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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2019年01月号発行分)

『長い長い郵便屋さんのお話』●カレル・チャペック著/栗栖 茜訳

書影

郵便屋のコルババさんは手紙を配達するのが仕事。ある真夜中、郵便局の中で不思議な小人たちと遭遇。彼らは封を開けなくても手紙の内容がわかるという力を持っていた。その力で宛名のない一通の手紙の中身が熱いプロポーズだと知ったコルババさんはどうしても届けてあげたくなり、あてもないのに長い長い旅に出た。果たして手紙は届くのか?こうしたタイトル作をはじめ1932年に書かれた9つのお話。「ロボット」という言葉を作った作者が生まれ育ったチェコの小さな町では妖精やカッパや魔法使いが存在すると信じられ、お話の中でもごく自然に登場する。
「長い長いいたずら子ネコと王女様のお話」では魔法使いを捕まえるために世界一周の旅に出た探偵がナガサキに行き、わずかだが日本を紹介していて親しみが持てる。作者の兄ヨゼフ・チャペックの挿絵もほのぼのとした雰囲気を醸し出し、「語り」の味を大切にした大人でも子どもでも楽しめる童話集。
◆2,160円・四六判・324頁・海山社・東京・20181025刊・ISBN9784904153123

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『近世への扉を開いた羽柴秀吉 ―長浜城主としての偉業を読む―』●太田浩司著

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本書は、長浜城主時代の秀吉を正面から取り上げた好著。長浜は最古の近世城下町。あの安土よりも整備された完成度の高い碁盤目状の都市だったという。その基礎をつくったのが秀吉だった。町は朱印地(年貢免除地)の特権が与えられ、町人自治のシンボルとなる。平成16年の「秀吉公ゆかりの石碑・石柱建立事業」により当時の長浜の町並を復元、朱印線の境界には35本の石柱が建てられた。本書を片手に町の境界線を巡りたくもなる。
ところで、秀吉は天正3年(1575)に「藤吉郎」から「筑前守」へと名乗りを変えている。が、3年後に再び「藤吉郎」に戻り、その後の天正9年(1581)にまた「筑前守」を名乗りだす。これには中国攻略の状況の変化が背後にあったからだとの播磨良紀氏の指摘がある。それを踏まえて著者は言う。「筑前守」の名乗りが、「節目を自ら祝うために自称」だったのではないかと。偶然かどうか、その前後にのみ信長が秀吉の居城を訪れている。
◆1,620円・B6判・256頁・サンライズ出版・滋賀・20181027刊・ISBN9784883251902

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『地方に「かえ〜る人」3 −自分スタイルではたらく、暮らす』●丸尾宜史編

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「かえ〜る」には、都市から地方に「帰る」、新しい仕事を生み出して地方を「変える」、それらを継続して繰り返し地方に「還る」の三つの意味が込められている。著者自身、2009年に東京から岡山県津山市にUターンし、地域応援クラウドファンディングなどを起業した。
その著者が、Uターン、Iターンして岡山県北部で蔵元、花売り、飲食店、インキュベーター、ネクタイ製造、カフェレストラン、棚田再生、ジーンズ縫製、精肉卸、スーパーマーケットを生業とし、実際に働き暮らす10人と語り合ったインタビュー集の3弾目である。他県出身で大企業を辞めて妻の実家のスーパーマーケットを継いだ経営者は、公正な商いと食育、農業生産者と一緒になった商品開発などの地域循環型経営で住民の信頼を得る。全員に共通することは、事業の根幹に地域の課題やこれからを見据えた、地域に対する当事者意識を持っていることである。かえ〜る人たちの晴れの心意気が響いてくる。
◆1,620円・四六判・181頁・吉備人出版・岡山・20180913刊・ISBN9784860695583

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『海の縄文文化 −日本人のとりなしのこころのゆりかご』●尾曲 巧著

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著者は冒頭で、グローバル化や新自由主義、格差社会などの言葉で表現されるような、「今だけ、自分だけ、お金だけ」を特徴とする時代状況を、日本人の意識の古層に息づく縄文の思考が突き崩す可能性を秘めているのではないかと言う。縄文の思考とは「和と贈与」という言葉で表現される。この縄文的思考を歴史的に考察する際に著者が注意を促しているのは、縄文文化がかつて日本列島一帯に一律に広がっていたものではないということだ。
縄文文化とは時代や地域により多様で濃淡があったのだが、戦前の歴史観にもみられるように日本一国史的観点からそのような一律化した誤った縄文時代像が形成されていると。そんな濃淡のある縄文文化の中で著者が注目するのは縄文草創期以来南九州以南に花開いた海の縄文文化圏である。縄文人の起源の一つとされる南方ルート、すなわち東南アジア南部にかつて存在した大陸スンダランドにまで遡るようなその文化圏は、開放的で船の操作に長けた海洋民、浦人たちによって歴史的に脈々と受け継がれてきたとされる。
◆1,080円・A5判・59頁・南方新社・鹿児島・20181020刊・ISBN9784861243912

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『キジムナー考 −木の精が家の神になる』●赤嶺政信著

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キジムナーは沖縄の人々にとって最も馴染み深い妖怪であるが、著者は従来の研究には重要な論点が看過されてきたのではないか、と言う。著者はまず多様な伝承を一つ一つ辿り、類話を重ね合わせていきながらキジムナーの起源を明らかにし、富をもたらすとともに残忍な側面を持つ両義的性格を考察する。そしてキジムナーと木の精との同一性を指摘、「山から木を運ぶ」キジムナーの一面に注目する。
そこから八重山地域の建築儀礼の起源となった小人伝説に辿り着くのである。その小人たちは、生き疲れた若者が、その虚に一夜の宿を借りたヤンバルアワブキの精たちであった。朝になって材木を運んでいく彼らの後をつけていくと若者の生家のあった場所に立派な家が出来上がっているではないか…この伝説はこれまでキジムナー伝承の類話として取り上げられたことはなかったという。後半、考察はこの「小人伝説」を受けて、沖縄奄美地方の建築儀礼における茅や樹木の霊へ、そして中柱信仰へ、家の守護神へと進んでいく。
◆1,080円・A5判・123頁・榕樹書林・沖縄・20180830刊・ISBN9784898052037

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『日本を愛した人類学者 −エンブリー夫妻の日米戦争』●田中一彦著

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第31 回地方出版文化功労賞受賞作『忘れられた人類学者』の続編。前著は人類学者エンブリー夫妻の日本での研究をもとに、昭和初期の熊本の農村の風習などを主に紹介していますが、本書はエンブリー夫妻そのものについて描かれています。特に太平洋戦争時の夫ジョン・エンブリーについて詳しく調べられています。当時のアメリカでは日本研究者が集められ、敵国日本の国民がどういった性質を持っているか詳しく研究されていました。その中で日本文化の特殊性を重要視する自民族中心的な意見が力を持ちます。
しかしエンブリーは日本の特殊性をことさら強調する意見には批判的で、戦争の原因は日本が西洋の帝国主義政策に追随したためという意見を持っていました。一年に及ぶ日本での研究の賜物です。そのため日本移民収容所の運営など、戦時関係の部局に勤めながら、FBIにマークされてもいました。日本を愛し自民族中心主義に抗し続けたエンブリーの生涯を描きます。
◆2,376円・四六判・351 頁・忘羊社・福岡・20181208刊・ISBN9784907902193

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