「朝拝式」は朝賀の儀を再現したもので、裃袴に威儀を正して行われる。
南朝への追慕であるとともに、先祖の軽々しい行為が南朝を屠ったことへの悔恨の念からだという。外部に漏らされることのなかった儀式であったが、8年前に村指定の無形文化財となり、こうして精緻な物語が記され、歴史の陥穽が埋められたことは感慨深い。
◆1,512円・四六判・271 頁・京阪奈情報教育出版・奈良・2018/2刊・ISBN9784878065101

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『東日本大震災と公共交通1 −震災を乗り越え甦る鉄路とバス』●鈴木文彦著

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東日本大震災は地震・津波・原発事故と多くの被害をもたらし、公共交通機関に与えた影響も甚大でした。本書は震災後早い時期から現地を取材してまとめられた、震災時の公共交通のリポートです。特に被災地におけるバスの記録に重点が置かれているのが特徴です。電気がなくても動かせるバスは、震災の翌日から早速動き出します。鉄道の不通が続く中、路線バスは多くの人の足となり、高速バスは被災地と他の地域を結びました。
もちろん乗務員や事務員も被災者です。それでも道路事情などが刻々と変わる中、何が求められているかを考えバスを動かしました。撤退した地域にも昔の経験を活かし臨時便を走らせています。個人の力では対処できない非常時にこそ公共交通はその真価を発揮します。普段は利用者の多くないJRのローカル線も燃料輸送に活躍するなど、結局最後に頼りになるのはシステムの汎用性とそれに携わる人たちの尽力であるということが伝わってきます。
◆4,320円・A5判・335頁・クラッセ・東京・2018/4刊・ISBN9784902841213

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『田の神石像・全記録 −南九州の民間信仰』●八木幸夫著

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現在の鹿児島県と宮崎県の一部、旧薩摩藩領に分布している田の神像(タノカンサー)は、江戸中期に一般庶民の手で作られ始めと言われる。道路沿いや水田に置かれたり、個人持ちや持ち回りのものがあり、農耕神、豊饒神として祀られてきた。本書に掲載されている古い田の神像の写真を見ると、一見、頭巾をかぶって小槌を持ち、大きな袋を肩にかついでいるふくよかな大黒様かと見えるが、よく見ると、頭にかぶっているのはシキと呼ばれる笠で、右手にメシゲ(しゃもじ)を、左手には椀を抱えている。
シキとは米を蒸す時に使う藁の編み物で、これにしゃもじと椀とくれば、豊饒を祈念する民俗的シンボリズムは、福の神である大黒天と共通するものがあるようだ。本書では、鹿児島、宮崎の田の神像2064体の資料が纏められているが、著者は多様な田の神像をその形態から「神像系」「仏像系」「混合型・その他」に分類することで体系化している。田の神像出現の歴史的背景についても面白く読めた。
◆4,104円・A5判・178頁・南方新社・鹿児島・2018/4刊・ISBN9784861243752

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『啄木賢治の肖像』●阿部友衣子著

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岩手が生んだ日本を代表する文学者、石川啄木と宮沢賢治。ちょうど10歳違いの2人は2016年に啄木生誕130年、賢治生誕120年を迎えた。それを記念して岩手日報に連載された特集記事を書籍化したのが本書。理想と現実の狭間でもがき苦しみながら数々の作品を生み出し、短い生涯を駆け抜けた2人の足跡を「友」「両親」「女性」といった人との関わりや「山」「川」といった自然、「仕事」「お金」という現実面など、18の共通テーマに沿って辿っていく。間に「識者に聞く」としてその分野の第一人者の見解も挿入。
「手紙と日記」では、形式に捉われない啄木の手紙はまるで現代のブログ、10年間で13冊の日記を残した啄木とは対照的に賢治の日記は発見されていないが、時には自分へも手紙を書き、膨大な書簡を残したなど、2人を比較しながら素顔をあぶり出すのは新鮮。手軽な新書版で、ゆかりの地散策マップを巻頭に掲載。岩手の風土をも感じることができる。
◆972円・182mm×105mm判・311頁・岩手日報社・岩手・2018/4刊・ISBN9784872014211

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