トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ

地方・小出版流通センターあなたはこの本を知っていますか

地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2019年02月号発行分)

『NO NUKES ビキニの海は忘れない』●岡村啓佐著

書影

戦後史の闇の中に封印されているものの中に「ビキニ水爆実験」がある。米ソ冷戦構造の生みだしたアメリカの凶行は日本のマグロ船1000隻(延べ)・乗組員1万数千人に死の灰を浴びせた。しかし、その被害は「第五福竜丸事件」として歪曲化され、操業の中心をなしていた高知県のマグロ漁船員たちの存在はおよそ知られることはなかった。
高知県内の高校生サークルが被害者の生の声を聞き、実相を暴き出したのは1954年のビキニ水爆実験からおよそ40年後。沈黙を強要されていた漁船員は静かに苦悩に満ちた表情で、恐怖を語りだす。本著はその言葉を日本文のみならず英文併記で世界へ届ける。ビキニ被害者の声が英文で発信されるのは初めて。死の灰を「雪だ」と丸めて食べた乗組員。若くして次々とがんの病魔に倒れる漁船員。収録50人のダブルトーンで仕上げられた写真の表情は鬼気として「核なき世界の平和」を求め、私たち読者の心を震えさす。女優の吉永小百合さんが帯文にメッセージを寄せていることも付記したい。
◆2,160円・210mm×270mm判・147頁・自費出版(印刷、販売=高知新聞総合印刷)・高知・20181210刊・ISBN9784906910809

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『高橋弘希の徒然日記』●高橋弘希著

書影

日本の三大随筆とは「枕草子」「方丈記」「徒然草」であり、数百年にわたって読み継がれているが、現代日本についに第四の傑作随筆が登場! というと少々大げさではあるが、“法師”を自称する著者の語り口は滑らかだ。昨年「送り火」で芥川賞を受賞した十和田市出身の著者が地元紙に連載したエッセイに番外編を加えた本書。フルーツタルトにはまり、お気に入りの店に足繁く通う乙女な行動、低評価だったのに八戸で食してから一転絶賛する鯖寿司やイカ刺し、衝撃を受けた洋楽との出会いなど、静謐な小説世界とは異なる面も見せながら、郷土愛や紙の本の大切さも語る。
また、八戸での著者初の講演会の直前に“話すことを考えていない” と言って担当者を不安がらせながら、いざ登壇すると予備校講師だった経験を生かし、大いに会場を盛り上げたという水戸黄門的エピソードも痛快。題字、イラストも描く著者の過激でポップなエッセイ集。
◆1,512円・四六判・105頁・デーリー東北新聞社・青森・20181202刊・ISBN9784907034191

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『秋田・八郎湖畔の歴史散歩』●佐藤晃之輔著

書影

人はそれぞれに何かを求めて見知らぬ場所へと旅をするが、そこが見知らぬ場所であってもあまり近い場所には興味を示さないのではないだろうか。秋田県南の農山村で生まれ育ち、県北大潟村に住み、県内各所をくまなく歩き、『秋田・消えた村の記録』をはじめとする10冊の本を記してきた著者にとって、八郎湖畔はまさしく「灯台もと暮らし」だったのであろう。
この本では、八郎湖畔7市町村(男鹿市、潟上市、井川町、五城目町、八郎潟町、三種町、大潟村)を訪ねめぐって見つけたものを、4章立てで分かりやすくまとめている。八郎湖には十和田湖や田沢湖のような観光ポイントはないが、人里の中にある大きな湖ならではの歴史がある。広大な八郎潟干拓地、かつては島だったという男鹿半島の地勢を含めると、八郎湖畔はとても個性的な場所と言える。近くても見知らぬ場所にいけば旅が始まることを、この本は実感させてくれる。
◆1,620円・四六判・227頁・秋田文化出版・秋田・20181120刊・ISBN9784870225848

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『廃村と過疎の風景10 −廃校廃村を訪ねて2 甲信越東海』●浅原昭生著

