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地方・小出版流通センター発行情報誌「アクセス」より

新刊ダイジェスト(2019年03月号発行分)

『比叡山の僧兵たち −鎮護国家仏教が生んだ武力の正当化』●成瀬龍夫著

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中世の寺社が公家や武家と並ぶ強大な権力を保持していたことは、黒田俊雄氏が「権門体制論」を提唱して以来周知のことであるし、思想的には同氏の「顕密体制論」によって新仏教よりも顕密仏教の方が少なくとも中世前期までは社会の大勢を占めていたことも今や定説だ。
なかでも南都北嶺といわれる興福寺と延暦寺は多くの「僧兵」(江戸時代の呼称。当時は大衆・衆徒)を保持しており、度々朝廷に強訴したことで有名。あるいは山門(叡山)と寺門(三井寺)との長期にわたる抗争も宗教史上特筆すべき出来事である。なぜ有力寺院が武力を有したのか、著者は、延暦寺創立当初の状況から筆を起こし、権門としての延暦寺の終焉となる信長の比叡山焼き討ちや、秀吉の三井寺闕所事件までを考察の対象としながらその理由を求め、王仏相依の下での「王法護持のための武力の正当化」と結論づけた。神輿や神木を担ぐ強訴は王仏の関係性を確認する儀式的意味合いがあったという。
◆1,944円・B6判・226頁・サンライズ出版・滋賀・20181225刊・ISBN9784883251919

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『暮らしと繊維植物 −別冊 会津学 Vol.1』●菅家博昭著

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福島県の昭和村は、繊維植物であるカラムシを本州で唯一栽培生産しているこもで知られる。その昭和村で著者はカスミソウ農家として仕事をしながら、繊維植物に関する資料を集め、地域の古老から話を聞いて書き留め、古文書を紐解き、また内外の研究者や生産者と交流をしている。農文協から出版された生活工芸双書(全10巻)のなかの一冊『からむし』の著者でもある。
本書はその『からむし』執筆を支えた一次資料をもとに編まれたものである。読み進めてみると、市販の出版物はもちろん、日本各地の自治体が編纂したような自治体史や旧家の蔵から出てきた古文書等、あらゆる資料から繊維植物に関わる個所が抽き出され、網羅されているのがわかる。本書のエピグラフには「からむしを中心とした植物繊維に関する調査が今後も深く展開されることを願って第一次資料として次の世代に残したい。さらなる研究の礎として。」と記されているが、まさに圧巻となる、豊饒な、植物繊維研究のための百科事典となっている。
◆1,543円・A5判・283頁・奥会津書房・福島・20181115刊・ISBN97849067253

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『森へ 句集』●宇多喜代子著

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“蛇の手とおぼしきところよく動く”“雨あとの森を背負うて蝸牛”まさに奥深い森に分け入るような情景が浮かんでくる数々の俳句。森閑とした中にも確かな息遣いが伝わってくる。
本書は現代俳句協会特別顧問として多方面で活躍する著者の第八句集。祖母の茶飲み友達であった遠山麦浪という和尚の話を傍で聞き、俳句が面白そうだと直感して、麦浪に手ほどきを受けたのが18歳の時。俳誌「獅林」を経て「草苑」で戦後日本を代表する女流俳人桂信子に師事。2010年、『象』で第35回蛇笏賞を受賞し、現在はその選考委員も務め、既に60年以上のキャリアを誇っている。
本書には2010年から2018年の句が収められ、自然や動物を含め、歳時や農事、さらに戦争についても鋭い視点が光る。沖縄の俳人玉城一香や昨年没した金子兜太への追悼の句も掲載。原生の森を安息の場と思念し、再生のよすがとする著者の思いが静かに心に染みてくる。
◆1,944円・四六判・181頁・青磁社・京都・20181207刊・ISBN9784861984181