書影

本書は浅原氏の『廃村と過疎の風景』シリーズの記念すべき10 作目だ。写真も多く、まるで自分が探索しているかのような感覚を提供してくれる。廃村(無住集落)を「おどろおどろしいもの」としてみる風潮があるなか、同氏の廃村への姿勢は一貫して中立的である。今や大学や研究所の研究者も同氏の書籍を頼りにしているという。
社会全体の趨勢が「拡大」から「縮小」に変わった瞬間、廃村(無住集落)は「時代の最先端」に躍り出た。多種多様、強烈な個性を放つ廃村たちは、農山村の未来を考えるための「ヒント」を与えてくれる。一例をあげるなら、長野県伊那市芝平が興味深い。旧住民の離村と新住民の田園回帰が同時に進む昨今、新旧住民が入れかわった芝平は「最先端の事例」とみることができる。暖かみのある記述と学術性が同居する本書は、廃村探索の初心者から、いわゆる研究者まで、あらゆる層に深い感銘を与えると確信している。
◆2,160円・B5判・143頁・HEYANEKO・埼玉・20181231刊・ISBN9784990347505

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『日中両国の学徒と兵士』●小林一美著

書影

著者の故郷である長野県諏訪地方を中心とする反戦的左翼学生、中国で戦死した青年日本兵、多くの留日学生、日本陸海軍将校養成学校生徒らが十五年戦争時代、治安維持法下で味わった筆舌に尽くせない苦悩、悲劇を掘り起こした昭和史の物語である。諏訪地方では、東京女子大在学中に治安維持法で検挙され、思想で結ばれた夫の転向を知って発狂し、獄中死した伊藤千代子。短く壮絶な人生を多くの同時代者の証言によって描き出す。少年時代から詩歌に親しんだ軍医鈴木秀夫は、駐屯した中国南昌で日本に留学していた一女学生の日記帳と書簡を発見し、国家権力に翻弄された過酷な運命に打ちのめされる。密かに日本に持ち帰り、戦後翻訳して出版する。
こうした学徒や若き兵士ら数奇な運命と、その中でも発揮した大きな勇気を丹念に発掘し記録することで、新たな日中関係、人類、世界の未来への展望の糧にし、自由、民主、人権、平和の社会を築きたいと著者は述べる。
◆4,212円・A5判・510頁・中国書店(集広舎)・福岡・20181130刊・ISBN9784904213643

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『京都の市電 昭和を歩く』●福田静二著

書影

2015年に刊行された『京都の市電』が縮小版サイズで再登場しました。全国各地で路面電車が姿を消した1960~70 年代に、京都からも市電は姿を消しています。本書は晩年の京都市電の姿を中心に、在りし日の写真を多く収録しています。八坂神社や東寺など多くの名のある寺社を背景にゆっくり走るのは、京都市電ならではといえるでしょう。祇園祭の日には山鉾の巡行を邪魔しないように区間運休もします。昭和51年に百万遍の停留所で撮られた白川女のいる朝の景色は、往年の京都の日常を想像させます。周りを囲む山々もよく見えるのは、まだあまり高い建物がなかったからでしょうか。
廃止直前でも多くの利用者に愛されていた市電の姿をもう見ることが出来ないのが非常に残念です。今や写真の中に記録としてしか残っていない京都市電ですが、ハンディサイズに生まれ変わった本書片手にかつて市電が走っていた面影を探して、京都の街並みを散歩するのも楽しいかもしれませんね。
◆1,620円・A5判・191頁・トンボ出版・大阪・20181201刊・ISBN9784887162068

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『歴史家と噺家の城歩き −戦国大名武田氏を訪ねて』●中井 均・春風亭昇太・齋藤慎一著

書影

ここが馬出だ! あそこに土塁がある! 草木の生い茂る山道、ときには藪の中をかき分けながら、郭が眼前に出現する。中世の山城を歩くのはさぞかし楽しいことだろう。でも、にわかファンの小生などが勇んで足を踏み込んでみても、縄張りどころか、竪堀と横堀との区別もつかないのが関の山。そんな素人諸君にも朗報。城歩きに関する素敵な本が出た。
中世城郭のエスキパートお二人と、城マニアで本まで出している有名落語家さんが、お城の現場に立って率直な意見を出し合いながら、城歩きの醍醐味を教えてくれる。従来の入門書の類にはなかった臨場感が味わえる。
何しろ、感動したり、疑問を呈したり、専門家が自ら手の内を明かしているようなもの。師匠が時たま鋭い意見を言って賛同を得たりするなど、専門分野の垣根を超え、純粋に城好き同志が集っている感が伝わってきて何とも微笑ましい。結論めいたところのないのも、城郭研究の現状を表しており、清々しい。
◆1,944円・A5判・154頁・高志書院・東京・20181210刊・ISBN9784862151872