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『米騒動100年』●北日本新聞社編集局編著

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大正9年、富山県魚津の漁民の妻たちに発し、全国に波及した米価の暴騰に苦しむ大衆の蜂起。軍隊を出動させ、時の内閣を倒した。それから100年の昨年、地元『北日本新聞』が、米騒動を多角的な切り口でとらえ、現代の社会問題といかにつながっているかを考えた一面連載のキャンペーン、米騒動が社会や文化に与えた影響について新たな視点で開催された滑川市立博物館の企画展に関連した学芸員と近現代史研究者による連載、さらに、ジャーナリストと学芸員によるフォーラム「女一揆 魂を揺さぶられた越中の男たち」の記録を収録する。
貧困と格差、揺らぐ民主主義、生存権をかけた闘い、地域の絆。驚くほど今日的課題と類似していることが分かる。巻末に、『北日本新聞』の前身の『富山日報』、『高岡新報』、『北陸タイムス』が騒動の様子を生々しく伝える当時の紙面を収録している。新聞が地域の言論をリードし、米騒動に大きな役割を果たしていたかが実感できる。
◆1,728円・四六判・209頁・北日本新聞社・富山・20181217刊・ISBN9784861751066

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『心身症と心の病を簡単に治す −カウンセラーとセラピストに必要な基本知識』●マンフレッド・クラメス著

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現在、日毎に増えつつある心身症や鬱病などの精神疾患に、インドの伝統医療であるアーユルヴェーダ理論に基づいてアプローチする統合医療的実践の書。アーユルヴェーダにさほど馴染みのない読者がまず把握しておくべきは、その理論の基本となる五大元素「地」「水」「火」「風」「空」が、世界及び人間存在への解読格子となっているいうことである。この五大元素は例えば「土」は骨格系に、「水」は血液やリンパ系に、というように心身の器官や状態に対応関係を持つ。
そして「風」「空」はまとめてヴァータと呼ばれ、精神疾患や心身症はそのヴァータの増大によって元素間のバランスが崩れた状態と解読される。ドイツ人の著者は、若い頃から仏教思想に惹かれて19歳で来日、禅寺で修行した経験を持つ。その後日本人女性と結婚し、鍼灸や指圧を学んだという。アーユルヴェーダと出会ったのも日本でだ。日本との縁が深く、また日本で心因性の疾病が深刻化している現状を踏まえて、本書は原著をもとに日本人向けに大幅に書き直された。
◆2,376円・A5判・158頁・フレグランスジャーナル社・東京・20181110刊・ISBN9784894793026

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『石語り人語り −石や岩の奇談をめぐって』●落山泰彦著

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かつて豊臣秀吉が大阪城を築城する時各地から石を集めた。芦屋川の上流にある夫婦岩を切り出そうとしたところ岩から血が吹き出した。石工たちは驚き、二度とこの岩を切ることをせず、禁を破れば祟りがあると恐れた…このような、各地の伝説にある岩や、九尾の狐伝説を残す栃木県那須の有名な殺生石、『日本霊異記』にある石を産んだ女人の話、『伊勢物語』のさざれ石等、石や岩をめぐる奇談を集めて物語化、それぞれ、出典や関連エピソードを述べた解説を付す。朝鮮神話やギリシャ神話、中国清時代の『聊斎志異』からも不思議な話が抜き出されている。
後半は、ギリシャやトルコ、エジプト、そして沖縄と、石と岩をめぐる旅のエッセイとなっている。中でも興味深いのは、兵庫県の生石(おうしこ)神社の石の宝殿だろう。1500年前から存在していると言われ、ゾロアスター教の祭壇との説もある500トンのこの巨岩が、昨今、パワースポットブームとともに脚光を浴びているのだとか。
◆2,160円・A5判・198頁・澪標・大阪・20181225刊・ISBN9784860784232

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『蒸気機関車を撮るということ』●玉村雅美著

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今や日本の鉄道ではほとんど見かけることのなくなった蒸気機関車。その蒸気機関車を追い求めて写し続けてきた写真家によるフォトエッセイ集です。旅のスタイルや、撮影時の心構えなど、様々なことについて語られています。著者は一人旅を愛し、撮影に向かうときにも列車に乗り、車を使わず歩いて撮影に向かいます。ただどんなに入念な準備をしても列車の運行休止などで写真が撮れずに終わることもあります。そんな時にもプラス思考で腐らず次の機会を思い描き、気持ちを切り替えます。
上手な写真を撮るだけではなく、撮影旅行自体ひいては人生そのものを楽しむと言う気持ちが伝わってきます。それが25年間自分流の撮影スタイルを貫けた根底にあるのでしょう。収められた写真の中には撮影旅行の途中で出会った風景や人々の姿などの写真も多くあり、旅そのものの楽しみも伝わってきます。そしてもちろん黒煙を吐き出して走る蒸気機関車の魅力も存分に味わえます。
◆2,160円・A5判・101頁・リーブル出版・高知・20181220刊・ISBN9784863382374

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