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『齋藤史「朱天」から「うたのゆくへ」の時代 −「歌集」未収録作品から何を読みとるのか』●内野光子著

書影

「はづかしきわが歌なれど隱さはずおのれが過ぎし生き態なれば」(『齋藤史全歌集』より)
伝説的な女性歌人・齋藤史が、自身の『全歌集」の扉頁にまるで誇るかのようにあえて載せたこの有名な歌は果たして事実か? 齋藤史の高潔さと、歌人のあるべき姿の象徴のように語り継がれ、彼女の名を高らしめるのに大きく寄与してきたこの歌の背後に消えた真実とは? 齋藤史の知られざる全容――驚くほど数多くの隠蔽や削除、改作、多重寄稿の意図・意味、その過程をあらゆる角度から検証し、改ざんが大手を振って歩く危機的な今だからこそ、表現者としての当然の責任と道義、覚悟を問う!
膨大な原典や原資料に当たり、20年以上にも及ぶ著者の詳細な研究・分析から、これまで誰も見ることのできなかった齋藤史の実像に迫る渾身の書。「齋藤史著作年表」「齋藤史『歌集』未収録作品と『齋藤史全歌集』編集時の加除作品」「齋藤史関係雑誌3 館所蔵リスト」等の120ページにも及ぶ貴重な資料付き。
◆3,240円・A5判・279頁・一葉社・東京・20190109刊・ISBN9784871960755

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


『脈 99号 特集:今氏乙治作品アンソロジー/名編集者・上間常道さん追悼』●比嘉加津夫編

書影

2012年に亡くなった思想家・吉本隆明さんの読者にとって、「今氏乙治」の名は、吉本さんが少年期に通っていた私塾の教師として、そして多大な影響を吉本さんに与えた人物としてたいへん馴染み深いのではないだろうか。吉本さんの思春期前後の〈黄金時代〉を象徴する人であり、吉本さんが表現の世界に入るきっかけとなった人物と言える。その私塾には、戦後の代表的な詩誌『荒地』同人だった田村隆一さんや北村太郎さん等がいた。
今氏氏は昭和20 年3 月10 日の東京大空襲で家族とともに行方不明となった。吉本読者としては、その今氏乙治氏の詩や小説作品を読むことができる、ということに、まずとても感慨深いものがある。これらの作品群は、今回『解題 今氏乙治のことなど』を寄稿されている宿沢あぐりさんによって発行された『今氏乙治作品抄』(非売品とのこと)がベースになっているという。
今号ではもう一つ、2018年8月に亡くなった、『新沖縄文学』や『沖縄大百科事典』の名編集者、上間常道氏の追悼特集も組まれている。
◆1,404円・A5判・217頁・脈発行所・沖縄・20181120刊・ISBN9784907568894

《オンライン書店で購入》
※主なショッピングサイトのトップページにリンクを貼っています。リンク先の書店によっては、お取り扱いしていない場合があります。ご了承ください。
hontoHonyaClub.com紀伊國屋WebStoreブックサービスセブンネットショッピングe-hon楽天ブックス文教堂Jbooks丸善&ジュンク堂書店アマゾンTSUTAYAエルパカbooksYahoo!ショッピング

地方・小出版流通センターへの直接注文、お問い合わせはコチラをご覧ください。


baner

株式会社 地方・小出版流通センター
郵便番号162-0836 東京都新宿区南町20
TEL.03-3260-0355 FAX.03-3235-6182

電子メールでのお問い合わせは、chihosho●mxj.mesh.ne.jp まで。

*お手数ですが、●の部分を半角のアットマーク「@」に書き換えてご送信ください。スパムメール対策のためです。すいませんがご了解ください。

当ページに掲載されている記事・書誌データ・写真の無断転載を禁じます。


トップページ地方・小出版流通センターサイトマップ